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オリガ・モリソヴナ

●「サンシャイン店長」(mixiのヒマツブシアプリゲーム)と「シャクシャイン戦争」って似てるよね。

●新年早々、仕事関係のアレもコレもなんもかんも滞って、いきなりピンチ。いやいや、そんなこと言っている間に仕事しろって。

……ああ、模型いじりたいな。

●12日、義姉の三回忌および納骨のため川崎の実家に行く。

良い天気で、墓前で坊主の経を聞いていても、陽のあたる背中がぽかぽか暖かくなるほど。天気が崩れずによかった。

●霊園入口の石屋の入口脇に、以前に触れた小倉美恵子著「オオカミの護符」(新潮社)の護符の実物が貼られているのを目撃。この本は実家の近くが舞台なので、はるか昔にも護符を見ていた可能性はあるのだが、意識して見たのは初。

走っている車の窓から見たので写真は撮れなかった。

●仕事で読まねばならない本も溜まっているというのに、つい米原万理の「オリガ・モリソヴナの反語法」を手に取ってしまい、そのまま一気に読み通してしまう。

米原万理は先年亡くなった有名なロシア語通訳者だが、エッセイストとしても文章が小気味よく、私は以前から、4、5冊は読んでいるのではないかと思う。

少女期をチェコ・プラハのソビエト学校で過ごすという稀有な経験を持っており、その頃の友人3人(ギリシャ人、ルーマニア人、ユーゴスラビア人)を、東欧革命・ソ連崩壊後に訪ね歩いたのが、以前ここで書名を上げたことがある「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。これは本当にしんみりと面白かった。

「オリガ・モリソヴナの反語法」もその体験が下敷きになっており、最初は、「嘘つきアーニャ」で描かれたソビエト学校の体験を、今度は(この作者には珍しく)小説形態で面白おかしく書いたのではなどと思っていたら、見事に違った。

物語は主人公の、プラハのソビエト学校での思い出から始まり、そこにあまりに個性的なダンスの名物教師、オリガ・モリソヴナが登場する。時代は下って体制崩壊後、ふとしたきっかけからそのオリガ・モリソヴナの過去を辿ることになるのだが、当時の級友も加わっての探索行の「謎解きの面白さ」に加えて、次第に明らかになってくる劇的な過去が戦慄もの。しかもただ「悲劇でした」ではなくて、最後に聞こえてくる「反語法」が、人の力強さを謳っていて、じわじわと来る。

どこまでがフィクションでどこまでが作者の実体験かは判らないが、60年代にソビエト学校の生徒だった作者の接した人たちが、特に年配者なら、多かれ少なかれここに描かれた影を引きずっていただろうことは判るし、実際にその中に身を置いていた作者だからこそリアリティをもって書けた本だとも思う。

また小説ではあるけれど、日本のバレエ界の内幕とか、体制崩壊間もないロシア国内事情とか、散りばめられたディテール部分での「舌鋒」はいかにもいつもの米原万理節。

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