まんだら堂
●21日日曜日。ぢぢぃなので散歩に行く。
散歩しねえぢぢいはただのぢぢいだ!(森山周一郎声で)
まあ、散歩してもしなくてもぢぢいはぢぢいだけどな。
●名越切通しを歩いていたら、まんだら堂跡が特別公開されていた(10月6日~12月9日の間の土日祝日のみ)。
以前、このまんだら堂跡はあじさい園として有名でちょっとした観光スポットだったのだが、2000年頃に地主が手放しただか何だかで、市の管理下に入り、以降、基本的に立入禁止になっている。その間、断続的に発掘調査なども行われてきたらしい。
どうやら年に一度くらいの頻度で特別公開期間が設けられているようで、特に今年はちょっと長めだとか。
私自身は2、3年前、ちょっとズルをして閉鎖中のまんだら堂跡地に脇から入ってしまったことがあり(切通しの脇を草刈りしていたので、普段は藪で歩けないところをホイホイよじ登っていたら、いつの間にか入り込んでしまっていた)、今回はそれ以来。
上は脇の高台から見下ろして撮ったもので、かつて一面あじさいが植わっていたところが更地になっているぶん、平場を囲む崖面のやぐら群がよく判る。やぐらは、利用可能な土地が限られていた中世鎌倉の墓地で、特にこのまんだら堂跡は集積度が高い。言ってみれば、中世の鎌倉霊園みたいなもの。
やぐらの中には墓碑であったらしい石塔が多数立っているが、これは中世以来この状態で保存されてきたわけではなく、かつてのこの土地の持ち主だった坊さんが、崩れて転がっていた石塔のパーツを適当に重ねて、それらしく置いたものであるらしい。まだまだ多数の石塔のパーツが、敷地の一角に並べられてシートを被せられているようだ。
●散歩の途中にちょっとおやつでもと入ったスーパーで、こんなものを見かけてつい買ってしまった。
パンの中に、ちくわが丸ごと入っている。さらにちくわの穴の中にはチーズクリームが詰められている。どんな味かといえば……チーズクリーム入りのちくわがごろんと丸ごと入ったパンのような味だった。いや本当に、まんまそう言うしかないような代物なんだってば。
帰宅してからかみさんに聞いたら、しばらく前にその存在が話題になったこともあるのだそうだ。知らなかった。
それにしても、ちょっと珍しいと食ってみたくなる癖はほどほどにしないと、そのうち酢豆腐でも食わされかねない。もっとも、シュルストレミングやホンオフェは、ほぼ確実に食えないだろうと思う。くさやの干物も、以前実家の近所からあぶっている臭いが漂ってきただけで卒倒しそうになったし。
知らないで見ていれば、単に「綺麗な花」だが、ヤバさは折り紙付き。利用するのは主に根だが、葉にも茎にも、花粉にさえ毒性があるらしい。
種類はヤマトリカブト? このあたりに自生しているのは聞いていたが、実際に見たのは(あるいは気付いたのは)初めて。もっとも、さらに花が大きくて立派なハナトリカブトや、ヤマトリカブトも、切り花や園芸用の株が売られているのだそうだ。
印象としては麻などよりよほど危なそうな気がするが、そのあたり、だいぶ扱いは適当なようだ。
●キタテハの幼虫がいないかとカナムグラの藪をつついていたら、この秋初めてのマルカメムシがうろついているのを見つけた(左写真)。
いつの間にか洗濯物などにくっついていて、小さな身体に似合わずかなりの臭気を放つので迷惑なヤツだが、毎年晩秋になると大発生する(食草のクズが近所の斜面に繁茂しているので)。
今年もカメムシ・シーズンがやってくるのか……。
右の、形態的にも大きさ的にも、もっとカメムシカメムシしたカメムシ(なんのこっちゃ)の名前はクサギカメムシ(たぶん)。
マルカメムシほど大量発生しないので馴染みが薄いが、これも時々家に入り込んでくることはある。嗅がされたことはないように思うが、これも臭いらしい。地味な色合いではあるけれど、こうして写真に撮って拡大すると、細かい濃淡が紬のようで意外に綺麗。
●「ガールズ&パンツァー」という、曰く言い難いアニメの放映が始まっていて、第1話を見て脱力感に見舞われたのだが、結局、2話も3話も見てしまった。戦車が(単に外形だけでなく)よく描けている、という評などもあって、まあ、部分的にはそうなのだが……しかしそのディテール部分も、つまるところ、「突っ込んだら負け」的要素テンコ盛り。
ところで、1話だったか2話だったかで、登場人物がたむら(酢)氏の本を読んでいた。著作が小道具に使われることが多いなあ。いいなあ(笑)。
●仕事中というのは余計なこと(しかも唐突なこと)が気に掛かるもので、急に、
「アイルランド語とウェールズ語は(現在)どちらが話者が多いのか」
という疑問が頭に浮かぶ。おそらく、最近になってウェールズ人が主人公の「修道士カドフェル」シリーズを読み直し始めたのと、ちょっと前に北アイルランドの洪水予測GISについての和訳文の推敲をしたのが、頭の片隅で混じって発酵した結果かと思う。
お手軽にwikipediaで調べたところでは、それぞれの母語話者は、アイルランド語35.5万人、ウェールズ語70万人という意外な結果に。なお人口は、アイルランド459万人(北アイルランドを除く)、ウェールズ306万人で、アイルランドのほうが多い。これでまた、一生使い道のなさそうな知識がひとつ増えた。
なぜ独立国もあって離れた島のアイルランドよりも、イングランドと地続きでユニオンジャックに含まれてさえいないウェールズのほうが話者人口が多いのか、疑問に思った人は自分で調べること。
ちなみにウェールズ語といえば、ウェールズ人のC.W.ニコルさんが、とある本で「この美しい言葉の響きは、英語のような下品な言葉では出せない」というようなことを書いていたのを、これもまたふいに思い出した。
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コメント
「BBAったら、こんな時どんな顔していいかわからないの。」←林原めぐみの声でw
トリカブトの名前だけは知ってましたが、こんな花とはつゆ知らず。
これ、見かけたら触っちゃうかも知れんわ。
触るどころか匂ったりしちゃうかも、キレイだし。
そっか。
キレイな花には毒やら棘やらあるってことね・・・我が身は違うけどねw
投稿: つんきち | 2012年10月25日 (木) 12時24分
トリカブトは仮面ライダーの怪人になっちゃうくらい(名前は)有名ですけど
子供の頃、スズランに毒があると知って少しショックを受けた記憶があります。
投稿: めがーぬ | 2012年10月25日 (木) 12時49分
>つん姐さん
――どんな顔していいかわからないの。
――笑えばいいと思うよ。
――がははははははははははっ!
……台無しだっ!
ちなみに光線の具合にもよるのですが、私の携帯のカメラは色が見たとおりに出ないときも多く、実際の花はもっともっと紫です。
>めがーぬさん
スズランを挿してあった水を飲んで中毒、とかあるらしいですよ。
あと、昔北海道の土産屋で見た何かだったかなあ。スズランの野に立っていると馬でも倒れるとか。
投稿: かば◎ | 2012年10月25日 (木) 21時36分
かばちゃん、ダイジョブやって。
ウチかて、にっこり・・・じゃなくて、目だけ笑わない笑顔ぐらいできるってばw
カメムシを退治する時にそれをやってみよう。
投稿: つんきち | 2012年10月26日 (金) 23時52分