ノビル焼き
●19・20日。川崎の実家に行く。
毎度のように、19日の晩は酒を飲んで、母となんだかんだ取り留めのない話をする。
取り留めのない話のうちの一つ。今日の徳千代さん情報。
先日、初めて名前が「徳千代」と判明した母方の祖母(母の母)は、和野という集落から、(母の故郷の)佐仁に嫁に来たのだが、母によれば、佐仁と和野とでは言葉が違い、佐仁の言葉は乱暴でぶっきらぼうなのに対して、和野から来た祖母の話す言葉は丁寧で優しかったそうだ。
ついでに文例も聞いたのだが、一回聞いたくらいでは書き表せない。ただ、同じ意味の短文が、佐仁の言葉より和野の言葉のほうが倍くらい長かった。
ちなみに和野は奄美大島の北部、現在奄美空港がある場所で、佐仁は奄美大島の北端。どちらも笠利村(現・奄美市笠利町)内の集落で、10km程度しか離れていない。ただし、山がちで集落間の交通が不便であった奄美大島の場合、集落ごとに言葉や音楽(島唄)にだいぶ差があったのは確かなようだ。
しかしたかだか10km程度の距離でそんなに違うものだろうか、単に祖母がおっとりした性格で言葉遣いが丁寧だっただけなのでは――とも思ったが、母曰く、そうではなくて、集落の中で話されている言葉自体に差があるのだそうな。
母によれば、佐仁は波が荒いので言葉も荒く、和野は波が静かなので言葉も優しい由。しかし佐仁は東シナ海に面し、和野は太平洋に面しているので、これはどうも怪しい気がする。
●20日、母と墓掃除に行く。ちょぼちょぼと生えた草をむしり、新しい花と線香を供えた程度。
ただ、生えている雑草のなかにスミレがあって、ちょうど濃紫の花を付けており、これはもったいなくて抜けなかった。
津田山の霊園は高津区の中でも桜の名所で有名なのだが、20日時点ではまだ平均して6分くらい、という感じだろうか。
●帰りに久しぶりに模型屋、多摩プラーザのB's Hobbyに行くが何も買わず。帰路のあちこちにあるBookOffに寄って帰宅。「カドフェル」数冊、「あさひなぐ」1巻など買う。
●22日金曜日、夕方ちょっと出て、今季2度目のノビルの収穫。今回はたっぷり抜いてきて、金曜晩、そして今夜と、2度に分けてネギ焼き(ノビル焼き?)を作る。
作り方はいたって安直で、大量のノビルのみじん切りを、お好み焼粉の溶き粉でつないで焼くだけ。香ばしくてなかなか美味。鍋肌に醤油をたらすとますます香ばしいが、かみさんはポン酢を付けるのが好きなので、今夜焼いたものは醤油を無しにした。
左が焼き始め、右がひっくり返したところ。焼き始めの写真でネギ率の高さが判るはず。今夜はこれをアテに、日本酒を一杯。美味し。
ただし、普通のネギやらワケギやらに比べて香りがきついので、作っていると部屋中がネギ臭くなる……だけでなく、食べて数時間経つのに、自分自身もなんだかまだネギ臭いような。
今日はとにかくノビルだけで焼いたが、キムチも混ぜてチヂミ風にするのもよさそう。けれど、次回はノビル丼か、ノビル入り鯖味噌かなあ。
●最近やっている(というより、そろそろ最終回なのか?)「まおゆう 魔王勇者」というアニメが割とお気に入り。
元は2chに投稿された即興小説だとのことだが、原作は未読。そのうち機会があれば読んでみよう……。
それはさておき、大まかな設定を言うと――。
- 人間と魔物との長きに渡る戦争を終わらせようと、勇者がたった一人で魔王の城に乗り込むが、魔王は予想とまったく違い、若い女の子。
- しかも、人間も魔物も、社会の仕組み自体が戦争を前提として成り立っているために、魔王(つまり自分)ひとりを倒しても戦争は終わらず、またいきなり戦争を終わらせれば、戦争以上の混乱が巻き起こる、という。
- なんだかんだで、戦争に立脚しない社会の実現を目指す魔王の実験と取組に、勇者は付き合わされることになる。
――というもの。
その設定自体、何となく既視感のようなものを覚えていたのだが、「悪の親玉だと思って退治しに行ってみたら」パターンは、「ラベンダードラゴン」(イーデン・フィルポッツ)だなあ、と思い至った。先進的な思想、説で変革を進めるというところでは、(いやいや、そんなに上手く話は進まないだろう的なところも含めて)18世紀あたりの啓蒙小説風な感じも。
そんなわけで、「ラベンダードラゴン」を再読しようかと、実家の書棚を見渡してみたのだけれど、どこに行ったか結局見付からなかった。
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コメント
お墓のアレンジメントは、ノジスミレ・カタバミ・ホトケノザですね~。
素晴らしい。これ、抜いちゃダメw
ノビル焼きのノビルたっぷりごーぢゃすさに目を奪われましたが、妙に細かいところのあるウチったら、かばさんちがシステムキッチン装備であることがステキ♪って思いました。
投稿: つんきち | 2013年3月24日 (日) 00時58分
ノビルのチヂミというのはちょっとダジャレっぽい.
投稿: 青木伸也 | 2013年3月24日 (日) 02時13分
>悪の親玉だと思って退治しに行ってみたら」パターン
モーツァルトのオペラ「魔笛」もこのパターンですね。相手は若い女の子じゃないですけど…♪
投稿: TFマンリーコ | 2013年3月24日 (日) 09時28分
>つん姐さん
やっぱりこれはもったいなくて抜けないっす。……でもカタバミは抜いちゃうかも(←花差別)。
スミレはわが家の近くにもだいぶ咲いています。見た目明らかに形状に差があるものがいくつかあるのですが、全部ひっくるめて「スミレ」で、細かい区別はしたことがありませんでした。
ここに写っているのはノジスミレ? いや、ヒメスミレかも。
ところでウチってシステムキッチンなのかな……いや、システムキッチンか。うーん、そうか(←よく判っていない人)。
>青木君
「ノビチヂミ」と命名することにしましょう。
>TFマンリーコさん
ああ、「魔笛」ってそんな筋だったのか……。というわけで改めて魔笛のあらすじも(wikiで)見てみたのですが、これまたなんともよーわからん筋ですね。
投稿: かば◎ | 2013年3月24日 (日) 17時03分