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2012年10月

スズメの巣

●26日金曜日、また例によって神保町の事務所を楽団に追い出される。K女史、P女史とともにS社に資料の提出、およびちょっと打ち合わせに行く。その後、3人で軽くお茶を飲んで解散。

●そのまま、久々に川崎の実家に行き一泊。昼間、行き掛けに東京駅の例の駅弁屋で買った、銚子のさんま押し寿司、越前のかに押し寿司を母と食し、日本酒を飲む。

翌日、家中のスタンドの切れた電球、消耗した電池等を交換するため、コジマに行く。さらに2階応接間の戸袋にスズメが巣を作って雨戸が出し入れできなくなってしまったというので、棒で巣を掻き出す(スズメ自体はすでに巣立った後)。

●実家への行き帰り、梶ヶ谷のbookoff、あざみ野のbookoffに寄り道し、入江亜季「乱と灰色の世界」4巻、川原礫「ソードアートオンライン」1巻、教養文庫の修道士カドフェル・シリーズの2、3巻(「死体が多すぎる」と「修道士の頭巾」)を購入。

また、実家の書棚からデフォーの「ペスト」(中公文庫)を回収。

前日のS社での打ち合わせで新たな資料をどさっと貰っていたので、カバンが重い。

なお、ちょうど図書館からも予約していた2冊の本が届いたので(石山茂利夫「国語辞書出生の秘密」「裏読み深読み国語辞書」)、しばらく読むものに困らない。

●なお、ここ半月ほどの読書は、西尾維新「憑物語」、恩田陸「ユージニア」「ブラザー・サン シスター・ムーン」、斉藤光政「偽書『東日流外三郡誌』事件」、川原礫「ソードアートオンライン プログレッシブ1」、エリス・ピーターズ「氷の中の処女」(カドフェル・シリーズ6巻)。

●その一方で、webマンガの「堀さんと宮村君」にハマリ中。

●さらに横浜で、息子の学校の文化祭に寄る。息子らが出していた露店でトッポギを買って食べる。150円。

●仕事が進まずに、というと、仕事が自律的に進んだり止まったりしているように思えてよろしくない。仕事が進められずに、と言うべきだ(自戒を込めて)。

とまあ、相変わらず仕事を進められずに汲々。

●もっとも、この仕事が終わってしまうと、今度はぽっかり仕事日照りになってしまって困ったものだ、と思っていたのだが、市ヶ谷のC社から年末にかけての仕事依頼あり。有り難し。

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まんだら堂

●21日日曜日。ぢぢぃなので散歩に行く。

散歩しねえぢぢいはただのぢぢいだ!(森山周一郎声で)

まあ、散歩してもしなくてもぢぢいはぢぢいだけどな。

●名越切通しを歩いていたら、まんだら堂跡が特別公開されていた(10月6日~12月9日の間の土日祝日のみ)。

F1032648以前、このまんだら堂跡はあじさい園として有名でちょっとした観光スポットだったのだが、2000年頃に地主が手放しただか何だかで、市の管理下に入り、以降、基本的に立入禁止になっている。その間、断続的に発掘調査なども行われてきたらしい。

どうやら年に一度くらいの頻度で特別公開期間が設けられているようで、特に今年はちょっと長めだとか。

私自身は2、3年前、ちょっとズルをして閉鎖中のまんだら堂跡地に脇から入ってしまったことがあり(切通しの脇を草刈りしていたので、普段は藪で歩けないところをホイホイよじ登っていたら、いつの間にか入り込んでしまっていた)、今回はそれ以来。

F1032644上は脇の高台から見下ろして撮ったもので、かつて一面あじさいが植わっていたところが更地になっているぶん、平場を囲む崖面のやぐら群がよく判る。やぐらは、利用可能な土地が限られていた中世鎌倉の墓地で、特にこのまんだら堂跡は集積度が高い。言ってみれば、中世の鎌倉霊園みたいなもの。

やぐらの中には墓碑であったらしい石塔が多数立っているが、これは中世以来この状態で保存されてきたわけではなく、かつてのこの土地の持ち主だった坊さんが、崩れて転がっていた石塔のパーツを適当に重ねて、それらしく置いたものであるらしい。まだまだ多数の石塔のパーツが、敷地の一角に並べられてシートを被せられているようだ。

F1032604●散歩の途中にちょっとおやつでもと入ったスーパーで、こんなものを見かけてつい買ってしまった。

パンの中に、ちくわが丸ごと入っている。さらにちくわの穴の中にはチーズクリームが詰められている。どんな味かといえば……チーズクリーム入りのちくわがごろんと丸ごと入ったパンのような味だった。いや本当に、まんまそう言うしかないような代物なんだってば。

帰宅してからかみさんに聞いたら、しばらく前にその存在が話題になったこともあるのだそうだ。知らなかった。

それにしても、ちょっと珍しいと食ってみたくなる癖はほどほどにしないと、そのうち酢豆腐でも食わされかねない。もっとも、シュルストレミングホンオフェは、ほぼ確実に食えないだろうと思う。くさやの干物も、以前実家の近所からあぶっている臭いが漂ってきただけで卒倒しそうになったし。

F1032616b●猛毒で有名なトリカブト。いわゆる附子(ぶし、ぶす)。

知らないで見ていれば、単に「綺麗な花」だが、ヤバさは折り紙付き。利用するのは主に根だが、葉にも茎にも、花粉にさえ毒性があるらしい。

種類はヤマトリカブト? このあたりに自生しているのは聞いていたが、実際に見たのは(あるいは気付いたのは)初めて。もっとも、さらに花が大きくて立派なハナトリカブトや、ヤマトリカブトも、切り花や園芸用の株が売られているのだそうだ。

印象としては麻などよりよほど危なそうな気がするが、そのあたり、だいぶ扱いは適当なようだ。

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●キタテハの幼虫がいないかとカナムグラの藪をつついていたら、この秋初めてのマルカメムシがうろついているのを見つけた(左写真)。

いつの間にか洗濯物などにくっついていて、小さな身体に似合わずかなりの臭気を放つので迷惑なヤツだが、毎年晩秋になると大発生する(食草のクズが近所の斜面に繁茂しているので)。

今年もカメムシ・シーズンがやってくるのか……。

右の、形態的にも大きさ的にも、もっとカメムシカメムシしたカメムシ(なんのこっちゃ)の名前はクサギカメムシ(たぶん)。

マルカメムシほど大量発生しないので馴染みが薄いが、これも時々家に入り込んでくることはある。嗅がされたことはないように思うが、これも臭いらしい。地味な色合いではあるけれど、こうして写真に撮って拡大すると、細かい濃淡が紬のようで意外に綺麗。

●「ガールズ&パンツァー」という、曰く言い難いアニメの放映が始まっていて、第1話を見て脱力感に見舞われたのだが、結局、2話も3話も見てしまった。戦車が(単に外形だけでなく)よく描けている、という評などもあって、まあ、部分的にはそうなのだが……しかしそのディテール部分も、つまるところ、「突っ込んだら負け」的要素テンコ盛り。

ところで、1話だったか2話だったかで、登場人物がたむら(酢)氏の本を読んでいた。著作が小道具に使われることが多いなあ。いいなあ(笑)。

●仕事中というのは余計なこと(しかも唐突なこと)が気に掛かるもので、急に、

「アイルランド語とウェールズ語は(現在)どちらが話者が多いのか」

という疑問が頭に浮かぶ。おそらく、最近になってウェールズ人が主人公の「修道士カドフェル」シリーズを読み直し始めたのと、ちょっと前に北アイルランドの洪水予測GISについての和訳文の推敲をしたのが、頭の片隅で混じって発酵した結果かと思う。

お手軽にwikipediaで調べたところでは、それぞれの母語話者は、アイルランド語35.5万人、ウェールズ語70万人という意外な結果に。なお人口は、アイルランド459万人(北アイルランドを除く)、ウェールズ306万人で、アイルランドのほうが多い。これでまた、一生使い道のなさそうな知識がひとつ増えた。

なぜ独立国もあって離れた島のアイルランドよりも、イングランドと地続きでユニオンジャックに含まれてさえいないウェールズのほうが話者人口が多いのか、疑問に思った人は自分で調べること。

ちなみにウェールズ語といえば、ウェールズ人のC.W.ニコルさんが、とある本で「この美しい言葉の響きは、英語のような下品な言葉では出せない」というようなことを書いていたのを、これもまたふいに思い出した。

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ケンチキ

●先日来、あまり腹の調子がよくなく、なんとなく鈍痛や違和感がある。もっとも腹が痛くてうずくまってしまうというようなものではなく、それこそ「なんとなく」レベル。

それでいて腹はしっかり減るので、毎日がふがふ食う。……いいのか、そんなんで。

日~月の晩など、あまり腹が減ったので、最近では珍しく夜食まで食ってしまった(赤いきつね)。

●仕事がさっぱり進まない。おかげで夜更かしをするので、ますます効率が落ちる。

●15日月曜日。神保町まで出掛けていく時間さえもったいないような状況で、自宅仕事。しかしそういえば、月曜の昼には事務所で「きしめんパーティー」をすると先週言われていたのをすっかり忘れていた。昼頃、P女史より「今どこですか。きしめん食べないんですか」と電話。

ああ。食べそびれた。……しかし変な仕事場だな。

●16日火曜日夜。K女史は早々と引き上げてしまったので、P女史と夕食。どこで何を食うかまるで考えも意見もまとまらず、とりあえず白山通りあたりを目指そうとぶらぶら歩く。

その途中、「たまにケンタッキーフライドチキンって食いたくなるよね」とふいに思いついて言ったとたん、2人とも「ケンタッキーフライドチキン食いたい熱」の発作を起こす。

そこがまた都合悪いことに、神保町界隈には店舗がないのだが、P女史に携帯からwebで調べてもらい、後楽園と御茶ノ水にあることがわかる。坂を上るのは面倒な気がしたので、後楽園を目指す。結局、店はドームシティの中でも水道橋寄りではなく春日寄りの反対側にあり、ずいぶん遠くまで歩く羽目になってしまったが、久々のケンタッキーにありつき、2人ともとりあえず満足する。帰りは水道橋から神保町まで、一駅分地下鉄に乗る。おバカだ。

実際のところ、一口食えばたちまち発作は治まり、2ピースも食えば「もう当分は食わなくていいや」と思うくらい油ギトギトさに少々辟易するのだが、どうしてああ、希に無性に食いたくなるのかね、あれは。

何はともあれ、仕事から何からひっくるめ、一日の行動のうちで、「ケンタッキーを食いに行ったこと」が最も達成感を覚えた事項であったということに、P女史との間で合意をみる。

●17日水曜日。自宅で仕事をするつもりだったが、必要なファイルがいくつか、事務所のPCの中にしかないことに気付き、朝数時間だけ寝てから事務所に出掛ける。

最近は、このファイルはあっちだった、あれはこっちだった、というドタバタを避けるため、むしろ持ち歩いているUSBメモリをメインにし、コピーを両PCに置くようにしているのだが、それ以前にDLしたファイルだったので失敗した。

午後遅めに立ち食い蕎麦屋で昼食。数日前、動画サイトで落語「時そば」を聞き、無性に安っぽい蕎麦を食いたいと思っていたため。……いやしかし、我ながら腹の病気を抱えているとは思えない食い意地。

眠気に負けて、ふと気付くと事務所の椅子でうつらうつらというような状態だったので、早めに仕事を切り上げる。数ヶ月ぶりに秋葉原に寄り、bookoffとvolksとYSを覗いて帰る。何も買わず。

知らない間に、HOBBYBOSSのトルディは、IIaもすでに発売になっていた。箱に書いてある名前では「Tordi II」となっていたが、(実はこれまでの分類と名称が間違えていた、というのでなければ)IIは基本的にIと同じで、IおよびIIの主砲を40mmに換装したものはIIaとなる。以前に触れたように、トルディIIaは80輌作られたはずだが、残された写真は妙に少ない気がする。

●最近恒例の近所の虫たちレポートなど。

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先日はうまく撮れなかったツチイナゴの成虫。幼虫の時はあんなに鮮やかな緑色だったのが、すっかり枯草色になってしまった。ただし眼の下のストライプだけは健在。

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お馴染みのツチイナゴの幼虫だと思ったのだが、どうも顔付きが違う。しかも黒模様が眼の下でなく後ろにある。フキバッタの類ではないかと思うが調査不足。

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キタテハの幼虫。私も人並みに(?)、イモムシ・ケムシの類はあまり好きではないし、好んで触りたいとも思わないが、何の幼虫なのか判ると、若干愛着が湧いてくることもある。

キタテハの幼虫はカナムグラの葉っぱを糸で丸め、その陰にひっそり隠れて生活している奥ゆかしいヤツだが、ご覧のように海洋生物じみた枝分かれしたトゲトゲに覆われている。このトゲトゲはタテハの幼虫によく見られるものである由。見た目はすごいが毒もないし刺したりもしない。実はそんな話を読んで、俄然見たくなって、折り畳まれたカナムグラの葉を捜してみたもの。隣のウニみたいなものはおそらく脱皮した皮。

ちょっとピンボケにしか撮れなかったし、恥ずかしがって(?)丸まったままだったので、そのうちまた再挑戦(再捜索)してみたい。

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我が家からバス通りまで山を降りきったあたり、路地脇の御宅の庭の桜。どうも毎年のことのようだが、この季節にもだらしなくぽつぽつ花が咲く。

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お十夜

F1032554●秋の空。13日夕、鎌倉駅前。

●13日土曜日午後、鎌倉材木座の光明寺、お十夜法要に行く。昨年に続けて2度目。もちろん、法要に出席するとかではなく(去年は大殿に上がって法要を少しだけ見物したが)、この時だけ内部を一般公開している山門に上がるのが主目的。

どちらも以前、当かばぶに載せた写真だが、普段の山門の様子はこちら。昨年のお十夜法要での山門はこちら。去年の日記はこちら

●去年登った時には山門上の仏像群が修復中で半分もおらず、しかし「来年開眼式の予定」と書かれていたのだが、行ってみると、やはり受付横には「来年開眼式予定」の立て札が。実際登ってみると、なんと昨年ちょぼちょぼ残っていた羅漢さんたちもいなくなっており、中央の釈迦三尊だけだった。

ちなみに現在の山門は幕末近く、ペリー来航数年前の1847年に再建されたものだそうだが、門の上で解説をしていた職員の方曰く、仏像群は「門が出来た時に一緒に造った新しいものなんで、美術工芸品としての値打ちはあんまりありませんよ」だそうだ。正直でよろしい(笑)。もっとも全て揃った状態だと、中央に釈迦三尊、左右に四天王と十六羅漢がズラリと並ぶので、値打ちはさておきなかなか壮観なはず。近所のことだし、一度は見てみたい。

なお、寺の山門といえば門の左右に仁王というのが見慣れたスタイルだが、この山門には仁王はおらず、代わって先述の豪華メンバーが門上で守りを固めている。職員さん(誇らしげに)曰く、「仁王様2人だけなのは簡易版」である由。

F1032583●門の2階からの景色。

寺は西向き(職員の方曰く、西方浄土向き)で、寺それ自体は鎌倉の東南隅にあるので、目前の材木座海岸から由比ガ浜を一望できる(追記。GoogleMapsで確認してみたら、だいぶ西北向きだった)。

遠景左、V字の刻み目が稲村ガ崎の切通し。さらにその左、岬の先端向こう側に、若干ブルーグレーがかって顔を出しているのが江ノ島。天候と陽の向きがよければ、稲村ガ崎よりちょっと右寄りに富士山が見えるはず。普段の夕方も、材木座海岸から見える夕焼けシルエットの富士山はなかなか綺麗。

足元の露店は、去年の写真と比べるとわずかに少ないようだ。

F1032579●山門の扁額。すぐ下の2階外回廊から見上げて撮っているので、フレームに収まりきれない。

この扁額は旧山門に掛かっていたもので、室町時代、1436年に賜った後花園天皇宸筆(天皇の直筆)である由。……と言われても、後花園天皇というのがどんな人かいまひとつピンと来ず。帰ってwikipediaを読む。万世一系とか言いつつ、二系も三系もあったりしてややこしい時代の天皇であることがなんとなく判る。

●今年から始めたのか、あるいは昨年はたまたま時間でいなかったのか、前述のように、寺の職員の方が門の2階にいて、登ってくる人たち相手に門の解説をしていた。

寺の山門の持つ結界としての意味等々の宗教的意味も一通り、しかしそれと合わせて、寺の格を誇る俗な意味についてもなかなか面白おかしく解説してくれた。

●山門2階周囲の回廊から下を眺めていると、なんだか派手な風呂敷マントをまとったような、素足にサンダル履き、頭は白髪を茶筅髷にした、えらくバサラな格好のご老人がスタスタ歩いている。いくら阿弥陀のお寺だとはいえ、今の時代に念仏坊主じゃあるまいと思いつつよくよく見てみると、知人の(マッサージ師の)E先生だった。

「おう。ちょっとこれから水に漬かってくらぁ」

と言いつつ、材木座海岸方向に消えて行った。E先生の趣味は素潜り。

F1032564●先日写真を貼ったツチイナゴの変わり果てた姿、ではなく、こちらはちゃんとした売り物。

お十夜の露店は他の縁日の屋台などよりちょっと渋く、佃煮屋の屋台でイナゴが出ていて、物欲しげに見ていたら試食させてくれた。

美味いも何も、まあ、佃煮になってしまえば何でも佃煮の味だな……。

F1032573 ●やはり年に1度の大イベントとあって、坊さん達も何だかウキウキしている感じ。左は坊さん達の記念写真撮影会。

●光明寺からてくてく大町方面に歩き、鎌倉駅前に出る。

右はその途中で撮った自分の影。と、古い鋳物ポスト。

F1032562鎌倉市内、少なくとも鎌倉の旧市街では、丸型ポストはごく当たり前にあちこちにある。その中でもこれは年季物なのか、いや、丸型ポストなんて程度の差はあれどれも古いのだから、単に手入れが悪いのだと思うが、錆びてあちこちぼろぼろ。もっとも、材木座の町内ともなれば、潮風が当たりっぱなしかも。

駅近くのミスドでドーナツを食いながら「憑物語」を読む。まだまだ序盤。

●話は前後するが、光明寺に行く途中、披露山バス停近くでヤマノイモのつるにむかごが付いていて、つい採り始めてしまう。料理するほどの数はなかったので、日曜日に改めて散歩に出てどこかで採集しようと思ったのだが、日曜は今にも雨が降りそうな天気だったので(実際、その後降った)、出掛けるのは断念。

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たうねんどりんぐ

●事務所で夜明かししたおかげで、金曜日は案の定、ほとんど使い物にならず。

朝帰りし、一眠りしてから自宅で作業を進めようなどと考えていたが、結局、一日うつらうつら。ダメのダメダメって感じ。とはいえ、昨晩デザイナーにデータを渡しておいたおかげで、金曜日中に成果物をなんとか2本提出できた。

●仕事途中の脱線。

むか~し、行きつけの飲み屋の有線で聴いた中東風の曲で、おそらく昔々のヒット曲なのだが、曲名も判らず引っ掛かっていたものがあった。そういえば(それ自体ひと昔前なのだが)「ピリ辛うまうま唐辛子~」なんて変な歌詞を付けられてCMに使われていたこともあったな、などと今さら思い出して、その変な歌詞を手掛かりにネット検索してみる。

「ウスクダラ」という曲名らしいことが判り、今度はyoutubeで検索する。……え? 江利チエミ? 水前寺清子? ナンダソリャ。

もうちょい調べて、最初のヒットは1950年代、アーサ・キットという黒人女性歌手だというのが判る。アーサ・キットの「Uskudara」はこんなふう(ボリューム注意)。うーん。昔有線で聞いたのはこれだったのかなあ。元は「Kâtibim」というトルコ民謡である由。

……というのをまた判らなくなる前に一応書きとめておこう。

ちなみにアーサ・キットは(「Uskudara」もトルコ語で歌っているが)4ヶ国語を話し、7ヶ国語で歌える人だったとか。何の弾みだか、「証城寺の狸囃子」も録音している。

●さらに脱線。

その「証城寺の狸囃子」、ご存知のように月夜に寺の庭にタヌキが出てきてお祭騒ぎする歌なわけだが、途中から、

負けるな負けるな 和尚さんに負けるな

と、いきなり対決シーンになる。それ自体唐突だが、そもそも和尚さんの何と張り合っているのかも気になる。まさか和尚さんが腹つづみは打たないだろうから、木魚か何かかと思ったのだが、それも違ったらしい(それに、狸に合わせて本堂の木魚を乱打していたら何だか罰当たりな感じではある)。

この歌はもともと千葉・木更津にある證誠寺(歌とは字が違う)の狸伝説を下敷きにしているのだが、その話は、

「寺の庭に狸が集まって騒ぐので、和尚が三味線で合わせると、狸も負けじとますます腹つづみを鳴らし、張り合っているうちに、とうとう狸は腹が破れて死んでしまう」

というものであるらしい。とすると、この童謡は楽しそうではあるけれど、伝承の通りなら、実は今まさに狸たちは惨劇に向けてまっしぐらな状態ということになる。あな恐ろしや。それにしても……なんで坊主が三味線? 道楽者?

●地方自治体の財政指標について調べていて、「実質単年度収支」という単語からいきなりタウネンドリングを連想する。

たんねんどしゅうし → たうねんどりんぐ

……我ながら「話作ってるだろう」と言いたくなる無理矢理さだが本当。

なお、タウネンドリングとは、1920年代くらいまでの空冷星型エンジン装備の航空機に使われていた、前後幅の狭いエンジン覆いのこと。より詳しくはこちら。残念ながら日本語版のwikipediaには出ていなかったので、英語版。

というわけで、タウネンドリング付きの機体をいじりたくなり、一番手近なところに箱があった、Czech Modelの1:48簡易インジェクションキット、カーチスA-12シュライクを取り出す。もちろんしっかり模型を作る余裕は今はないので、箱からパーツを出して、若干のバリを削ったり、左右分割されている主車輪を貼り合わせたりしただけ。

●本日12日金曜日より、材木座の光明寺でお十夜法要。午後に行こうかと思いながら結局行かず。しかし今年は、去年は修復中でだいぶ欠けていた山門上の羅漢像が戻っているかもしれない。やはり明日行ってみるかな……。

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夜の神保町

●……にて、ひとり夜明かし中(11日~12日夜)。

だいたい夜の神保町というのは別に嫌な場所というわけではないが、とはいえ、ふらふら外にさまよい出ても、コンビニくらいしか行く当てが無い。

●11日木曜日、家を出て、坂道の途中のクズの藪を覗くと、すでに3匹ほど、茶色い成虫になっているツチイナゴを見掛けた。先日写真を撮った状態がすでに終齢幼虫であったらしい。写真を撮ろうとしたら逃げられた。歳を取るだけ落ち着くってわけでもないようだ。

●事務所に遊びに来たSさんから、B社の話を聞く。実は昨年B社から請けてやった仕事のギャラを7~8割しか貰っておらず、その後も数度、「今月末、請求できるように未払い分の金額を計算して連絡するから」とB社のT氏に言われているのだが、結局そのままになっている。

が、私などはまだいいほうで、聞けば、Sさんは貰っていない割合の方が多いのだそうな。B社のその事業部はまったく仕事が回っておらず、多方面にギャラの未払いが発生している由。……取りっぱぐれたらどうしよう。

●ここ半月ほどの読書。以前読んだにも関わらず、かみさんが間違えてまた図書館から借りてきた塩野七生の「十字軍物語3」を再読。第3次十字軍のあたりだけでもまた読もうか、などと思いつつ、結局また最後まで読んでしまった。やはり第6次十字軍は素敵だ。

さらに実家からサルベージしてきた澁澤龍彦「異端の肖像」、その後はbookoffで買った修道士カドフェル・シリーズの第1巻。カドフェル・シリーズは以前、BBC制作のテレビドラマをNHKで放映していたこともあるが、中世イングランドの修道院にいる、カドフェルという名の修道士が主人公のミステリー。カドフェルは世の酸いも甘いも噛み分けた元十字軍兵士のウェールズ人で、持ち前の植物の知識なども駆使して、事件を解決していくというもの。ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」ほど重苦しさはなく、石頭の副院長などをちょっと小ずるくかわすあたり、ニヤリとさせるところもある。このシリーズ、以前全巻持っていたのだが、知り合いに進呈してしまい、改めてまた欲しいと思っているもの。

先の週末は、畠中恵の「ゆめつげ」。これも以前に読んだのだが、またかみさんが間違えて借りてきたもの。そんなんばっかし。続いて「志ん生長屋ばなし」。11日、西尾維新「憑物語」を買ったが、読むのは「志ん生長屋ばなし」を終えてから。

……本の傾向、ばらばら。

●先週末以降、あまり腹の調子がよくない。

●考えてみれば、夏以降模型屋に行っていない。7月に東武のモデラーズギャラリーに行ったのが最新?

模型屋に行きたいよ、模型いじり倒したいよ~。

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……磨崖仏?

F1032552●数日前より、ちょっと育っているような気がする。

それにしても、実はこの写真、風が強かったので葉っぱを手でつまんで、携帯をぐっと近付けて撮っているのだけれど、そこまでしても逃げずにポーズを取ってくれるツチイナゴの鷹揚さにはお兄さんビックリです。

●今日(8日)はどうも起きた時から腹具合があまりよくなく、くぅくぅごろごろ鳴るし、じんわりと痛む。とはいっても、総理大臣を辞めるほど痛むわけではないし、もちろん私は総理大臣でもない。

そんな具合ではあったし、仕事はほとんど堤防決壊状態ではあったけれど、金沢文庫の特別展、「鎌倉密教」が今日までだったので、午後になって出掛ける。もっとも天気はいいし涼しいし、格好の「お出掛け日和」ではある。金沢文庫の展示はいつもながら文書が多く、そちらのほうは見ていてもほとんどちんぷんかんぷんだが、特別公開の運慶作・大威徳明王像が見られたのはちょっとお得な気分。

●ふと思い立って、先日探し当てられなかった、横浜市内に2つしかないという磨崖仏の片方、「白山道奥磨崖仏」を再び探しに行くことにする。もちろん、先日適当に歩いて探せなかったのだから、きちんと事前に場所を調べて行き直すのが当然だが、今回も文庫駅でいきなり「また行ってみるかあ」と思い立つという「泥縄なう。」ないい加減さ。

しかしよくしたもので、駅前に立っていた地図の看板を見たら、ちゃんと磨崖仏の位置が記入されていた。それでもずいぶん判りにくそうな場所であり、携帯で地図の写真を撮っていく。

F1032543F1032544 結局だいぶ歩いた末に、この辺のはずなのに見当たらない、行き過ぎたんだろうか、引き返そうか、などと考え始めたところでようやく目当ての場所にたどり着いた。

もともと、「横浜市内に2つしかない磨崖仏」は、もう片方の「鼻欠地蔵」も単なる崖のコブだが、こちらはさらに正体不明になっているのは、事前にwebでみた写真で知っていた。

……のだが、実際に見てみると、正体不明どころか、そもそも日が暮れて薄暗いからだけでなく、崖面自体、草薮に隠れてどこが磨崖仏かも判らない状態。それでもなんとかこの場所に違いないと特定できたのは、道の向かい側に右のような看板が立っていたためと、たまたま通りがかりの小父さんが「ここですよ」と請合ってくれたため。こりゃ、明るい時に来ても判んねえだろうなあ。

●鉄道のどこの駅にもバス通りにも遠いところでとっぷり日が暮れてしまい、やれやれと思いつつ、ひとつ山を越えて県道原宿六浦線に出る。朝比奈のbookoffに寄ってから、バスで金沢八景まで出て帰宅。

F1032541●朝比奈のbookoff店内の自販機でまだ売っていた(→)。

●朝比奈のbookoffでマンガ、入江亜季「乱と灰色の世界」第3巻を購入。ちょっと立ち読みして、「うん、これはまだ読んでいない」と確認してから買って帰ったのだが、途中まで読んで、「これの前はどうなっていたかな」と1、2巻を探して本の山を漁っていたら、もう一冊、3巻が出てきた。

買ったまま読まずに積んであったらしい。なんて迂闊な。

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つちいなご

●携帯で虫を撮るのは、帰宅後にPCに転送してみないことにはちゃんと写っているかどうか判らず、しかも4、5枚に1枚くらいしかピントが合っていないこともあって難しいのだが、その写真で名前調べしたりするのも面白いので、ちょっとはまり中。

F1032507

●自宅前の坂道脇のクズの藪に、(ほぼ同齢と思しき)バッタの幼虫が妙に沢山いた。カメラ(携帯)をそこそこ近付けても逃げようとしない。

トノサマバッタかな、などと適当に思っていたが、改めて調べてみたらツチイナゴだった。目の下の石ノ森マンガ風模様、鮮やかな緑色、この時季に幼虫であること、などが手掛かりになった。

……うーん、イナゴかあ。食うか? 食えるか?

もっとも、仮に数を狩り集められても、かみさんは佃煮にしてくれないと思う。ちなみに、ツチイナゴは、普通食用にする田んぼにいるイナゴ(ハネナガイナゴやコバネイナゴ)よりだいぶ大きくなる。食うにしても、ちょっと心構えが要るかも。

F1032513●こちらは自宅前のフヨウだかムクゲだかの葉にいた毛虫。模様と、目立つ3対の脚が、端の1対と残りの2対との間に妙に間隔が開いていることなどから、フタトガリコヤガと判明。

ちなみにその脚は本当の脚(歩脚)に見えて実は疣脚で、どうも写真でも左端に見える赤い模様と合わせて、体の前後を逆に見せようとしているのではないかと思う。実際には写真右側が頭。

ちょっと鮮やかな蝶とか蛾になりそうだが、成虫は(それなりに模様は特徴があって面白いものの)地味で、形状的にもあまり部屋に迷い込んできて欲しくない感じのもの。

それはそれとして、フヨウとムクゲとハイビスカスの切り分け方がどうもよく判らない。ちなみに3つともフヨウ属に属し、学名ではすべてHibiscus(ヒビスクス=ハイビスカス)。

F1032514 ●葉っぱの間から目が合ったクモ。形から言えば部屋の中でも見掛けるハエトリグモにそっくりだが、色が淡く緑がかっていてなかなか綺麗。しかもこうして写真に撮って拡大されると、なかなか顔がお茶目だ。セサミストリートに出てくるマペットの仲間みたいな感じ。

「フィールド図鑑 クモ」で調べてみたが、ハエトリグモの一種だろうことはほぼ確実だろうが、種は確定できなかった。デーニッツハエトリグモというのが近いような気がする。

デーニッツ! 灰色狼!?

もっとも「フィールド図鑑」のデーニッツハエトリグモの写真は緑色っぽいものの、webで見る同種の写真は茶褐色だったりするし、どうもよく判らない。

F1032520●アオバハゴロモ。この写真だとたまたま一匹だが、しばしばびっしり列を作って草の茎にとまっている。ララキマロキラ編成的(←つい数日前に青木氏経由で覚えた鉄用語)。

我が家近くの草薮は、初夏にはあちこちで、茎が真っ白に粉を吹いたようになるのだが、その犯人がコイツの幼虫。晩夏になるとそれがどっと羽化するので、前述のように茎にびっしりとまっている、だけでなく、結構頻繁に家の中にも迷い込んでくる。その度に、基本的にムシの嫌いなチビ助が騒ぐ。

つい昨日も、壁にとまったままのコレを見つけ、

「ばななむしがいる、ばななむしがいる、とってー」

と言う。「バナナムシ」なんていう言い方があるのか? と思ったのだが、調べてみると実際にあって、しかしコレではなく、習性は似ているツマグロヨコバイの俗称である由。確かにあちらの姿形はちょっとバナナ的。

ところで、このアオバハゴロモの形も、どうも個人的に親近感を覚えるなあと以前から思っていたのだが、よくよく考えると、私が以前から好きで、模型も作り掛け(のまま放ってある)クジネ・アルカンシエルの特徴的な尾翼回りとそっくり。

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●カラスウリの花にいたハムシ。

黒とオレンジの取り合わせのハムシはいろいろいるようだが、前翅がツヤツヤなこと、カラスウリにいたことが手掛かりで、クロウリハムシと判明。

●6日土曜日。チビ助の保育園の運動会に行く。

幼稚園よりもさらに小さい子もいるので、一応お遊戯らしく見せようとしていても、子供は単に右往左往しているだけだったり。一方でちょっと年長の組は統制が取れていて、この年頃の「一歳の差」の大きさが面白い。

チビ助は回りをきょろきょろして、どうも動作が1テンポ遅れなのが、いかにも我が家族。

●帰り、山際の道を歩いていたら、ずいぶんとしぶといツクツクボウシの声が聞こえた。流石に今年のセミの聞き納め?

F1032521●ファミマで見掛けた、ガリガリ君(ソーダ味)の「ちょい足し」を楽しむオススメ。

……え? 納豆?

食い物に関しては比較的あれこれ試すほうではあるけれど、これはちょっと微妙なものばかり(ハチミツ以外)。いったいこんなもん、どこから出てきたんだ?と思ったら、どうもテレ朝の番組で実験した結果であるらしい。番組サイトにはもう少し詳しく「足し方」が出ていて、例えば中濃ソースやケチャップは「表面が隠れる程度」、納豆や七味は「小皿1杯程度」だそうだ。小皿1杯の七味は、量的にずいぶんきつそう。

●で、ガリガリ君は買わずに、たまたま目に付いた、井村屋「和菓子屋の贅沢あずき」というのを買って食った。井村屋といえばカチンコチンの「あずきバー」だが、「贅沢あずき」はクリーム入りで柔らかく、あずきがギッシリ入っていて秀逸(もちろん、あずきバーも素朴でいいのだが)。

帰ってから井村屋のサイトを見たら出ておらず、会社名を勘違いしていたのかと思ったが、ファミリーマートのサイトに出ていた。ファミマ限定商品だそうだ。

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撮り歩き

●29日土曜日。台風が近付いているからなのか何なのか、とにかく日中蒸し暑さがぶり返して、自室にいてもうだるばかりなので、午後散歩に出る。

特に目的もなく、名越の峠道を通ってハイランドに抜け、旧華頂宮邸方面に降り、金沢街道に出て鎌倉駅前まで歩く。

何となく秋っぽいスナップをいくつか。

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名越の切通のヒガンバナ。ハイランド手前の道端のお稲荷さんにもヒガンバナが手向けてあった。

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秋はジョロウグモが肥える季節。もう少しすると、孕んだ卵で腹がポコンポコンに丸くなる。長い脚が、踏切の遮断機のよう。

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峠道に咲いていた花。名称不明。ご存知の方、教えてください。

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葉ごとに紅葉が始まっている、ウルシ科のハゼノキ。先日の緑色のクモ、サツマノミダマシの「薩摩の実」とは、この木の実である由。帰ってから気付いたので、実の写真を撮り忘れた。

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華頂宮邸庭の薔薇。

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報国寺脇の崖に枝垂れていた紅萩。

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そして「萩の寺」として有名な宝戒寺の白萩。ほか、鎌倉で萩といえば海蔵寺の門前がすごかったはず。

……全然仕事進めてないな。

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