蝉
●20日月曜日、神保町の事務所の長老I氏が事務所を辞め、多少はまだ仕事もこなすものの、悠々自適に近い身分になるというので、その送別会、という言い方は嫌だそうなので「壮行会」。神保町の徳萬殿にて。
ちなみに徳萬殿は知る人ぞ知る、普段から「とにかく食いやがれコノヤロウ」的なお馬鹿な量を誇る中華料理屋。「徳萬殿」で検索すると、ブログでの紹介だのなんだのがズラリとヒットするので、お暇な方はぜひ(ちなみにその料理自体は本格中華というよりは、昔ながらの街の中華屋さんである)。
というわけで、会自体は終始和気藹々としたものだったが、食い物に関してはいつにも増して凶悪で、始まって1時間ほどで「もう食えん」と言い出す人が頻出。
「いやいや。徳萬殿の恐ろしさはむしろこれからで、トドメに炒飯が来そうな気がする」
「うわ、ちょっとそれは勘弁して欲しい」
なんて言っていたら、炒飯と焼きそばがダブルで来た。なお、そこに至る前に、一部でこの店の名物とされているウズラの卵(皿にびっしり20~30個、茹でたうえに炒めて味付にしたウズラ卵が敷き詰めてある料理)も来た。
だいたい普段からこの店の量のお馬鹿さ加減はよく知っているのだから、幹事がもうちょっと気を付けるべきだと思うのだが、その幹事役のC社長自身、「料理はテーブルにたんまりと、足りなくなることが決してないよう、むしろ余るほど」が常の方針なので始末に負えない。
●21日火曜日。医者に行く。医者に刺激物は止められているにも関わらず、先週は坦坦麺とインドカレーを食べてしまい(いや、本当に久しぶりですよ)、前夜は暴食してしまったために結局医者に行く羽目になった――のではなく、薬がなくなるのに合わせた基本・月イチの通院。
いつも通り、診察は「どうですか調子は」的な会話を2、3するのみで、処方箋を出してもらう。
●以前にも書いたが、病院通いのネタは潰瘍性大腸炎というヤツで、私のそれは(今のところ)日常生活に支障が出るほどではないものの、一応、「特定疾患」(いわゆる難病=原因不明、難治性もしくは不治、慢性)に指定されている。
特定疾患は医療費の補助が受けられることになっている。以前医者に聞いたところ、「補助は遡って受けられるので、申請は後からでも、適当な時にすればいい」というようなことを言われたので放っておいたのだが、いつまでもそのままというのも何なので、神保町の事務所は休んで、午後、鎌倉の保健福祉事務所に申請に出掛ける。
が、保険福祉事務所が言うことには、「申請時点からしか補助は受けられません」。
なんてこったい!! 医者いい加減過ぎ!
前述のように症状が重篤でなく医者通いも基本月イチのため、そもそも診察料に関しては補助が出るのかどうかレベルなのだが、それなりに掛かっている薬代のほうは痛い。
●ところで、鎌倉の保険福祉事務所は住所で言えば鎌倉市由比ガ浜で、若宮大通りの一の鳥居を海側に越えて、ちょっと脇に入ったところにある。逗子からは、小坪回り鎌倉行きのバスで、カマジョあたりで降りて歩くのがおそらく最も行きやすい。
そんなつもりでバスに乗ったが、ふと思い立って材木座で途中下車してしまい、滑川河口まで砂浜経由で散歩しつつ行くことにした。先々週の土曜に同じルートを逆に歩いたときにはいなかった(あるいは気付かなかった)が、波打ち際は打ち上げられたクラゲだらけ。ちなみにイカ娘は前回も今回もいなかったでゲソ。
たいていは無害な、ありふれたミズクラゲだが、たまに赤い筋入りのヤツもいる。おそらくアカクラゲで、みみず腫れを作る犯人。
そもそも逗子・鎌倉あたりの海は8月半ばを過ぎるとクラゲの天下で、何年か前に半ばを過ぎて泳ぎに行ったときは、おそらくミズクラゲの小さなやつが大発生していて、ほとんどつぶつぶゼリーの間を泳いでいるような感じだった。
●先々週あたりから、自宅近辺の蝉時雨の中にツクツクボウシが混じるようになった。ちらほらと行き倒れの蝉も見る。夏も終盤の雰囲気。
分布を徐々に広げつつあるといわれるクマゼミに関しては、時折、「あれはクマゼミじゃないか?」と思う声を聞くことはあるが、まだ姿を見たことはない。ところで最近wikiで見て驚いたこと。クマゼミとミンミンゼミの鳴き声は、人が普通聴いている分にはまったく違うが、実はミンミンゼミの声を早回しするとクマゼミになってしまうのだそうだ。
●なお、短命であることの代名詞のように言われるセミだが、実は「地上に出たら一週間の命」は俗説で、自然状態では1カ月くらいは生きるらしい。しかも幼虫は地中で何年か過ごすので、一生の長さでいえば、昆虫の中ではむしろかなりの長命だそうだ。って前にも書いたっけ。まあ、確かに一生が一年サイクルとか、それ以下の虫って多いしなあ。
●「恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす」
というのは、都都逸の中でも好きな句で、秀句だと思う。といっても、そうあれこれ都都逸の詞を知っているわけでもないけれど。
●夏も終盤といえば、夜遅く帰宅する時に夜空を見上げると、夏の大三角が西に傾いて、盛夏の頃のように思い切りのけぞらなくてもよくなった一方で、東の空にはもうすでにプレアデスが見える。なんだか夏をまるごとスルーしてしまった気分。
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コメント
>徳萬殿
ふむ、通い慣れた神保町の裏にこんな店が隠れていたのですか。画像検索したら昔懐かしの田町の亀喜を彷彿とさせる盛りっぷりですねい。機会があったら行ってみますか。( ̄ρ ̄)ジュル・・・
投稿: KWAT | 2012年8月22日 (水) 21時52分
>くわっちん
キッチン南海のちょうど裏あたり、といえば、判りやすいのでは。
あるいは、地下鉄出口からさぼうるを過ぎてそのまま一つ路地を越えたところ、とか。
投稿: かば◎ | 2012年8月22日 (水) 22時19分
暴飲暴食&辛いモンは腸のために、超ヨロシクないと思われます。
そんなん言うたら、自分で恥かしくなってもたやなぃのw
ところで、蝉は地中にいる時代が虫としての生涯の殆どなんじゃないかと。
地上に出てきて喧しく鳴くんは、アレ、旅立ちの歌なんやないかと思うてます。
投稿: つんきち | 2012年8月22日 (水) 22時34分
>つん姐さん
というわけで、某所でお話しした通り、今夜も辛いもんを食ってしまいました。うーん。しばらく我慢してたんだけどなー。やっぱりこうねっとり暑い時季は、どうしても辛いもんの魅力に勝てません。なんつーか、身体にしみわたる感じがします。
行った店は、神保町の数ある飲食店の中でもお気に入り度上位のタイ屋台料理店「ティーヌン」(屋台で営業しているわけではなく、現地での屋台料理風の料理を出す、の意味)。
考えてみれば、アメリカの13年ゼミなんて、ものすご長生きの虫ですな。
投稿: かば◎ | 2012年8月23日 (木) 01時48分
数年前、FTTHがらみの仕事をしてる時に、セミ(対策)光ファイバーケーブルってのがあって、セミ=蝉の図式がとっさに思い浮かばず、セミ=蝉と聞いても?が飛び交っておりました。
投稿: はほ/~ | 2012年8月26日 (日) 11時30分
>はほちん
主に光ファイバーにセミ被害が多発しているのは西日本で、体がでかくて丈夫なクマゼミが、光ファイバーケーブルを枯れ枝と間違えて産卵しようとする結果、ファイバーを傷つけて断線してしまうのだそうです。
クマゼミは箱根を越えて関東でも増殖中だそうなので、将来的にはこの辺でも危なそうですな。
まあ、逗子鎌倉に関しては、リス(タイワンリス)の電話線問題のほうが現時点では切実なようですが。
投稿: かば◎ | 2012年8月26日 (日) 15時03分