ヴァンシップ
●14日。例年、初雪というと私が知らない間にちらちら降って、「初雪が降ったんだよ」と言われて知った頃にはもう跡形もなかったりするのだが、この冬はいきなり(この地域の標準からすれば)ドカ雪が来た。
交通機関が全滅してしまうのは、雪に対する備えが基本的には皆無である地域ならでは。我が家周辺で言っても、最も身近な交通機関である(山の上まで来てくれる)ミニバスがまず止まり、逗子-鎌倉間の大きなバスも止まってしまった。だいたい、我が家は山の上なので、こんなに降ると怖くて坂を下りられない(もっとも娘は仕事、息子は成人式で出掛けて行ったが)。
昼過ぎには大雪警報、夕方には暴風雪警報が発令された(それぞれ夜には解除されたが)。
家の前の道も危なっかしくて歩けないので、夕方、ご近所さんと一緒に雪かきをする。
●昨日冒頭で「シャクシャイン戦争」と書いたが、これについてwikiを辿っていて気付いたこと。「シャクシャイン戦争」に先立つ、やはり主要なアイヌ-和人戦争について、昔から「コマシャイン戦争」と覚えていたのだが、正しくは「コシャマイン」だった。
つい先日も、イエス・キリストが最初に布教を始めた地域が「ガラリア」ではなく「ガリラヤ」であると気付かされたばかり。これは「ジーザズ・クライスト・スーパースター」の中で、ピラトが歌っている歌詞が「アイ・メット・アン・ガラリアン~♪」と聞こえるのもいけない(“Pilate's Dream”、1973年映画版)。
ちなみに、学生の頃、正月の数日だけ出前のアルバイトをした寿司屋の旦那は、
「バトル・オブ・ブリテンか。あらぁ格好いいな。メッサーシュミットとか、ハイケルンとかな」
と言っていた。エルンスト・ハインケルが聞いたらへそを曲げそう。
……もっとも、正しく覚えていたところで、どれもこれも日常生活に得にはならなさそうだ。
●年末にアニメ「ガールズ&パンツァー」に対しての模型的アプローチを云々したけれど、言うだけ言って自分では作る気はない(嫌なタイプだな)。
その一方で、「アニメ・メカ系」ではもうちょっと前の「ラスト・エグザイル」に惹かれていて、手元の不要パーツをあれこれ組み合わせて、他の模型いじりの合間合間に、断続的に工作中。
そんな工作で判るように、劇中に出てきた特定の機体の再現ではなく、オリジナルの機体。……だって、ヴァンシップにして下さいと言わんばかりの不用胴体が一組あったんですもの。
そうこうしている間に、ハセガワから「タチアナ機&ファムのヴェスパ」のキットが出てしまったけれど。
●ブロンコから、KV用の可動履帯というシロモノの発売が発表されてビックリ。
そもそも、ブロンコからはKV-1s系列のキットは発売されているが、その前の元祖KV系列は発売されていないにも関わらず、発売予定の履帯の箱絵は元祖シリーズのKV-1とKV-2だからだ。以前のII号戦車D型の時のように、履帯先行で、これから元祖KVシリーズを出すのか?
……と思ったら、商品の名称が「AB3560 Russian 650mm OMSH Track Link set for KV-1/KV-2 (Workable)」だった。
私の理解が正しければ、元祖KVシリーズの履帯幅は700mmで、KV-1sシリーズの初期にはフランジを斜めに切り飛ばしたような608mm幅が一時使われ、その後700mmとよく似た650mm幅となって、IS系列まで使われる。(2分割履板とかIS用のパターン違いとかの話は省略)。650mmと書いてあるからには、要するに、SU-152のキットに入っていた1s用を元祖KV用としてそのまま発売しちゃう、という可能性が大。
●1/15追記。ところで、上記KV履帯の商品名にあるOMSHだが、これはいったい何なんだろう、オムスクなんとかかんとか工場とかの略なのか?、などと思って調べてみると、どうやら履帯の種別であるらしい。
しかももともとロシア語での種別名称略称で、
ОМШ(OMSh)
Открытый Металический Шарнир(Open Metallic Hinge)
であるとのこと。他に
РМШ(RMSh)
Резино Металический Шарнир(Rubber Metallic Hinge)
というのもあって、例えばT-54/55系のもともとの履帯はOMSh、T-74で使われるようになり、T-55系にもレトロフィットされている幅の狭い履帯の形式はRMShなのだそうだ。ヒンジがどうのと言っているので、連結ピンの種別の話なのだろうか?
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コメント
履帯の連結部の,いわゆるウェットピン/ドライピンの違い(ピン孔にゴムブッシュが入っている/入っていない)のことだと思います.
投稿: 青木伸也 | 2013年1月26日 (土) 08時16分
うーん。そのゴムブッシュは、グリースの漏れ止めパッキン、みたいな感じと思えばいいのでしょうか。
しかし、リンク同士の継ぎ目ってどうなってるんでしょうね。
投稿: かば◎ | 2013年1月26日 (土) 20時15分
うーん,図解を見たことはないんだけど,ウェットピンの場合,履板と連結ピンがゴムブッシュを介して組み立てられているものらしい.つまり履板のピン孔にパイプ状のゴムブッシュを通して,そのゴムブッシュの孔に連結ピンを通すようなイメージ?
ドライピンの場合は,履帯を曲げるときにも伸ばすときにも履板と連結ピンの間に摩擦が生じて摩擦熱の形でエネルギーが散逸するけど,ウェットピンの場合は履帯を曲げるときに加えられるエネルギーの一部がゴムブッシュの変形による弾性エネルギーの形で蓄えられて,履帯を伸ばすときにはゴムブッシュの弾性エネルギーが解放されるから,トータルではエネルギーの散逸量が減って走行抵抗が小さくなる,のだそうだよ.
投稿: 青木伸也 | 2013年1月26日 (土) 22時10分
え? そうなのか?
給脂の必要があるのがウェットピン、と読んだ気がして、それだからこそ「ウェット」なのだとずっと思っていた。
しかしピンと履板の接触部分が基本的にゴムを介しているのなら(確かに構造自体は凝っているけれど)、給脂は要らないよね?
どうもこのへん、例えばドイツのハーフトラックの解説でも「湿式履帯」であることは触れていても構造までちゃんと説明してくれているものがなく、下手すると「接地面にゴムパッドがあるのが湿式」みたいな、いくらなんでもそりゃトンデモ解釈だろう、みたいなのもあったりするので、モヤモヤしっぱなしです。
投稿: かば◎ | 2013年1月27日 (日) 02時18分