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ルノーR35考証メモ(2)

●実を言えばまだ全然まとめきれていないのだが、あまり間が空くのも何なので、個別にでも、ある程度目処が立った時点で調査結果をUPしていこうと思う。

対象のルノーR35は、第2次大戦フランス軍(1940年戦役時)の事実上の主力戦車である(これ以上の概略についてはwikipediaを参照のこと)。その主な外形的バリエーションは前回羅列した通り。

R35 これについてどのような調査をしているかというと、実際の表でなく切り出した画像だが(表全体はデカ過ぎて、貼り込むようなものではない)、右のような感じ。

幸い、フランス戦車の場合は登録番号を車体前後に比較的よく目立つように書いてある。番号が判るものにつき、写真に写り込んでいる特徴だけを拾っていっても、ある程度傾向は読めるのではないか、というのが出発点。

……とは言っても、我ながら思うに地味な作業である。やれやれ。

●というわけで、今回は車体前部の「増加装甲」について取り上げることにする。本来は増加装甲付きと増加装甲無しの車体前部のイラストでも載せるべきだが、スキャナーもないし、直接描こうにもその手のソフトがwindowsのペイントくらいしかないので、宿題ということで。

まず増加装甲を取り上げる理由は、何のこたぁない、一番最初に、かなり明確に登録番号との関連性が見えたからで、反面、他の要素はどうもそう一筋縄では行かないようだ、というのも現時点で種明かししておこうと思う。

この増加装甲は一部車輌にのみ付いているものだが、表にしてみて、明確に「登録番号が若いものには標準的に付いていて、後のものにはない」ということが判った。ほぼはっきり番号と連動している以上、この増加装甲板は後付けのものではなく、生産時点での標準仕様だったと考えてよさそう。

もっと具体的に言うと、1500輌余り生産されたR35のうち、50296号車(296輌目)には付いているのがはっきり確認でき、50298号車(298輌目)以降では確認できない。つまり、この増加装甲は生産開始より296~297輌目まで装着されていたものだと推察することができる。

実際には、「シャール・フランセ・ネット(chars-francais.net)」に出ている写真のなかで、51160号車とされているものにははっきり増加装甲が確認できるという例外がある。ただし、写真自体は非常にクリアなのだが、登録番号はだいぶかすれて読みづらく、本当は50160号車か、とにかく別の番号である可能性は高い。

●1937年に行われたとされる耐弾試験で、より装甲を強化する必要性が指摘されたが、すでに生産は進んでおり、より多くの戦車が必要とされている状況下で、装甲強化は見送られたというような記述が、TRACKSTORYにでている。

おそらくこの試験に供されたものと思われる、穴だらけになった50004号車の写真が掲載されているが(TRACKSTORY、p.8)、この時点ですでに増加装甲は装着されている(車輌手前に、増加装甲付きのデフカバー……なのかブレーキ点検ハッチなのか、とにかくその手のハッチカバーと、被弾の衝撃で外れてしまった車体右側の増加装甲が立てかけてある)ので、テストの結果を反映して付けたものではないらしい。しかも1937年となると生産が始まってからだいぶ経っているし、おそらくすでに増加装甲無しのものが生産されている時分だ。

あるいは、初期の鋳造部品はスが入ったりして、圧延鋼板に対しかなり耐弾性に不安があったとのことなので、初期不良が収まるまでの間、貼られていたものという可能性もある(もっともその場合、鋳造のノーズの後方、圧延鋼板部分にも増加装甲が貼られているらしいことが矛盾する。また被弾率がより高いはずの、やはり鋳造の戦闘室や砲塔には増加装甲装着等の措置は行われていない)。

なお、生産300輌目手前で装着されなくなったのは、その時点で基本装甲厚の増加、あるいは装甲の質自体の向上等の措置が取られたためと考えられるが、現時点ではそちらの理由も不明。

……そもそも増加装甲にしては妙に薄過ぎる感じなのも気になる。本当に増加装甲なのかコレ(締まらない考証記事だなあ)。

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