風雲!
●25日日曜日。散歩にさまよい出て、家を出た後でさてどこに行こうかしばし考え、「憲政の神様」咢堂尾崎行雄の旧邸跡を訪ねてみる。
選挙が近いのでなんとなく連想で、というわけではなく、適当に近所の神社仏閣やら史跡やらを手当たり次第に行っているなかで、たまたま最近、旧邸跡の入口の石垣に表札が残っている、というのを知ったため。披露山の新宿側麓をほとんど海岸近くまで歩いてから、急坂を登る。
右がその表札だが、もともと彫りが浅いこともあって、ためつすがめつして、ようやく読めるかどうか。一応、上に横書きでアルファベットで「OZAKI」、その下に縦書きで大きく「風雲閣」と書かれている。表札の先は、風雲閣自体はすでにないが、その後に建てられたらしい家が、これまた廃墟と化している。
尾崎行雄は1890年の第1回衆議院議員選挙で当選、以来、戦後の1953年の第26回選挙で落選し引退するまで議員を勤め上げる。議員勤続期間は、wikipediaには63年、披露山上の案内板には60年7ヶ月とあるが、さて、どちらが本当だろう。
字(あざな)は「咢堂」、「咢」の字に関して、腹丁青木氏が反応して、何か火星人と繋がりがあるのではと言い出しそうだ。もっとも、壇上で吼える尾崎行雄自身の顔にも見えないことはない(脱線)。
この逗子の風雲閣は尾崎行雄の終の住処で、墓は北鎌倉の円覚寺にある由。
ちなみに急坂を隔てて向かいは、私の嫌いな前都知事宅。
●一度披露山の上まで山道を登り、その後で別の道を辿って海側に降りる。砂浜をしばし散歩。
考えてみれば今年の夏は一度も逗子海岸に出なかったので、近所に住んでいながら、逗子の海を浜まで降りて見るのは久しぶりかもしれない(一応、逗子市内の海である小坪漁港の海はしばしば近くで見ている)。
写真を広げてみると、海面の“太陽の道”(黄陽、とか言うらしい)の一番向こうにトゲのように小さな黒いシルエットが見えるが、これは浪子不動前の海に立っている、徳富蘆花の「不如帰」の碑。
サクラガイは逗子、鎌倉の浜では割とありふれて拾える貝殻。昔から何となく漠然と、サクラガイという貝がいるわけではなく、サラガイ(は確かもっと北方の貝なので違いそうだが)あたりの幼貝なのかと思っていた。
実際にはちゃんとサクラガイというのはいて、ただし俗に言うサクラガイは、サクラガイおよびカバザクラ、モモノハナガイなど近縁数種が混称されているそうな。これで成貝らしいが、科はサラガイと同じニッコウガイ科。形似てるもんな。
●とある仕事上の必要があって吉川英治の「宮本武蔵」を読むことになり、我が家になかったので慌てて買いに出る。運良く、我が家近くのBookOffで4~8巻を、その後で立ち寄った秋葉原のBookOffで1、2巻を、全部105円コーナーで見付けた。
文庫本とはいえ1冊500円ほどするし、それを8冊となるとそれなりの出費なので、これはなかなか有難い……んだけれど、よく見ればバレるように、まだ3巻が買えてません。
●小野不由美の「十二国記」にはかつて大ハマリして、というよりも継続してハマっていて、その後も何度も読み返し、さらに最近新潮文庫で出直したものの最初の2冊まで、「どこに改訂が入っているだろう」などというマニアックな興味で入手してしまったくらい。
しかし、その同じ作者のホラーものは、(世間の評価は高いようなのだけれど)どうも馴染めず、ヒット作の「屍鬼」は途中で飽き(とはいっても読み通したはずなのだが、どんな結末だったかよく覚えていない)、H氏が「いやいやこっちのほうが面白いよ」と勧めてくれた「黒祠の島」も、「まあ、短いぶん、屍鬼よりいいな」程度だった。「ゴーストハント」シリーズは軽く読めていいけれど、あれはまあ、ラノベだし。
という具合で、もうこの人のホラーには手を出さないでいいや、くらいに思っていたのだけれど、かみさんがまた、「小野不由美だけど読む?」と、図書館から一冊借りてきた。
タイトルは「残穢」(ざんえ)で、タイトルからしてホラーだし、そもそもそのタイトルから、「きっと遠い昔の呪いだか何だかがずっと残っている話なんだろう、タイトルでネタばらししちゃダメなんじゃないの?」というくらいの、ずいぶんと斜に構えた姿勢で読み始めたのだった。……が。
うひゃあ、怖ぇえ。
なんというか、呪いだとかオバケだとかがぐわっと目の前に登場して、周囲の人間が一人一人殺されていき、最後に主人公の起死回生の一撃でそれを倒してオワリみたいなハリウッド映画的ホラーとは違って、主人公である等身大の、小説家の「私」の身の回りに直接その手のものは現れず、ただ淡々と調査を重ねていくのだが、それがじわじわと怖い。大団円みたいなオチもなく淡々としたまま終わっているのも逆にいい。
●ネット上のプライベートの書き物としては当ブログ、「かばぶ」が中心になってしまい、旧「河馬之巣」コンテンツのアップデートもほったらかし、あちらのBBSもたまに思い出した時にしか見なくなってしまっているのだが、たまたま覗いたら、お久しぶりのSIMさんから、ドラゴン(サイバー)の「T-34-76 STZ m1942」について、注意点等は、といった質問が上がっていた。
結局のところ、あのキットを無駄にしないためには、他の41年型のキットを用意して、ベース車体はそちら、ディテールはごっそりSTZのキットから持ってくる方式で、という概略をお返事。最近のT-34考証最前線からはちょっと遠ざかっているところがあるので、重要なポイントの見落としがないか、ちと不安あり。
しかし、私自身も、そのうちあれは成仏させないとなあ。
●ICMからはしばらく前に「鳥かごグリル」のフォード・トラックと、そのマウルティア型のキットが発売されているが、来年早々、その前の型である、「剣道のお面グリル」の型が発売されるそうだ。MIXIでのむーさん情報で知った。
当然、ドイツ軍仕様で発売されるのだが、このタイプのフォードはそれこそ世界中で使われていて(むーさんが喜んでいるのは、当然、日本軍で使われているからだが)、ヨーロッパ小国でも使用例がある。これはちょっと楽しみだが、各国の仕様の違いが判る資料が手元にはないのがネック。
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コメント
ありがとうございますー!(^O^)/
復帰第一弾ということもあり時間はかかると思いますが、形にしたらお見せしますね。
投稿: SIM | 2012年12月 1日 (土) 05時55分
うわ、情報出遅れた!
あのお面フォードは年式で2パターン位あるらしいですよ。私も後でミク覗いとかなきゃ。
投稿: hide | 2012年12月 1日 (土) 10時40分
風雲!!とタイトルでキタので、たけし城か?と当然の如く思いました。ええ、お約束w
かばさん家のご近所は、文化のカホリ高い方がきっとお住まいなのでしょうね(除く:前都知事w)
投稿: つんきち | 2012年12月 1日 (土) 19時11分
>SIMさん
ぜひぜひ。私も久々、T-34を作りたくなってきました。
>hideさん
うーん。お面にも2種類か……。917Tと997T、なんでしたっけ?
>つん姐さん
「たけし城ちゃうから」と書いておくべきだろうか、と思っているうちに先を越された……。
「文化人」っつーと、やっぱりお隣の鎌倉のほうじゃないですかね。
投稿: かば◎ | 2012年12月 2日 (日) 00時10分
>風雲!!とタイトルでキタので、たけし城か?
いやそこはライオン丸でしょ!
と考えるのは少数派ですかね。
投稿: めがーぬ | 2012年12月 3日 (月) 12時55分
>めがーぬさん
おおう。「怪傑ライオン丸」の第2シリーズは「風雲~」だったんですね。
それにしても、当時から思ってたんですが、「ライオン丸」って……。
獅子丸はいいですよ? でも「ライオン」て……。しかもライバルが「タイガージョー」って……。「戦国自衛隊」レベルの無理矢理さ!
詳しいところは知らないんですが、そもそもなんであの人は、ライオンの姿に変身するようなことになっちゃったんですかね。
投稿: かば◎ | 2012年12月 3日 (月) 18時15分
ライオン丸は絶対一期の白い方がカッチョ良いと思います。
でもって獅子丸にしちゃうと語尾に「だワン」を付けなきゃならなくなるからシマラナイのでは(笑)。
投稿: hide | 2012年12月 3日 (月) 19時46分
あ、待てよ、変身前が獅子丸でしたっけ。
投稿: hide | 2012年12月 3日 (月) 19時59分
SIMさんってAM誌でライターやってて
4号A型(だっけか)のジオラマ載せてたSIMさん?
わー懐かしー
>でも「ライオン」て
放映当時に小学生だった私も、その辺を胡散臭く感じ、
あんまり見てませんでした(ネタを振っておきながら)。
でも、ちょっと調べたらピープロの制作だとか。
むむむ
しっかり見ておくべきだったのか。
投稿: めがーぬ | 2012年12月 3日 (月) 23時57分
ええっ。1期と2期で色が違うんですか?
私、ライオン丸って白いもんだとばかり思ってましたよ。
ということは、私は「風雲ライオン丸」は観てないんだなあ……。
そんなわけで、どんな顔をしているのか調べてみました、風雲ライオン丸。
えっ!? ちょ、こ、これは……。
投稿: かば◎ | 2012年12月 4日 (火) 01時07分