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プラモデルの経年劣化

●前回載せ忘れた、9日に写した都心の変化2態。

F10318841点目は渋谷。

東急文化会館の後に何やらオサレな新しい入れ物、「渋谷ヒカリエ」というのがオープンしたが(右奥)、渋谷駅からの橋も架け替え中。左が、取り壊しを待つ古い東急文化会館時代の橋。そういえばこの橋を渡ると、東急文化会館の入口は右手にあり、真っ直ぐ行くとそのまま一杯呑み屋が何軒か並ぶ路地で、L字に曲がる突き当たりは本屋だった。

右の新しいほうの橋も鉄骨や屋根の様子など見ると、まだ本番の橋ではなく仮設のようにも見える。

東急文化会館の閉館は2003年、プラネタリウムがなくなったのはもう少し早くて2001年。ナウシカはロードショーで、東急文化会館に見に行ったような気がする。……うわ。もう30年近く前か。なお、「ヒカリエ」という新ビルの名称は「光へ」の意だそうだ。ひねりも何にもねぇな。

F10318822点目は神保町。

俎橋のたもとにあった九段下ビルは、周囲の作業用の塀も取り払われて、すっかり更地になってしまっていた。

ちなみに俎橋を渡った先の交差点横には、東日本大震災時に天井が崩落し死傷者を出した九段会館があるが、こちらは閉鎖されたまま、まだどうなるか何も決まっていないようだ。

●世紀の天文イベントとあって、5月21日の金環食の日の天気予報が気象協会から早々と発表されたが、それによると、関西から関東にかけては雨または曇りの可能性が高い由。見られなかったらがっかりだ……。

●「『鎌倉の碑』めぐり」もまだ読み終わっていないが、図書館から「白い死神」(ペトリ・サルヤネン著、アルファポリス)が届いた。「冬戦争」時のフィンランド軍の狙撃兵、シモ・ヘイヘの伝記。もともと図書館の蔵書にはなかった本なのだが(3月に出た新刊書なので、なくても当然だが)、ダメモトで頼んだら、なんと買ってくれた。たいしたもんだ。しかし、パンツァー・トラクツは買ってくれないだろうなあ。そういえば、グランドパワーだったかに「パンツァー・トラツク」って書いてあった。

なお、その後、かさぱのす氏からの情報によれば、千葉県市川市立図書館も「白い死神」を購入したことが判明。ここから考えるに、本書は地方図書館必須の蔵書として、各地の図書館が続々購入中であると想像。

なお、フィンランド大使館公式twitterによれば、「シモ・ヘイヘ」よりも「シモ・ハユハ」という発音が近いそうだ。フィンランド大使館には、近く発売されるハセガワ72の「B-239 バッファロー・フィンランド空軍エーセス・コンボ【2機セット】」についてもぜひコメントを出して欲しいものだ。

●息子は美容師の学校に通っていて来年卒業だが、このほどめでたく内定を貰った。もっとも卒業前に国家資格を取得できなければ内定取り消しだし、就職してからがまたまた厳しそうだ。

●先日は「建機のお宝/くず鉄」をお送りしたが、今度はチェコのサイトに上がっていた、やっぱり「人によってはお宝、でも普通の人には粗大ゴミ」な代物。1939年までのポーランド軍ファンしかときめかない、もしかしたら先日以上にピンポイントなお宝かもしれない。

というわけで、ポルスキ・フィアット621ボックスバン(おそらく救急車)……の残骸。

●ボロボロになった古物からの繋がりで。

先日来、ストック棚からの発掘物をしばしば紹介しているが、たとえばこの回に引っ張り出してきたバキュームフォームは、写真で判るようにどれも一部が黄褐色に変色している。

私は長年、ヘビースモーカーだったので、部屋の中のものは本だろうと模型だろうとかなり煙草の煙に燻されて変色していることがあり、これらもそうなのだろうと思ったが、そうではなく、もともと袋入りキットである上に半透明の収納ボックスに入れていたことから来る、樹脂の劣化によるもののようだ。

この部分をナイフで削ってみると判るのだが、変色した表面はもろく硬くなっている。表面だけのことなので、現時点で製作に影響が出るほどではないが、別のストック、ポーランドBROPLAN社製の1:72「FOKKER F.VIIb/3m」では、劣化部分がプラバンの中まで至っており、力を掛けるとパリパリ割れてしまう。ストックしてあった場所の条件の差なのか、それともメーカーによる使用プラバンのスチレン樹脂の細かい成分差によるものなのかは不明。

●「ゴミの種類」として考えた場合、一般に、自然素材はいつかは分解されて自然に還り、合成樹脂は分解されずに残るので厄介だなどといわれる。そのため、プラスチックはとても長持ちするものなのだとボンヤリ思っていたりするのだが、実際には、分解はされなくても、物理的性質については自然樹脂よりもむしろ格段に早く劣化するものであることに注意する必要がある。

もともと日本では、プラモデルは買ってすぐにパタパタと組み上げ、完成したらあとは崩壊するに任せるのみで、今日のようにじっくり時間を掛けて「作品」として仕上げるとか、そもそも買って長いこと作らずに死蔵するとかは想定していなかったはず。

古いプラモデルのストックの中では、ゴムタイヤやゴムキャタピラは劣化しているケースがしばしばあるが、このあたりは、歴史的コレクションとしてはどうあれ、スケールモデルとしては(再現度が低いために)あまり重視されない。箱は通常紙なので汚れたり破れたり潰れたりしていることは多い。とはいえ、プラパーツ自体の質が云々されることは今までまずなかったのだが、プラモデルが身近に普及し始めて約50年、そろそろプラスチックの劣化もあり得ることを気に留めておいたほうがいいのかもしれない。

もちろん、バキュームフォームのプラバンと、射出成型のプラとは、同じスチレン樹脂でも耐環境性能に差がありそう。また、通常のキットの場合、未組立のストックを野ざらしにしておくことはまずないから、条件としては劣化しにくい。私のストックのなかではインパクトの48古典機のキットがおそらく最も古く、40年くらい前のもののはずだが、インジェクションのパーツに今のところ変化はないようだ。

もっとも、最近のスケールモデルは使われる素材がますます増えているから、そのあたりも気を付ける必要がある。タミヤの新しい(接着可能な)軟質樹脂の履帯は、紫外線なのか、外気に触れることによる加水分解なのか、比較的早く劣化し、硬くなって割れることがあるという噂も聞く(私自身のストックや作品では、今のところ大丈夫のようだ)。接着剤、パテの種類も多く、完成した作品が、後に接着箇所や補修箇所でひび割れてくることもある。もっとも楽八師匠などはそのあたり割り切っていて、「作品が完成したその時点で形を保っていてくれれば、後は野となれ山となれ」だそうだ。潔い。

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コメント

そういえば某誌で某師範がプラの劣化を抑える為に中まで塗膜でコートする、とかやってましたねぇ。流石にアレは遣りすぎじゃあ…と言うか、この人は自分の死後も作品が保存されるつもりで作ってるのかしらん、と唖然とした覚えがあります。

投稿: hide | 2012年5月13日 (日) 14時18分

プラッチックとかで作ったプラモも経年劣化するんだから、そら、生モンであるわが身も経年劣化しますわなw

たまに昔の写真引っ張り出してきて、経った歳月の長さを嘆くのに、さも似たり。

投稿: つんきち | 2012年5月14日 (月) 00時57分

今、手許にあるストックで一番古いものが、恐らく40年級ですが、まあ腐ってはいないでしょう(笑)。完成品は、とりあえず、自分の目の黒いうちだけもってくれれば、あとは知ったことではないです。どうせ全部、捨てられちゃうんだろうな…。

投稿: TFマンリーコ | 2012年5月15日 (火) 00時30分

>hideさん

私自身は内部どころか外側でも陰になって見えないところは裏も何も塗らないズボラ者ですが、「某誌で某師範」の件の記述は見ていて、「ナルホド」と思いました。

ただし、私が「経年劣化」を気にしているのは、自分の作品よりもむしろ未組立のストックの方で、この先、一生の間に何分の1(何十分の1?)作れるかどうか判りませんが、それより前に「物理的に作れない状態になっている」というのはどうにも悲しいからです。

とはいっても、特にレジンキットなどの場合は、素材的にもおそらくスチレン樹脂でまとめられているプラモデルよりさらに条件的に厳しそうですし、パーツやブロックの重みもあるので、しばらくするとあっちがポロリ、こっちがポロリということがよくあります。

私も自分が死んだら、基本は「あとは野となれ」ですが、まあ、生きてる間はそこそこもってほしい気はします(とはいえ、前述のように積極的に何かする気にはなっていませんが)。ですから、そういう手間を惜しまない方、神経の細かい方は、どうぞやって下さい、という感じではあります。

>つんきち姐さん

いやいや。もう私なんぞもあっちゃこっちゃボロボロですよ。
実際、しっかり妙な持病を背負い込んでしまいましたし。

>TFマンリーコさん

まあ、私の作品なんぞは特にこの先長く保存される意味もあんまりないんで、私も「まあ、後のことは知らん」型です(笑)。

しかし、「これはすごいなあ」と思うような他人の作品が、将来、散逸するだけならまだしも、この世から消失するのは惜しい気がします。笹川さんとこのコレクションもそろそろいっぱいいっぱいなんじゃないかという気がするし、タミヤあたりが男気をだして、自社製品に限らずミリタリーの完成品を収集・展示するとか、ないですかね(といっても、今のタミヤにそんな余裕ないかな)。

投稿: かば◎ | 2012年5月15日 (火) 20時54分

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