お十夜
●13日土曜日午後、鎌倉材木座の光明寺、お十夜法要に行く。昨年に続けて2度目。もちろん、法要に出席するとかではなく(去年は大殿に上がって法要を少しだけ見物したが)、この時だけ内部を一般公開している山門に上がるのが主目的。
どちらも以前、当かばぶに載せた写真だが、普段の山門の様子はこちら。昨年のお十夜法要での山門はこちら。去年の日記はこちら。
●去年登った時には山門上の仏像群が修復中で半分もおらず、しかし「来年開眼式の予定」と書かれていたのだが、行ってみると、やはり受付横には「来年開眼式予定」の立て札が。実際登ってみると、なんと昨年ちょぼちょぼ残っていた羅漢さんたちもいなくなっており、中央の釈迦三尊だけだった。
ちなみに現在の山門は幕末近く、ペリー来航数年前の1847年に再建されたものだそうだが、門の上で解説をしていた職員の方曰く、仏像群は「門が出来た時に一緒に造った新しいものなんで、美術工芸品としての値打ちはあんまりありませんよ」だそうだ。正直でよろしい(笑)。もっとも全て揃った状態だと、中央に釈迦三尊、左右に四天王と十六羅漢がズラリと並ぶので、値打ちはさておきなかなか壮観なはず。近所のことだし、一度は見てみたい。
なお、寺の山門といえば門の左右に仁王というのが見慣れたスタイルだが、この山門には仁王はおらず、代わって先述の豪華メンバーが門上で守りを固めている。職員さん(誇らしげに)曰く、「仁王様2人だけなのは簡易版」である由。
寺は西向き(職員の方曰く、西方浄土向き)で、寺それ自体は鎌倉の東南隅にあるので、目前の材木座海岸から由比ガ浜を一望できる(追記。GoogleMapsで確認してみたら、だいぶ西北向きだった)。
遠景左、V字の刻み目が稲村ガ崎の切通し。さらにその左、岬の先端向こう側に、若干ブルーグレーがかって顔を出しているのが江ノ島。天候と陽の向きがよければ、稲村ガ崎よりちょっと右寄りに富士山が見えるはず。普段の夕方も、材木座海岸から見える夕焼けシルエットの富士山はなかなか綺麗。
足元の露店は、去年の写真と比べるとわずかに少ないようだ。
●山門の扁額。すぐ下の2階外回廊から見上げて撮っているので、フレームに収まりきれない。
この扁額は旧山門に掛かっていたもので、室町時代、1436年に賜った後花園天皇宸筆(天皇の直筆)である由。……と言われても、後花園天皇というのがどんな人かいまひとつピンと来ず。帰ってwikipediaを読む。万世一系とか言いつつ、二系も三系もあったりしてややこしい時代の天皇であることがなんとなく判る。
●今年から始めたのか、あるいは昨年はたまたま時間でいなかったのか、前述のように、寺の職員の方が門の2階にいて、登ってくる人たち相手に門の解説をしていた。
寺の山門の持つ結界としての意味等々の宗教的意味も一通り、しかしそれと合わせて、寺の格を誇る俗な意味についてもなかなか面白おかしく解説してくれた。
●山門2階周囲の回廊から下を眺めていると、なんだか派手な風呂敷マントをまとったような、素足にサンダル履き、頭は白髪を茶筅髷にした、えらくバサラな格好のご老人がスタスタ歩いている。いくら阿弥陀のお寺だとはいえ、今の時代に念仏坊主じゃあるまいと思いつつよくよく見てみると、知人の(マッサージ師の)E先生だった。
「おう。ちょっとこれから水に漬かってくらぁ」
と言いつつ、材木座海岸方向に消えて行った。E先生の趣味は素潜り。
●先日写真を貼ったツチイナゴの変わり果てた姿、ではなく、こちらはちゃんとした売り物。
お十夜の露店は他の縁日の屋台などよりちょっと渋く、佃煮屋の屋台でイナゴが出ていて、物欲しげに見ていたら試食させてくれた。
美味いも何も、まあ、佃煮になってしまえば何でも佃煮の味だな……。
●やはり年に1度の大イベントとあって、坊さん達も何だかウキウキしている感じ。左は坊さん達の記念写真撮影会。
●光明寺からてくてく大町方面に歩き、鎌倉駅前に出る。
右はその途中で撮った自分の影。と、古い鋳物ポスト。
鎌倉市内、少なくとも鎌倉の旧市街では、丸型ポストはごく当たり前にあちこちにある。その中でもこれは年季物なのか、いや、丸型ポストなんて程度の差はあれどれも古いのだから、単に手入れが悪いのだと思うが、錆びてあちこちぼろぼろ。もっとも、材木座の町内ともなれば、潮風が当たりっぱなしかも。
駅近くのミスドでドーナツを食いながら「憑物語」を読む。まだまだ序盤。
●話は前後するが、光明寺に行く途中、披露山バス停近くでヤマノイモのつるにむかごが付いていて、つい採り始めてしまう。料理するほどの数はなかったので、日曜日に改めて散歩に出てどこかで採集しようと思ったのだが、日曜は今にも雨が降りそうな天気だったので(実際、その後降った)、出掛けるのは断念。
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コメント
由比ヶ浜の風景が、なんとなーくウチとこの近所に似てるような気がしました。
当然由比ヶ浜のほうがメジャーで高級な感じだけど、言うてみたかったんだよ~~~~www
投稿: つんきち | 2012年10月15日 (月) 23時40分
>つん姐さん
まあでも、たぶん由比ガ浜のほうがきちゃないですよ。
投稿: かば◎ | 2012年10月16日 (火) 00時02分