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2012年12月

ガルパン

●戦車模型趣味以外の方もいらっしゃるので一応説明しておかないといけないと思うのだが、要するに、「ガールズ&パンツァー」(略称ガルパン)という、高校生の女の子が“武道として”戦車に乗り込んで、競技として戦車戦を繰り広げるという、ツッコミどころ満載のアニメがあるのだ。パンツァー(Panzer)はドイツ語で戦車(もともとは装甲)のこと。

そんなこんなで、戦車模型マニアだけでなく、普段その手のものは作らない人にまで、そのアニメに登場する戦車(“試合”に出てくる戦車)の模型が俄かミニブームのようになっており、タイアップ版の模型まで出るような具合。

もっとも本家のアニメは制作が放映に間に合わず、既放映分のツギハギを2回も挟んでお茶を濁し、結局、話は終わらないまま最終回を迎えてしまった。どうも春頃、結末を特番形式か何かでやるらしい。……もう、これ以上はないようなグダグダぶり。

以上概略説明終わり。

この際、オープニングテーマで「空に~災い~」と歌っているのに合わせて(※空耳です)、最後にいきなり試合会場上空をIl-2シュトルモビクの編隊が乱舞し、全ての戦車を撃破炎上させて終わりという「ちゃぶ台ひっくり返し系結末」になっていたりするとスゴイ(ないない)。

●2回前の記事へのhideさんのコメントによれば、プラッツ/サイバーホビー(ドラゴン)のIV号D型および38(t)を購入したら、劇中ではB/C型という設定の38(t)が、キットはE/F型だった由。

ドラゴンではB/C型は出ていないので仕方がないと言えないこともないが、この機会に改修パーツを用意して、ドラゴンにとっては穴の初期型を出してもよかったんじゃないか、と思ったりもする。もっとも、前々回書いたように、ガルパンの38(t)は「公称B/C型」ではあるものの、どの型とも言えない車体形状を持っている(基本形が実車にはない形状であり、劇中のIV号D型のように、D型車体に後期のパーツがいくつか付いているといったケースとは異なる)。

●模型誌で特集も組まれているので、模型的アプローチの仕方についてはそちらにも書かれているだろうと思うが、基本は、次のようないくつかの方法があると思う。

(1).「**戦車**型」という話の設定と、アニメに登場する戦車として発売されているキットを頼りに、基本的にそのまま作る(もっとも上記のようにその2者間に多少の齟齬がある場合もあるが)。

(2).アニメに描かれた絵から、「ガルパン仕様」を読み取って、実車仕様と異なるそれを模型に反映させる。凝り性な考証派モデラー向け、とはいえそもそもが現実とは関係のないアニメの中の話でもあり、場面ごとに描かれている絵に変化があったりもするので、この作業自体洒落のようなもの。ちなみに青木氏のガルパン・ソ連戦車の考証は、先日よりまた少し進化した模様。

それに加えて、

(3).劇中で主人公チームの乗る戦車は試合ごとに改造して、少しずつ後期の強力な型に進化しているが、この場合、どういうわけか基本車体形状まで後期の型に変わって描かれている。言ってみれば、「改造」というより魔法的「変身」に近いのだが、その描き方は制作上の都合と割り切って、例えばIV号戦車なら、「あくまでD型からの改造車輌」であることにこだわる、というのも面白い気がする。

主人公の乗るIV号D型は、主砲を75mm/L43に換装した途端、砲塔も車体基本形状もG型仕様になってしまうが、戦闘室前面が一段になるのはいいとして、元のD型にあった段差を埋めた「自動車部の苦労の痕跡」を加えてみる、など。砲塔上面のベンチレーションハッチを埋めた跡があるとか、砲塔後部を継ぎ足しているとか。……なんだかすごくツギハギな、凄惨なものになりそう。

模型誌の特集等は見ていないのだが、すでにやっている人はいませんかね(←自分では面倒なのでイヤ)。

●前段の(3)に関連して。

主人公チームの38(t)戦車は、その後「ヘッツァー改造キット」なるものを仕入れて付加し、ヘッツァー仕様に変わる。ヘッツァーは38(t)を元に開発された駆逐戦車だが、多少の戦車ファンなら知っているように、ほとんど別設計で、流用できるコンポーネントはほぼ皆無のはず。

しかしそのへんに実はこだわりがあって、「改造キット」はあくまで「改造キット」であり、一見ヘッツァーに見えるが、足回りは転輪が小さい38(t)のまま、中身の駆動系も38(t)のままなんていう設定になっているとちょっと萌えてしまう……けれど、さすがにないだろうなあ。

●アニメの設定について少々。

アニメとはいえ古い戦車が走り回るのが見られるだけで面白いや、的なところはあるのだが、本来、走行性能に差がある戦車同士でチェイスが成り立つなど、実車そのままとは異なる部分も多い。

“競技”としてのレギュレーションは「1945年8月15日までに設計が完了し試作されていた車輌と、それらに搭載される予定だった部材を使用した車輌」ということだそうだが、上記を考えると、エンジンやサスは実車より性能差は少なそう。

攻守の性能、信頼性等についても、実車の特徴に基づく“味付け”程度の差異は設けているようだが、実車通りというわけではなさそう。それらを考え合わせると、競技用車輌は実車ではなく、過去の設計に基づいて、競技が成り立つべく設定された規定の性能幅の範囲内で製作されたレプリカと考えたほうがよさそうだ。また、そう仮定すると、考証の甘いプラモデルのように「実車にはない基本形状や構造」が所々に出てくるのもすっきり説明がつく。

どうも細かい設定だの考証だのについては、監督だかスタッフだかがツイッターで頻繁につぶやいているそうな。私はチェックしていないので、もし「そんなことはすでに話に出ていたよ」ということであれば失礼。

ガルパン話は以上で終了。

●ネットで模型関係のサイトを見て歩いていて、たまたま行き当たったサイト(ブログ)を一つ。

Char B1-bis scratchbuild

サイト名称通り、Char B1bisをスクラッチビルドしているのだが……これが、記事を遡ってもスケールを明記してある部分を探し出せないのではっきり判らないものの、おそらく1/10くらいの大スケールだと思う。タミヤのキットとの大きさ比較がこちら

外形はもとより、中身の再現度も恐ろしい。10月1日付記事に出ている変速機のチェーンベルトにはたまげた。

●サイトといえば、“アハパン”の尾藤満氏がブログをお持ちなのを、割と最近知った。

Panzer Memorandum

AM誌に連載されていたI号バリエーション製作の続きを、ページ数などにはこだわらず連載されているので見逃せない。

それにしても、私自身、割とディテールはこだわって工作するものの、ここまできっちりした考証と反映、工作は無理だなあ……。

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歩いたり作ったり

●24日日曜日。午後にふらふら鎌倉方面に散歩に出ようとしたら、かみさんが「今日までの招待券があったのに忘れていた」と、県立近代美術館のチケットをくれた。

鶴岡八幡宮境内の本館の企画展は「シャガールとマティス、そしてテリアード ~20世紀フランス版画と出版~」で、ネタ的にかみさん自身が行きたかったものらしい。展示はシャガールの比重が大きく、「ダフニスとクロエ」、「シルク(サーカス)」の両シリーズ全作約80点のリトグラフが展示されていて、なかなか見応えがあった。

「シャガールと~」は本館第1展示室での企画展だが、その後第2展示室、さらに歩いて数分の場所にある近代美術館別館の、それぞれ別の企画展も見て帰る。

F1032788●近代美術館本館の売店にガシャポンが置いてあって、つい一回やってしまった。シリーズ名称は

「石膏デッサン入門 I 【完全版】」(タカラトミーアーツ)

なかなか出来はよい。この手の質の良いミニチュアは、仮に画材屋などで流通するものだとバカ高くなってしまうが、それがガシャポンで300円というのはコストパフォーマンスがよい。

……と自分を納得させているが、もちろん、眺めて「うーん、出来がいいな」と言うだけで、直接に古典彫像に用事があるわけではない。ありがち。

●横浜・日ノ出町の模型店、ラッキーベイフォートが閉店だそうで、25日夕、仕事帰りに行ってみた。

以前はラッキーは横浜周辺に数店舗あり、そのうち東神奈川のラッキーには、川崎~湘南あたりのnifty模型フォーラムのメンバーが仕事帰りに集まって、模型を物色した後で、階下のミスドに移動し、ドーナツを食いながら模型談義をするという「ドーナツoff」をしばしばやっていたのが懐かしい。東神奈川のラッキーがなくなってからは、ぱったりあの駅で降りることもなくなってしまった。

さらに昔、高校の頃には、大口近くの国道沿いの本店にも時々行っていた。まだ戦車の実車資料なんてものはあまりなく、日本語のものは文林堂のフェイストの訳本、「グラフィック第2次大戦大戦アクション」、サンケイの「第二次世界大戦ブックス」(いわゆる赤表紙本、ただし実車資料というよりは戦記)程度しかなく、ラッキーで見るベロナ・タンクプリントやAFVプロファイルなどの英語資料が珍しく貴重だった。

その後、実車資料は格段に充実し、邦書もあれこれ出るし、洋書は入手もしやすくなって、当時の資料なんてほとんど見向きもしなくなったけれど、最近になって見直すと、今でもあまり資料のない車種の図面がぽつっと出ていたりして、なんだか一周してまたちょっと価値が出てきたような。

閑話休題。

あちこちのラッキーがなくなって「ベイフォート」に集約されてしまってからは、日常の行動圏からちょっと外れることもあって一度も行ったことがなく、今回が初めて。閉店セール中だったのだが、特に目ぼしいものもなく買い物はせず。行きは桜木町から歩き、帰りは日の出町から京急に乗った。

●あっちをつまみ食い、こっちをつまみ食いの模型製作は相変わらずで、机の上には製作中の数種類の模型のパーツが散乱している。

先日いじっていたヴィッカース・クロスレイ装甲車は形になったところで一休み。もっとも細部工作が全て終了したわけではなく、トレッドパターンも出来ればいじりたいところなのだが、楽なうまい方法が見つからない。基本、パターンを切り抜いたプラバンかプラペーパーをタイヤ外周に巻けばいいと思うのだが、手作業で小さな三角を整然と切り抜くのは無理そうだ。

皮革加工用のポンチで小さな三角形があればだいぶ助けになりそうだが、これのためだけにそんな工具を仕入れるのもちょっと。それなりの準備と技術のあるモデラーなら、パターンをプリントしてエッチングを作ってしまうのだろうけれど。

SIMさんに訊ねられてキットを取り出したらいじりたくなってしまったスターリングラード・トラクター工場製T-34は、主に砲塔を製作中。車体のように「そもそも組めない」ということはないが、それでも砲塔前面の合いはあまりよくない(特に初期型のほう)。

後期型砲塔では防盾部の溶接痕がただの盛り上がったリブ表現のようになっている。もっとも溶接痕らしく表現されている初期型用でも駐退器カバーとの間に隙間が出来るので、どのみち削り取って再生したほうがよい。

それにしても、とにかくキットを一通り設計して試作してみて、そのあと不具合を直すとか、細部表現を足すとかいった、製品として「仕上げていく作業」をごっそり落としたキット、という感じ。発売を予告してなかなか出ないこともあるドラゴンなのに、何をそんなに急いで出す必要があったというのだろう。

そこで止めておけばいいものを、さらにお手付き進行中が、タミヤのティーガーII(ヘンシェル砲塔)。いや、こういう人並みのものも、たまには作ってみたい気分になる時があるんですよ。とにかく、普段私が作るものからすると、桁違いに大きくて、それだけで何か感動する。

現時点で気合いの入ったティーガーIIを作ろうとすればドラゴン・ベースがいいのだろうが、部品数が少なくてさっさか組み上がるし、発売してから結構経つので安いし(アルデンヌ版はどうだったか知らないが)、今でもそれなりの需要はあるキットなのではと思う。……とは思うのだが、「最低限、このキットはここに手を入れるといいよ」的な情報がネット上でぱっと見つからない(もちろん、模型誌をひっくり返せばありそうな気がするが面倒)。

何しろモチベーションが「たまにはおっきくてかっこいいせんしゃをつくってみよー」(いつものようなボロカッコイイとかビンボカワイイではなく)というだけのものなので、市販の高いエッチングセットなどを張り込む気もなく、タミヤ純正のグリルメッシュセット(すでに買って箱の中に入っていた)と、新しいヤクトティーガーの部分連結式履帯のパーツ(新たにYSで調達)だけを追加した。

砲塔前面装甲上部の分割線を消して雨どい目的?のリブを足したり、排気管カバーに吊り下げ用突起とクランク補助具を足したり、要するにちまちました部分を若干追加工作中。

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バカガイ

●おそらく、これまでの人生の中で(大袈裟)、最もたくさん見た貝殻はバカガイである。

前回の書き込みのコメントにぶら下げたのだが、中学・高校の時に頻繁に千葉の木下(きおろし)というところに洪積世(更新世)の化石を採りに行っていた(JR成田線に「木下」という駅がある)。そのあたりの台地は、崖の中途に2~3mくらい、遠目に真っ白に見えるほど、びっしり貝殻が詰まって堆積しているのだが、その貝殻のほとんどがバカガイなのである。

ちなみに、「化石」とは言っても普通に砂に貝殻が埋まっているだけなので、昔は近隣の養鶏場では、この化石を掘り出して砕いてエサに混ぜていたらしい(卵を産ませるにはカルシウム補給が必要なので)。

私が通っていた頃は土地の造成だの新道路の建設だのであっちこっちに露頭(崖)があって化石も採り放題だったのだが、おそらく今ではほとんどが、山ごと崩されてしまったか、コンクリートで覆われたかしてしまっているのではないかと思う。

●図鑑で名前を調べ、レポートなど書いたので、一番ありふれていたバカガイについては学名も覚えていて、Matra sulcataria という……と思っていたのだが、改めて調べてみると Matra chinensis になっている。

間違って覚えていたのだろうかと青くなったが(といっても、バカガイの学名を披露する機会など生活上まずないので間違えていても全然構わないのだが、要するに気分の問題だ)、もうちょっと調べると、Matra sulcataria と書かれているものもある。要するに、いつの間にか名前が変わっていたらしい。

学名は、日本人の名前と同様に、「苗字(属名)+名前(種小名)」の組み合わせで出来ている(場合によっては重ねて亜種名が付いたりするが)。

Mactra chinensis の場合で言えば、「Mactra(バカガイ属=バカガイファミリーの)+chinesis(中国産のやつ)」というのが、和名で言うところのバカガイにあたる、ということになる。

Mactra chinensisMatra sulcataria のように、同一種に複数の名前がある場合、そのそれぞれを「シノニム」という。学名は1種に1つと決まっており、そう簡単に変わらなさそうに思えるが、実は結構変わったり、並立したりする。その理由は、

  • ***という種類だと思っていたのに違うことが判ったので、新たに名前を付けた。
  • ***という学名で知られていたが、実は人知れず、それより前にマイナーな論文で別の名前が付けられていた(学名はどちらの通りがいいか、ではなく、とにかく先に付けたほうが有効になる)。
  • ***の仲間(属)だと思っていたのに、実際には別のグループだった(この場合は属名が変わる)。
  • 何某博士と何某博士とで主張している分類が違い、それに従って学名も異なる。これは場合によると、国別で有力学説に違いがあるので名前が違い、お互い譲らないなどということもある。「もやしもん」3巻に出てくる、「アメリカめ、また自分達だけ使ってる学名でかいてるよ」「ほっとけ 基本マターリだ」っていうのがコレ。

……などなどの理由による。バカガイの場合、Mactra chinensis という名前がそう新しいものには思えないから、おそらく、日本産のバカガイはMactra chinensis とは別種だと思われて独立した種小名が与えられていたのが、その後の研究で同一種説が主流となった、ということなのではないかと思う。ちなみに近似の種でエゾバカガイというのがいて、これも昔はMactra carneopicta と別種とされていたのが、現在ではMactra chinensis carneopicta と、chinensis の亜種だということになっているらしい。

って、なんでこんなことを長々と書いてるんだろう(笑)。要するに、「付け焼刃の知識はどんどん鮮度が落ちる」ということである。そんな知識を更新することも、何か意味があるのかどうかよく判らないけれど。

ちなみに寿司ネタのバカガイ(アオヤギ)は割と好き(関係ない)。

●ついでに生物種もうひとネタ。前にも一度書いたかなあ。青木氏経由で知った話なのだが、従来、同一種が日本全国に広く分布していたと思われていたキリギリスは、実は地域ごとに別種である可能性が高いのだそうだ。すでにwikipediaにも記載されているから、そこそこ、「知っている人は知っている」話なのだろう。

●前回、「ガルパン」登場のKV-2の仕様につき書いたが、それも含め、青木氏による「ガルパンのソ連戦車仕様解説」改訂版はこちら

基本、このアニメに関しては「何だかなあ」な姿勢でいるが、とはいっても、わざわざ画面を止めて、ここのディテールがどうのこうの、なんて見ている時点でワナに落ちているような気もする。

ただ、その点でちょっと興味を覚えるのは、アニメに絵を書き起こす際に、「あまりよく知らずに描き間違えた」「参考にした模型の誤りを引き継いだ」などのありがちな事項だけでなく、「わざわざそういうふうに描いている」としか思えない部分があること。なぜそうしているかは謎。それが垣間見えるのが38(t)で、以下にいくつか、仕様をまとめてみる。

  • 車体下部前面装甲は、どの形式よりもリベット数が多い(これは単に適当に描いただけ?)。牽引フック先端に螺旋状の曲がり無し?
  • 公式サイトでは「B/C型」としているが、確かに戦闘室前面装甲は初期型に似た段付きではあるものの、右端が湾曲しておらず、どの形式にも当てはまらない独自仕様。視察口は左右が同形状のE/F型以降の仕様。リベット数も独特で、強いて言えば、中央の折れ曲がりから右の操縦手側がB型、左の無線手側がE型以降の折衷といった感じ。
  • 通常、戦闘室左端の角に付くアンテナポストが、若干後ろ寄りの車体側面にあり、形状も独特。
  • アンテナポスト後方に、無線手用にも操縦手席側面用と同様の視察口。どの型にも当てはまらない独自仕様。偉い人(生徒会長)がその位置に乗っているための特別仕様?
  • 砲塔は、少なくとも前面は、機銃マウント周囲にカラーが付いた初期型形状。ただし砲耳部側面部装甲のリベット列は前側が2列の独自仕様。
  • 車体フェンダーは一直線(ドラゴンのキットと同様)。
  • 左フェンダー前部にノテク・ライト。E/F型までの装備位置に近いが、それよりも外側。
  • B型あたりまで見られるバックミラーは無し。
  • ノテク・ライトの後ろに消火器(標準位置ではない)。
  • 左フェンダー上、ほぼ中央に小工具箱。標準装備ではないが、実車でもしばしば見られる感じのもの。
  • 工具箱前方、戦闘室側面にツルハシ。本来は戦闘室後ろ端までの長さのものなので、だいぶ柄を切り詰めていることになる。
  • 車体左側最後部に尾灯らしきもの(標準装備ではない)。
  • 右フェンダー前部にジャッキ台。標準位置ではないが、戦闘室右側に大型雑具箱など置いている車輌だと、この位置に移動していることがある。
  • 右フェンダー、戦闘室横にジャッキ。本来、その後方の工具箱上に乗っているチェコ製ジャッキではなく、ドイツ製中戦車用ジャッキに見える。
  • 排気管はC型中途以降の高位置。
  • 車体後部上面右側に車間表示灯。標準位置ではないが、フランス戦時の第7師団所属車の装着位置に近い。
  • 履帯張度調節装置、エンジン始動用クランク差込口にカバー無し。
  • 操縦手用照準器無し(基部ごと)。

などなど。本気でこの仕様を再現しようとするなら、戦闘室前面の改修が結構厄介そうだ。

しかしB1bisの砲塔ハッチが逆に開いているのは単なる間違いだろうなあ……。

●15日土曜日晩、近所の家で仲の良い数家族の忘年会。我が家は欠席予定だったが、麻雀の面子が足りないからと、私だけ後から参加。

最近は麻雀なんて年に1度のこの忘年会の席くらいだし(他の面子もおそらくほぼ同様)、袖を引っ掛けて山は崩す、手前の山から間違ってツモって来る、役がないのに上がる等々、なかなかすごいことになっているが、何を賭けているわけでもないので問題無し。

●模型仲間のがらんどうさんより、横浜の「人形の家」博物館で開かれている「ろうがんず」の展示会に誘われ、最終日の16日日曜日、投票を済ませてから出掛ける。2時前に到着。小ぢんまりとした部屋での展示会で、テーマとしてヘリコプターが設定されていたようだが、それは入口近くにまとめて置かれ、あとはメンバー各人、自分の好みの趣くままに、という感じ。

会場でもにゃ氏(元とも氏)とも会って、3人で中華街へ。相変わらず休日の中華街はごった返しているが、小さな飲茶の店に入り、「お試しセット」なるミニコースをつつきながら、ほんの軽く飲んで、日が暮れる頃までなんだかんだ歓談。

●帰宅後、前の晩の忘年会の帰りに貰った生さざえをガスレンジの上に網を置き、つぼ焼きにして食す。焼き始めに酒をたらし、後から醤油をたらしただけ。

さざえのつぼ焼きは、個人的には昔は「匂いだけはいいけれど食べるのはちょっと」なものだったが、歳を食って嗜好が変わってきたせいもあって、美味しく頂いた。ちょっとワタが砂でじゃりじゃりしたが許容範囲。

●吉田秋生「海街diary5 群青」を読む。ますますしみじみと面白い。

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せんだぎゃー

●千駄ヶ谷は、なんだかちょっと名古屋の植民地っぽい感じがする。

もっとも、思いついたまま書いただけの話で、本日(11日火曜日)、千駄ヶ谷にはほとんど近付いてさえいない。

F1032770●午前中、仕事で本郷の東大に行く。

シンボルマークに使われているだけあり、校舎の間はどこも銀杏並木だが、ちょうど綺麗に色付いている。

朝行ったときには(といってもせいぜい10時頃だが)道は黄色い雪が積もっているかの如くで、子供が雪遊びのように、吹き溜まりに埋まって遊んでいたりした。昼頃にやっと、ようやくメインとなる通りが掃き終わっていた。あれを毎日やるのだとすると、かなり大変そうだ。

お会いした教授に、宮城県岩沼市玉浦産、復興支援の特別栽培米「がんばッと米」を頂いた。

F1032764●東大ブランド商品。いろいろやってるなあ。(→)

ほか、ミドリムシクッキーとか。

●東大での仕事は昼までだったのだが、キャンパス内の東京大学総合研究博物館で「東大古生物学 130年の軌跡」というのをやっているとポスターが貼ってあったので、嬉々として見に行く。

中学・高校(一貫校)時は、地学部というオタクな感じの部の地質班というのにいて、ほとんど6年間、日本のあちこちに化石を掘りに行っていたような具合なので、小規模ながらシブい良い標本が並んでいる展示にじんわり感動する。

特に高校の一時期、休みのたびに千葉の木下(きおろし)というところに通って、成田層群の洪積世(更新世。今は洪積世の名はもう使われないらしい)の貝化石を採ってレポートを書いたのだが、その木下の化石も、また同じく千葉の瀬又というところでよく採ったトウキョウホタテ Pecten tokyoensis の化石の展示もあって、ひどく懐かしかった。瀬又も成田層群なのだが、トウキョウホタテはじめ、木下に比べると寒流系の貝が多く、時代も若干古かったんだっけな……。確か古東京湾が東に湾口を開いていた時期のものだったはず。

夏休みにOBの大学生と一緒にテントを背負って採りに行った、留萌近郊の小平蘂川のアンモナイト化石もあった。実家にはその時採ったアンモナイトがいくつか転がっていたはずなのだが、あれはいったいどこに行ったんだろう。

三葉虫と腕足類(スピリファー)の形態についての流体シミュレーションも興味深かった。

同展示は1月11日まで。無料。

●赤門近くの「けいすけ」でラーメンを食う。「けいすけ」は主に都心に何店舗かあるのだが、店ごとに「肉そば」とか「塩」とか「つけ麺」とか、それぞれ別のラーメンを出す。本郷は四国の中屋味噌という赤味噌ベースのもの。なかなか美味かった。

名古屋に住んだことは一度もないけれど、冬は味噌煮込みうどんが無性に食いたくなり、「苦しい、血中赤味噌濃度が落ちてきた」と思うほどだが、これで少し代替補給できたかも。

●アニメ、ガルパン(ガールズ&パンツァー)のOP主題歌の、「I just ナントカカントカ…」の後の日本語の歌い出しは、何度聞いても「空に~災い」と聞こえるのだが、そんな歌詞があり得るのか? 今さらノストラダムス?

さて、これの第8話、第9話は主人公達の対戦相手がソ連戦車で、青木氏が出てくるT-34他の仕様解説を試みている。この中でKV-2については「よーわからん」と適当に済まされていたので、若干の補足をしてみた。以下は加えて、9話まで見た上での再補足。

青木氏のメモに体裁を合わせ,
 ◎:実車でも見られる仕様
 ●:実車では通常見られないガルパン仕様
とする.

[ガルパンに登場のKV-2の特徴]

◎駐退器カバー側面に,防盾ボルトに対応した溝もある量産型砲塔標準型.
●タミヤのキットに似て,砲塔エッジ各所に面取りがある模様.
◎戦闘室前面の前照灯が欠損.取付架のみがある.
●ホーンらしきもの(あるいはホーンらしきものの本体部分)は付いているが,実車とは形状が異なる.
●フェンダー最前部のステイが実車のように前傾でなく,タミヤのキットと同じく地面に垂直.
●ほか車体側部のフェンダーステイは、全て穴無しの模様。
●右舷フェンダー上に円筒形増加燃料タンクが1個.
◎右舷フェンダー上に1つ(後から2コマ目),左舷フェンダー上に2つ(最後尾コマと後から2コマ目)にトランク型雑具箱.初期仕様の搭載位置で,雑具箱自体も側面に被るベロがない初期型の模様.
◎車体前部シャックルと車体側部ロープ掛け間に,標準タイプのワイヤーロープ,左右各1本.
●車体下部前面に,KV-1の1940年型後期以降と同様の増加装甲がある.
●上部転輪は全鋼製のKV-1後期型仕様である可能性が高い.
●転輪は緩衝ゴム内蔵タイプであるらしいことは判るが,どのタイプと言えないくらいの適当な描き方.ゴム押さえ板はリブ間12カ所全てに孔がある(実車標準タイプは1つ置きの6カ所)が,そういう仕様とするよりも回転していることの表現だと考えたほうが健康的かも.
●断言できないが,履帯は戦後型ISに多いワッフルパターンを履いているようだ.

[備考]
トランペッターからは2種のKV-2が出ているが,「Russia KV-2 Tank」のキット名称で売られているのが量産型(箱横のキット名称は片面のみRusssiaと綴りを間違えている).
実車に近いかどうかとは別として,上記のように“ガルパン仕様”はむしろタミヤのキットに近い部分もある.

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大タコ

●「流山おおたこの森」……昼なお暗い森の奥に巨大な陸棲タコが生息。普段は苔むした岩や落ち葉などに体色を変え擬態しているが、近付くと大変なことに。

などというRPGダンジョン的なものを想像させる駅名だが、正しくは「流山おおたかの森」。流山市のHP内の記述によれば、「駅に近接する『市野谷の森』にオオタカが生息していることや、駅周辺は緑が多い環境にあることから決定された」由。

ほか、「みらい平」駅とか「みどりの」駅とか、つくばエクスプレスは全体的に、いわゆるDQN度が高い(田園都市線も高いが)。

ちなみに「みらい平」駅は「つくばみらい市」にあるが、「つくばみらい市」にあるから「みらい平」なのではなく、「みらい平」駅が先に出来て、そちらに因んで「つくばみらい市」になったのだそうだ。

住民の方には申し訳ないが、「つくばみらい市」は「南アルプス市」と並んで、恥ずかしい市名筆頭格だと思う。こういうことを考える人が県知事になった場合、県名も「いきいきいばらき県」に改称しようなどと言い出しそうな気がする。語呂がよくて、「いばら」と読む人が減る、などと言って。

●4日火曜日夕。そんなつくばエクスプレスに乗って仕事に行く。行き先は流山おおたかの森ではなく、その先の「柏の葉キャンパス」駅前。

乗り換えの秋葉原に着いてから、つくばエクスプレスの中で読もうと、出る前にプリントアウトした資料一式に、アポイントの詳細のメモまで忘れてきたことに気付いた。ダメのダメダメって感じだ。

仕事の発注者であるI君に電話したが出先で確認のしようが無し。同行のS君に聞けばいいやと思ったら、改札で落ち合ったS君は、

「そもそも僕んとこ、詳細が来てないですよ。Iさん、当日かば◎さん(仮名)に聞いてくれればいいって言ってて」

結局かみさんに電話してメモの住所を読んでもらったが、そもそも駅を出たら、行き先は目の前だった。一応、資料に関しても画面上で一度は見ていたし、現地でもちゃんとしたものを一式頂けたので事なきを得た。しかしダメダメだな……。

●晩夏に申請した特定疾患医療受給者証、要するに難病指定がようやく降りる。とはいっても私の潰瘍性大腸炎は今のところ重症ではなく、月に一回通院して薬を処方して貰うだけ。それほど高額な医療費が掛かっているわけでもないので補助もそれなりだが、それでも多少は助かる。

●12月8日。ジョン・レノンの命日。太平洋戦争勃発の日。

この日を以って「戦争が始まった」とうっかり言い切ってしまう例がしばしばあって、ちょっとどうなのかと思う。実際には1937年夏に日中戦争が本格化して5年目、すでに充分泥沼化していた上で捨て鉢になっての戦線拡大と言えると思う。

もっとも日中戦争に関しては、はっきり「この日から」を設定しにくいのも確かだ。

●同日。川崎の実家に顔を出す。途中、「酔鯨」の五合瓶を買って行き、夜、母とあれこれ話をしつつ、くぴくぴ飲む。母、折鶴の折り方が判らなくなった、ボケた、と大いに嘆く。隣でこちらも思い出しつつ一緒に折るが、どうしても、途中で内側を半ば開くようにして菱形に折る部分が判らなくなってしまうらしい。

F1032751●翌午前中、母に言われて玄関先のみかんを収穫。母が手製のママレードを作る。

懐かしい実家の味、という訳では全然なく、むしろ「え? あのみかんって食えたの?」という感じ。だいいち、直径自体、小ぶりな温州みかんのそのまた半分くらいしかない。

が、果肉ごとママレードにするにはそれが都合いいらしく、甘さも酸っぱさも苦味もちょうど良い感じ。瓶に詰めてもらって持ち帰る。

●午後、実家近くとあざみ野のBookOffをハシゴ。

吉川英治の「宮本武蔵」は「吉川英治歴史時代文庫」版で揃えることになったので、先日折角買ったがまた買い直し。都合よく、2軒回ったら105円コーナーの棚で全巻揃った。

先日、「読書メーター」上でSO-122氏との間で話題になり、再読したくなって米原万理「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」の文庫版も探したのだが買えず。

F1032748●あざみ野から横浜市営地下鉄に乗り、普通なら横浜で乗り換えるのだが、そのまま乗り越して関内へ。横浜スタジアムを横切って中華街へ。日曜なのでかなりの混雑。

件の茶葉蛋を売っている店で、土産用に茶葉蛋3個、それから買い食い用に腸詰。さらに別の店で叉焼まん。中華腸詰はご存知の方も多いと思うが、丁子だの八角だの、中華香辛料で甘い味付け。叉焼まんも甘い味付け。カブった。いや、判ってたんだけど……判ってたんだけどさ。

ちなみに、現在横浜中華街では「焼き小籠包」が流行っている様子。おそらく、どこかの店で出してヒットしたものをあちこちの店で真似し始めたということなのだろうが、本当にあっちでもこっちでも売っている。

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とりかへばや

●ロシアで発行されている(主に)装甲戦闘車両に関する資料誌で、「フロントバヤ・イリュストラツィヤ」(フロントライン・イラストレーション)というのがある。和訳するとしたら、「前線図誌」って感じ?

以前にもちょっと触れたように、この誌名に接するたびに、平安時代の古典「とりかへばや物語」を想起するのだが(バヤしか合ってないけど)、考えてみれば、その「とりかへばや」自体はこれまで読んだことがなく、しばらく前にかみさんに、何か適当な現代語訳本が図書館にあったら借りておいてくれるよう頼んでおいたのが先日届いた。いい加減な脈絡だなあ。

●「宮本武蔵」も読まねばならないのだけれど、一方で図書館の本は返却期限があるので、「とりかへばや」もなんとなくじわじわと読む。

届いた本は「新釈とりかへばや」(風間書房)というかなりの厚みのハードカバーで、1節ごとに原文、現代語訳文、注釈、解説という4段構えになっており、どちらかといえばがっつり古文を読み学びたい人向けの本という感じ。もちろん私は基本、訳文の部分しか読まない。本の性格上、訳文も堅め。

●まだ序盤しか読んでいないのだが、主人公はオトコの娘とボクっ娘の兄妹で(本当はボクっ娘というのは正しくないが、オトコの娘の対義語って何だろう?……調べてみたが、微妙にずれるか、だいぶ無理矢理な言葉しかないようだ)、しかも本当は女の子である「若君」が形ばかり結婚した相手が寝取られちゃったり、オトコの娘の「姫君」が出仕した先の女東宮とデキちゃったり。

まるでアニメか、というよりどこのエロゲ?な筋書きで、海外のアニメおたくあたりが読めば、

「なるほど、日本というところは1000年近く前からこうだったんだな」

と思うこと請け合いで、なかなか笑える。ちなみに「とりかへばや」は、主人公兄妹の父親が、成長途中の我が子らを見てため息をつきつつつぶやいた、「(2人の性格を)とりかえたいなあ」という意の冒頭4節目の台詞から。

●前回書いたように、SIMさんからの質問で、掲示板にサイバー(ドラゴン)の「T-34-76 STZ m.1942」について書いていたら、自分も久しぶりにT-34をいじりたくなってしまった。

もちろん、STZ1942は必ず作りたいネタではあるのだけれど、コンペか何かでもないのにあっちとこっちで同じものを並行して作るのも何なので(そもそも並行して作ってもこっちは途中で休んだりしてなかなか出来なさそうだ)、同じキットに入っているSTZ用初期型砲塔を利用して、「タイヤ跡迷彩」の車輌等でも有名な、

「砲塔は後部が台形一枚板のSTZ仕様なんだけれど、車体はハリコフっぽい1941年型」

でも作ってみようかと思い立つ。ちなみにこの仕様に関しては、緩衝ゴム内蔵転輪+550mmワイド・ワッフル履帯に切り替わる前のスターリングラード・トラクター工場製のものと考えていたのだが、青木氏はSTZに砲塔を供給していた工場(バリカディ?)が他工場(つまりハリコフ)にも流していたのでは、という推論を述べている。

●ICMから、お面グリルのフォード・トラックが発売されることについても前回書いたが、ドイツ以外のヨーロッパ各国での状況を軽く調べてみた。

ハンガリー:お面型、鳥かご型、両方の形式のトラックを使っていて、ドイツから供与されて使っているだけでなく、お面型に関しては国内MÁVAG社でも生産しているらしい。名称は39M フォード・マーモン2.5tトラック。マーモンと付くのは、マーモン・ハリントンによる4輪駆動装置を備えていたためで、また、オープンキャブなので、資料不足を差し引いても、これを作るのは大変そう。

ルーマニア:ブカレストのフォード工場(Atelierele Ford Bucuresti)で生産。お面型グリルのフォード・トラックを2000両以上、他燃料補給車、フォード・マーモン4輪駆動車を小数。フォード・マーモンは、お面グリルではあるのだが、キャブオーバー型のほとんど別車輌。

オランダ:DAFでシボレーとともにフォードも生産され、後輪2軸のものも作っている。4輪のものは38年のtype 81Y/DAF以降、91Y、01Yと続いて、01Yが鳥かごグリルかな? もっとも生産したのが4輪駆動型であるうえ、そもそも通常のトラック型を使っているのかどうか、出てくる写真は主に横列の座席と弾薬ラックを備えた牽引車型が主。さらに4輪駆動もちょっと特殊で、いわば「純正」であるマーモンではなく、DAF独自のものを開発・導入していたらしい。普通、そんな機構に関してはお手上げだが、ほとんど僥倖で、こんなサイトを見つけた。……模型製作に繋がるかどうかは別だけれど。

ベルギー:英フォード傘下でフォード・モーター・カンパニー・ベルギウム、というのがあったらしい(在アントウェルペン?)。ここも軍用にマーモンの4駆を生産。91Y(お面)と、開戦間際に01Cを作っているらしい。もっとも91Yは乗用車型やら装甲車型やらは出てきたが、普通のトラックはどうなんだか。なお、敗戦後にドイツ軍用にせっせと917Tほかを作っているような記述が、モーターブーフのボイテ本にある(ドイツ語なので読めない)。

……結局、ヨーロッパ小国軍にするには、素直にドイツフォード仕様で作ってハンガリー軍のナンバープレートを付けるのが精一杯?

●寒いよう、寒いよう(2日日曜日夕)。

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風雲!

●25日日曜日。散歩にさまよい出て、家を出た後でさてどこに行こうかしばし考え、「憲政の神様」咢堂尾崎行雄の旧邸跡を訪ねてみる。

選挙が近いのでなんとなく連想で、というわけではなく、適当に近所の神社仏閣やら史跡やらを手当たり次第に行っているなかで、たまたま最近、旧邸跡の入口の石垣に表札が残っている、というのを知ったため。披露山の新宿側麓をほとんど海岸近くまで歩いてから、急坂を登る。

F1032738右がその表札だが、もともと彫りが浅いこともあって、ためつすがめつして、ようやく読めるかどうか。一応、上に横書きでアルファベットで「OZAKI」、その下に縦書きで大きく「風雲閣」と書かれている。表札の先は、風雲閣自体はすでにないが、その後に建てられたらしい家が、これまた廃墟と化している。

尾崎行雄は1890年の第1回衆議院議員選挙で当選、以来、戦後の1953年の第26回選挙で落選し引退するまで議員を勤め上げる。議員勤続期間は、wikipediaには63年、披露山上の案内板には60年7ヶ月とあるが、さて、どちらが本当だろう。

字(あざな)は「咢堂」、「咢」の字に関して、腹丁青木氏が反応して、何か火星人と繋がりがあるのではと言い出しそうだ。もっとも、壇上で吼える尾崎行雄自身の顔にも見えないことはない(脱線)。

この逗子の風雲閣は尾崎行雄の終の住処で、墓は北鎌倉の円覚寺にある由。

ちなみに急坂を隔てて向かいは、私の嫌いな前都知事宅。

F1032725●一度披露山の上まで山道を登り、その後で別の道を辿って海側に降りる。砂浜をしばし散歩。

考えてみれば今年の夏は一度も逗子海岸に出なかったので、近所に住んでいながら、逗子の海を浜まで降りて見るのは久しぶりかもしれない(一応、逗子市内の海である小坪漁港の海はしばしば近くで見ている)。

写真を広げてみると、海面の“太陽の道”(黄陽、とか言うらしい)の一番向こうにトゲのように小さな黒いシルエットが見えるが、これは浪子不動前の海に立っている、徳富蘆花の「不如帰」の碑。

F1032720サクラガイは逗子、鎌倉の浜では割とありふれて拾える貝殻。昔から何となく漠然と、サクラガイという貝がいるわけではなく、サラガイ(は確かもっと北方の貝なので違いそうだが)あたりの幼貝なのかと思っていた。

実際にはちゃんとサクラガイというのはいて、ただし俗に言うサクラガイは、サクラガイおよびカバザクラ、モモノハナガイなど近縁数種が混称されているそうな。これで成貝らしいが、科はサラガイと同じニッコウガイ科。形似てるもんな。

●とある仕事上の必要があって吉川英治の「宮本武蔵」を読むことになり、我が家になかったので慌てて買いに出る。運良く、我が家近くのBookOffで4~8巻を、その後で立ち寄った秋葉原のBookOffで1、2巻を、全部105円コーナーで見付けた。

文庫本とはいえ1冊500円ほどするし、それを8冊となるとそれなりの出費なので、これはなかなか有難い……んだけれど、よく見ればバレるように、まだ3巻が買えてません。

●小野不由美の「十二国記」にはかつて大ハマリして、というよりも継続してハマっていて、その後も何度も読み返し、さらに最近新潮文庫で出直したものの最初の2冊まで、「どこに改訂が入っているだろう」などというマニアックな興味で入手してしまったくらい。

しかし、その同じ作者のホラーものは、(世間の評価は高いようなのだけれど)どうも馴染めず、ヒット作の「屍鬼」は途中で飽き(とはいっても読み通したはずなのだが、どんな結末だったかよく覚えていない)、H氏が「いやいやこっちのほうが面白いよ」と勧めてくれた「黒祠の島」も、「まあ、短いぶん、屍鬼よりいいな」程度だった。「ゴーストハント」シリーズは軽く読めていいけれど、あれはまあ、ラノベだし。

という具合で、もうこの人のホラーには手を出さないでいいや、くらいに思っていたのだけれど、かみさんがまた、「小野不由美だけど読む?」と、図書館から一冊借りてきた。

タイトルは「残穢」(ざんえ)で、タイトルからしてホラーだし、そもそもそのタイトルから、「きっと遠い昔の呪いだか何だかがずっと残っている話なんだろう、タイトルでネタばらししちゃダメなんじゃないの?」というくらいの、ずいぶんと斜に構えた姿勢で読み始めたのだった。……が。

うひゃあ、怖ぇえ。

なんというか、呪いだとかオバケだとかがぐわっと目の前に登場して、周囲の人間が一人一人殺されていき、最後に主人公の起死回生の一撃でそれを倒してオワリみたいなハリウッド映画的ホラーとは違って、主人公である等身大の、小説家の「私」の身の回りに直接その手のものは現れず、ただ淡々と調査を重ねていくのだが、それがじわじわと怖い。大団円みたいなオチもなく淡々としたまま終わっているのも逆にいい。

●ネット上のプライベートの書き物としては当ブログ、「かばぶ」が中心になってしまい、旧「河馬之巣」コンテンツのアップデートもほったらかし、あちらのBBSもたまに思い出した時にしか見なくなってしまっているのだが、たまたま覗いたら、お久しぶりのSIMさんから、ドラゴン(サイバー)の「T-34-76 STZ m1942」について、注意点等は、といった質問が上がっていた。

結局のところ、あのキットを無駄にしないためには、他の41年型のキットを用意して、ベース車体はそちら、ディテールはごっそりSTZのキットから持ってくる方式で、という概略をお返事。最近のT-34考証最前線からはちょっと遠ざかっているところがあるので、重要なポイントの見落としがないか、ちと不安あり。

しかし、私自身も、そのうちあれは成仏させないとなあ。

●ICMからはしばらく前に「鳥かごグリル」のフォード・トラックと、そのマウルティア型のキットが発売されているが、来年早々、その前の型である、「剣道のお面グリル」の型が発売されるそうだ。MIXIでのむーさん情報で知った。

当然、ドイツ軍仕様で発売されるのだが、このタイプのフォードはそれこそ世界中で使われていて(むーさんが喜んでいるのは、当然、日本軍で使われているからだが)、ヨーロッパ小国でも使用例がある。これはちょっと楽しみだが、各国の仕様の違いが判る資料が手元にはないのがネック。

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