« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月

虫だの花だの

●(金もないのに)仕事がぽっかり空いてしまった。

とはいえ、家族は出掛けているのに仕事をしている振りをしてもしょうがないし、このところ家に閉じこもっていて外の空気を吸っていなかったので、午後になって出掛ける。

●道々見かけた虫だの花だの。

F1032002ツマグロヒョウモンの♀。鮮やかなオレンジに白黒の模様が散りばめられて美しい。前翅端の黒模様の間がわずかに青味がかっているのもアクセント。翅裏の豹柄も悪くない。

見た途端に名前が判ったわけではなく、「綺麗なタテハチョウ」くらいの認識で、帰宅してから名前を調べた。実は最初はヒメアカタテハと誤認して、しかし若干感じが違うのに気付いて調べ直した。昨夏、「近年、分布域が北上しており、温暖化の影響が疑われる動物種」の例として、仕事の調べ物で扱ったことがあるのをすっかり忘れていた。

F1031998テングチョウ。実は翅表には割と綺麗なオレンジの紋があるのだが、とまっている時は常にこの姿勢で、翅表は滅多に見せてくれない。まあ、それじゃないと擬態の意味もなかろうけれど。地面にとまった途端、位置を見失うほど枯葉そっくり。

枯葉そっくりの蝶は少なくないが、翅のシルエットがこうデコボコしているのはあまりなく、それが識別点になった。写真では判りにくいが、鼻先がつんと長いのが名前の由来で、それも特徴。東京都では絶滅種、他にもレッドリストに記載している県あり、だそうな。

F1031995ヒメヒオウギ。道端で見掛けた雑草。下側の花びらだけにある模様が名前調べの手掛かりになった。枕詞の「ぬばたま」(種子)の由来になっている日本古来のヒオウギとは、同じアヤメ科ながらほとんど関係のない外来種であるらしい。

F1031987 どこに写ってるんだ、という感じだけれど、マルハナバチ。むくむくしていて可愛い。……のだが、何しろ慌しく花から花へ飛び回っていて、ちっとも写させてくれない。何枚か撮った写真の中で、この1枚にだけかろうじて写っていた。それにしたって、これじゃあ蜂だか何だかわかりゃしねぇ。

それでも、同じように丸っこくてモコモコでも、全体がどんと大きくて胸が黄色いのはクマバチで、お尻が黄色いのがマルハナバチなんですよ、つんきち姐さん。

ちなみにもっとちゃんと撮れるまで粘らなかったのは、これを撮ったのが交番の入口脇の花壇で、それ以上粘っていると職質でもされそうな気配だったからだ。

F1031983安養院のツツジはすっかり終わっていた。まあ、去年はGW明けに満開だったのだから、終わっていて当たり前。とはいえ、社長出勤の花が数輪、ところどころにぽち、ぽちと咲いている。

満開だった去年の写真はこちらのページ、一番下。

F1031990●鎌倉であることが日本よりも上位に来る例。

郷土愛の発露? それともジーコジャパン的な、何かそういうの?(古い)

●名越のローソンで「フォション蜜玉露」という、最近出たらしい缶飲料を飲む。玉露を上品で甘くスイーツのような飲料にしました、みたいな説明が書かれていたが、「抹茶アイスの味だな」と思った。いや、美味しくなかったわけじゃないんですが……個人的には、1回飲んだからいいや的。次は塩すいかペプシに期待しよう。

F1031981●久しぶりに江ノ電に乗り、極楽寺へ行く。

初夏の鎌倉といえばあじさいを観光の目玉にしているのだが、江ノ電のホームには、こんな手作り感溢れる「あじさい情報」第一弾が張り出されていた。第何弾まで出るのやら。

「江ノ電あじさい情報」にある通り、盛りはまだ半月くらい先の様子で、成就院の「ルーシーさんの階段」両脇もまだ緑色。

とはいえ、いくらかは気の早いあじさいが咲いている。観光客のごった返す時期には近寄らないかもしれないので、今のうちに数枚。オマケで階段の途中で寝ていた猫。

F1031976 F1031974 F1031975

●御霊神社のあじさいも旬はまだまだな感じではあるものの、変わりあじさいはすでに咲き始めていて、「別にたくさん咲き乱れていなくてもいいよ」という人にはオススメかも。去年もほとんど同じ写真を並べたのだが、まあ、季節の出し物ということで。

F1031963 F1031962 F1031958

F1031956 F1031953

F1031951 F1031949

●御霊神社入口角の「力餅家」で「求肥力餅」と「すあま」を買う。「求肥力餅」ではないスタンダードの「力餅」(ただしこの季節限定で中身が草餅になるらしい)は10個入り以上の箱詰めで、バラ売りがない。

F1032007●のんびり歩いて帰るつもりだったのだが、雲行きが怪しくなってきたので長谷から江ノ電に乗る。鎌倉駅からバス。帰宅後ぽつぽつ降り出し、夕食後に雷雨。

我が家の犬は、ついに雷を聞くとトイレに逃げ込むようになってしまった。しかも便器の向こう側の陰にうずくまっているので引き出すに引き出せない(最終的にはかみさんによって強制排除された)。写真は撮ったが完璧にピンボケ。

●有難いことに急ぎの仕事が入ったので、明日は久々に多摩川を越える。

| | コメント (14) | トラックバック (0)

スロヴァク・プラガ

●偉っそうにポルスキ・フィアット製作記を立ち上げておいて、いきなり浮気な話で何なのだが、先日来ぼちぼちと組み立てていたトライスターのPz.Kpfw.38(t) E/F型の組立が、履帯を除いてほぼ終了した。

といっても、ほぼ説明書通りにパーツを組み上げただけで、組立に関してはあーだこーだ言う部分は多くはない。

●作り上げる対象として想定しているのはスロバキア軍所属のLT-38(スロバキア軍での呼称)。

もっとも、38(t)のキットでは、同じトライスターのB型、G型、ドラゴンのG型にそれぞれスロバキア軍所属車輌のデカールが付属しており、わざわざそれが入っていないE/F型で作るのはちと酔狂かも。ただし、基本はデカールの有無だけで、特別にスロバキア軍向けのパーツが何か入っているわけではない、と思う。

●スロバキアは、開戦前に最初のLT-38を10輌入手(V3000~V3009)したのを皮切りに、最終的に延べ74輌のLT-38を使用している。調達が五月雨式だったり、調達した品が中古だったりしたせいもあって形式はA型からG型、S型までぐちゃぐちゃで、その点、保有した車輌のほとんどがG型のハンガリーなどとは少し趣が違う。

最初の5輌はチェコスロバキア軍迷彩が施されていたが、その後調達したものはオリーブドラブ単色になり、チェコ迷彩の車輌も塗り直されている。

ただ、私が作ろうとしている車輌の写真(1944年秋のスロバキア民衆蜂起時のもの)を見ると、どうも車体色が明るく見える。スロバキア軍が43年8月以降入手した37輌(V3063~V3082、V3099~V3110、V3129~V3133)は、すでにBMMでの生産が終了していたため、ドイツ軍のデポから中古品を回してもらったものなので、これらはスロバキア軍用オリーブドラブではなく、ドイツ軍のダークイエローだったのではないかと想像される。

もっとも写真では、国籍マーク中央の青と車体色とのコントラストがほとんどなく、単に「暗い色の車体が明るく写っているだけ」の可能性もある。悩ましい。

F1031940●スロバキア軍車輌にするためのほぼ唯一の特別な工作が、右フェンダー後部に載せた、ランドセル型の妙な箱だかタンクだかダクトだか、とにかく謎の物体。rを出すために妙に凝った工作をしてしまった。

F1031939 とにかく全体形は「こんな感じ」というのは判るのだが、クローズアップ写真は見当たらないので、細部ディテールが判らない。もしかしたら表側に何か付いているのかもしれないが、あるように見える写真も、ないように見える写真もある。

最初はフェンダー上にイモ付けで接着してしまうつもりでいたが、後々細部の情報が手に入った時に修正できるよう、フェンダーに穴を開けてプラ棒を付け、そのプラ棒に接着することにした。これで後々、もぎ取ることになってもフェンダーにも箱にも損傷が生じない。もっとも、追加情報が出たとしても、「まあ、作った時には判らなかったからこうなんだよ」と放置してしまう可能性のほうが大きそうだけれど。

●それにしてもこの「ランドセル箱」の正体は何なのだろう。

  • ドイツを含め、他国の38(t)に装備されている例は(少なくとも私の手元の資料では)見られないようだ。また、戦後のチェコスロバキア軍車輌にもない。
  • スロバキア軍所属車輌でも、大戦中盤までの写真では見られない。が、スロバキア民衆蜂起あたりでの写真では、おそらくLT-38の全車が装備している。
  • 同じくスロバキア軍のLT-40やLT-35でこれを装備している例はないようだ。
  • しかし一方で、スロバキア軍に供与されたものとされるマーダーIIIHの写真で、戦闘室内にこれが置かれており、スロバキア軍の38(t)系列では不可欠の特有の装備であったらしいことが想像できる。

●(追記)なんと、この“ランドセル箱”について、MBIの“PRAGA LT vz.38 / Pz.Kpfw.38(t)”にちゃんと載っているのを見つけた。東大モトクロス部。

っていうか、今回の製作にあたって常に横に置いてあった資料なのに、なぜ見落とすか! ちゃんと読め!

もっとも載っているといっても、各型説明の間にさらりと図が混ざっているだけ(p25)。ちなみに用途はブロートーチ収納箱だそうだ。というわけなので、よく探せばドイツ軍車輌でもこれを積んでいるものがありそうだ。

F1031935

●その他は別に特殊な工作はなし。前回書いたように、ノテク・ライトの位置はG型と同様(基部パーツはE/F型キットにも入っている)。

他国供与の38(t)の(おそらく)標準的仕様として、車体前面機銃は装備されておらず、指揮戦車同様に塞がれている。これはたまたま、(おぼろげな記憶では)水道橋時代のオリオンで手に入れたバラ売りのG型用指揮戦車パーツ枝があったので、その純正パーツを使用。もっともプラバンを丸く切り抜いてリベットを移植してもそれほど大きな手間ではないはず。

戦闘室左側面は、本来ツルハシとシャベルが付くが、どういうわけか1944年のスロバキア軍車輌では止め具ごとない。

車体後面も、G型同様に各部にカバーが付けられた状態。なお、スロバキア軍車輌は発煙筒ボックスは装備していない。当初何も考えずに付けてしまったパーツをもぎ取ったので、ちょっと跡が汚い。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

捲土重来のポルスキ・フィアット

●宅配便で、息子宛に何やら長物の荷物が届いた。送り状の中身欄を見ると「武具」。何をやり始めたんだあいつは!

……と思ったら、中身は蛇の目傘だそうだ(しかも実用品でなく飾り物)。なぜ蛇の目傘が武具?(もちろん刀とか単発銃とかが仕込まれたりはしていない)。

ちなみに、これは課題制作の小物として使うのだそうだが、一応荷解きして取り出してみた際、蛇の目傘だとわかった途端、ちび助にボールを乗せて回すようリクエストされたそうだ。三歳児がどこで「蛇の目傘すなわちお神楽芸」なんて知識を得たのか激謎。

●傘といえば、この「折り畳むとレタスになる傘」は秀逸。ちょっと欲しい気もするが、さすがにおっさんが持ち歩くには無理がありそう。いや、レタス状態で持ち歩くのは平気だが、使う際に派手過ぎる。

●前回書いたように、「レジン組合」主催「ヒブトラコン」向けに、ポルスキ・フィアット508/518電話線敷設車を製作中。

何度か書いているように、ポーランドのS MODELからは、ポルスキ・フィアットの小型車シリーズ(508および508/518)が昔はバキュームフォームとレジンの混成、現在は全レジンでキット化されており、我が家にはその古いバキュームフォームのほうが5、6種類ある。同じくバキューム&レジンのウルススA型トラックは1つ完成させたものの、ポルスキ・フィアット508系の方はキット自体が古く結構な難物で、いくつか中途半端に手を付けてはほったらかしてある状態。

P1000025 2年ほど前、週末模型親父さんのところの「スミコン」に、508救急車型でエントリーしたものの、右の状態まで作って挫折した。ダメダメな感じ。

●そんなわけで、今回は、その雪辱戦を兼ねての製作。

一応、実車について簡単に(なんとなく)判っていることを記しておくと、戦前、ポーランドはイタリア、フィアット社のヒット作、小型大衆車フィアット508「バリッラ」のライセンス権を得て、国営PZInż.で生産を始めた。ノックダウン生産の508/Iに始まって、ポルスキ・フィアット508/IIIユナク(Junak、熱血漢またはヒーロー?)が量産された。

さらにはそれをベースに、軍用のオフロード・タイプ、ポルスキフィアット508/IIIWワジク(Łazik、オフロードカーの意)が作られて、各種バリエーションのベースとなった。

一方、508より車格の大きいポルスキ・フィアット518マズル(Mazur、民俗舞踊のマズルカ)も作られていたが、軍用小型オフロードカーの改良型として、508/IIIをベースに518のパーツを組み合わせて独自に開発されたのがポルスキ・フィアット508/518で、バリエーションには今回作っている電話線敷設車のほか、ピックアップトラックや無線車、あるいはボフォース37mm対戦車砲用牽引車のPZInż.302などがある。

車格としては508/IIIとほぼ同じで、ボンネット、フロントグリルも同じ。シャーシはちょっと違うらしい。あとはどこが違うんだろう。

F1031881●この508/518電話線敷設車は、508救急車よりも前にお手付きしていたのだが、組みかけの車体を別の場所に仕舞って長らく行方不明になっていた。それが先日、ストック漁りの途中で発掘されたため、改めて作り始めたというのが正直なところ。

F1031928箱にも袋にも入れずに放置されていた車体は、日に焼けた上に汚れが染み付いて茶色っぽく変色していて洗ってもちょっと汚い(笑)。

実は車体だけでなく、車輪も本体の組立説明図も行方不明になっていたが、車輪は組みかけの508救急車と一緒になっているのを発見(救急車に流用するところだったらしい。危ない……)。説明図は未発見だが、S MODELのサイト現行レジンキットの説明図がPDFで閲覧・DLできることが判った。手元のバキュームキットとはパーツ割やディテールに違いがあるが、逆にそれが参考にもなるので有難い。

F1031930●とりあえず車輌本体の予行演習を兼ねて、トレーラー部分を組んでみた。

この部分は手持ちのキットの組立説明図も残っていたが、DLしたレジンキットの説明図と比べてみたのが右写真。車軸の取り付けは、バキュームの方は単に箱の側面がベロになっているだけで、流石にそりゃあないだろうと思っていたが、レジンキットでは案の定、リーフスプリングになっていた。

ただし、背もたれ部分の取り付けは、実車写真を見るとバキュームのほうが正しそう。牽引用の「柄」の部分は両説明図で上下の向きが違うが、これもバキュームキットのほうが正しい。

F1031916F1031914実際の組立では、手すりその他の「枠」は金属線とエバーグリーンのプラ棒から。リーフスプリングはエッチングの枠とプラバンを重ねて適当にそれらしく作った。ただし場当たり的に工作していたら、車軸位置が下がりすぎ、車輪とフェンダーが空きすぎる位置になってしまったので、一度付けたスプリングをもいで、基部を削り、スプリングも若干平らに伸ばして付け直す羽目になった。

しかしこうして改めて実車写真と並べて見ると、各部「枠」の角のrが緩すぎた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

金環食とその他もろもろ

●昨火曜日の晩、当ブログの更新をほとんど書き終えたところでブラウザ(IE)がフリーズしてしまい、途中保存もしていなかったので全てオシャカに。とほほほ。

●21日月曜日。居ながらにして見られる世紀の天文イベント、金環食当日。しかし前日より天候怪しく、明方には本格的に雨まで降る。夜が明けてもどんより曇り。なんてこったい。

都内では晴れ間が出て観測可能などとデレビで言っているのを恨めしく聞きながら空を窺っていたが、7時過ぎくらいから、太陽のあたりでなんとか雲がむらに薄くなり、時折、雲のフィルター越しながら、欠けた太陽が見えるようになる。

7時半過ぎ、ちょうど金環食ピーク時には、ようやく太陽が見えるギリギリの雲で、おかげで肉眼直視でほぼ均一なリングになっているのが見られた。それはそれで貴重な見え具合だったのだと思うが、やはり何だか隔靴掻痒で残念。

なお、もともと曇って暗かったので、金環食になって薄暗くなる、というのが実感できず。一方で、逗子での食分(欠けの割合)は0.9648(市役所付近)だそうで、たった3.5%程度でもこれだけ明るいのかと、むしろ太陽の威力に感心する。

日食がすっかり終わった頃から天候が回復し始め、昼には晴れた。なんてこったい(再)。

●22日火曜日。なぜか朝から半端ない頻度で米軍機が飛び、誠にやかましい。

雨が降り雲が厚く低いので機影は見えないが、割と低めの空を飛び過ぎていく爆音が、下手をすると5分に1回くらいの割で聞こえる(見えないのに米軍機と名指しするのは、常日頃このあたりの上空を軍用の低バイパス・ターボファンを響かせて我が物顔に飛び回るのは米軍艦載機以外にまずないからである)。横須賀に空母の入出航でもあったか。

これで機影でも見えれば、飛行機マニアとしては「お。ホーネットのロッテか」(米海軍/海兵隊F/A-18の2機編隊の意。ただしロッテはドイツ空軍の用語)などと多少は気も紛れようというものだが、音だけとなるとますます気に障る。私が飛行機マニアのスタンダードかどうかはよく判らないが、いくらマニアでも間近にひっきりなしに爆音があって嬉しいのは空港見学とか航空ショーに行った折くらいではないかと思う。居候も三杯目にはそっと出すものだぞ。ちなみに何の気なしにロッテと書いたけれど、爆音からするとどうやら常に単機で飛行している模様。

以前にも触れたように、我が家の犬にとってジェット機の爆音は雷と同類であるため、一日中、ブルブル震えてハアハア息をし、避難する隅を求めて右往左往する哀れな状態。

ひっきりなしの爆音は、夜まで続いた。9時くらいまでだっただろうか。

●静岡ホビーショーは先の週末で終了したが、一般公開日に合わせた会場発表の隠し玉、といったニュースは特に聞こえて来ない。何かしらネタのある方はぜひご教示を。

その他、ホビーショー前後に流れたアナウンスの中から個人的に気になるものをいくつか。

▼ドラゴンは九五式軽戦車を出すそうで、ファインモールドのキットを持っている私としてもこれはちょっと欲しい。ちなみに私のFM社のストックは、ハセガワだったかのジャンク市で1輌分揃えたという、ちょっと罰当たりなもの。タイ陸軍にしたいというのが私の野望なのだが、手元に当時のタイ軍所属車の写真が2、3枚しかなくしかも不鮮明なのが困りモノ。

買うことは無いと思うが、38(t)のS型がびっくりだ。おそらく38(t)の中でも最もマイナーなサブタイプなうえにこれといって目立つ特徴があるわけでもない。生産数がそう多くないから配備部隊が限られるだろうが、「ここの部隊のこの塗装例が作りたいからS型じゃないと!」なんて需要がどれだけあるかなあ。

サイバー白箱で1tハーフの初期型が出たとき、「これが出るなら20mm対空自走砲の初期型もいずれ……」と思って我慢したのだが、とうとう出るようだ。しかもドラゴンブランドなので、サイバーより手に入れやすい。

▼ブロンコでSd.Kfz.263が出るのに驚き(とうとう231系列までバッティングか……)、ついで「ハンガリー軍のドラム缶・ジェリカンセット」にコケたのだが、その後、ズリニィIIどころかズリニィIの箱絵まで発表されているのをhideさんに聞いてますます驚く。

すでにハンガリー軍AFVがインジェクションで出るのに驚くのでなく、試作車やアクセサリーまで出ることに驚くことになるとは。なお、個人的には「よほど画期的か珍奇か、何かの弾みで実戦に駆り出されているか」でなければ試作車輌・試作機には惹かれないので、ズリニィIは興味の対象外。むしろタシュ駆逐戦車でも出たらちょっと欲しい(それでも35で作る気にはなれないかも)。

ちなみにドラム缶はズリニィIIのキットにも入っているので、要するに「カンニングタワー代わりに背中にドラム缶を立てて行軍中」のズリニィIIのためにパーツを起こしたのではと想像。

そういえば飛行機の新製品の話を(“ハッセ”ウィンドと“ニパ”カタヤイネンほかの、ハセガワ72ブルーステル「フィンランド・エーセス・コンボ」以外に)何にも聞いてないなあ。

●図書館から借りている宮部みゆき「おまえさん」を読む。まだ上巻の途中。下巻が控えているだけでなく、シモ・ヘイヘ(シモ・ハユハ)伝記の「白い悪魔」も未読。さらに近々有川浩の「ヒア・カムズ・ザ・サン」が来る予定。ギッシリだ。

なお、鎌倉の岬ならぬ「『鎌倉の碑』めぐり」はなんとか月曜の晩に読み終わった。

●森薫「乙嫁語り」第4巻を購入。

●たーさんのサイト「レジン組合」で新たに始まった非武装車輌コンペ「ヒブトラコン」向けのポルスキ・フィアット508/518をぼちぼちいじり始める。

そんな折も折、司龍氏がヤダール経由でポルスキ・フィアット508の一冊本を入手されたとかで、「Sモデルのキットを作る際の必需品となること間違いなし」と、妙にピンポイントなお薦めを書いていて大いにぐらつく。いや、ぐらつくどころか、買わねばなるまいて(ただし、現時点の必要性で言うと、508と508/518は関係はあるが別の車なので、508の資料に508/518まで出ているかどうかは不明)。

ついでにつらつら見ていると、クブシュの1冊本などもあってぐらつきまくり。

●へーっ。ビリケンさんって代替わりするもんだったのか。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

トルディの迷宮

●この週末は静岡ホビーショーの一般公開日/モデラーズクラブ合同展開催日で、モデラー仲間の多くが続々と静岡に集結中のはずだが、私は例年通りお留守番態勢。昔のように毎年当たり前のように静岡に行ける日はまた来るのかしらね的。

静岡に行った皆さん、土産話をよろしく。

●ようやく仕事も一段落したので、Mini Art Studio製のトルディをいじる。

このキットでは、ある程度の長さごとにまとめられた(もともと繊細な形状の)履帯パーツが非常に綺麗に成型されている。しかも各パーツにほとんど気泡がなく、車体や砲塔のエッジも綺麗なので、「なかなかスグレモノのレジンキット」というイメージを持っていた。

それだけに、近くインジェクションキットが発売されるからと放棄してしまうのは惜しく、とにかくバタバタ組んでしまえ!と思ったわけなのだが……。

F1031903▼前回延べたように、転輪類が(悪い意味で)手作り感満点で、円になっていない。外周だけの問題ではなく、中心部もいびつ。しかし一方で型ズレがあり、厚みも不均一なので、ガリガリ削る必要あり、削った結果は、ゴム縁の幅が不均一になる。右写真で、内外転輪間の軸部分が、表のモールドとかなり中心がずれているのも判ってもらえるだろうか。

削り作業が結構な手間であるうえに不毛感バリバリで、これではHOBBY BOSSの転輪がきちんと丸いだけで「傑作!」と言い出してしまうのではなかろうかなどと思ったりする。

▼起動輪も同じく円が出ていないうえ、穴の位置を合わせると歯の位置がうまく合わず、ようやく両方をなんとか合わせると外周のいびつさが合わず、位置調整に苦労する。ちなみにやたらに綺麗な履帯は、フェアリー企画のキットに付属するカステン製のもののコピーかもしれないと思っていたのだが、今回きちんと見比べたら、非常に似ているものの、Mini Art Studioのもののほうがピッチが広かった。

F1031907▼車体上面の開口部が砲塔に比べ大きすぎるのは前回述べた通りで、プラバンを内周に巻いて狭めたのだが、どうやらそもそも「砲塔自体が小さすぎる」らしいことが判明。……いやしかし、開口部だけ正しいサイズにするなんてことがあり得るかなあ。なお、キットの砲塔は、なぜか“A MAGYAR KIRÁLYI HONVÉDSÉG FEGYVERZETE”の中の、一回り二回り小さいノンスケールの図面にピッタリ合う。右はフェアリー企画のキット(上)との比較。

▼そんなこんなで、とにかく転輪をガリガリ削り始めたのだが、おそらく購入してから10年前後、我が家のストック棚で陰干し状態になっていたにも関わらず、ナイフを入れたりヤスリをかけたりすると、むせ返りそうになるほどレジン臭い。ウレタン生成のための2液の混合比がいい加減で、未反応の薬液が残っているのかもしれない。

そんな具合で、いじればいじるだけげっそりしてきたあげく、「短い人生、オレにはもっと他にやることがあるはずだ」という思いがにわかに強く湧き上がってきたので、再びしっかり箱詰めにした上で、ストック棚に収容することに決定する。つい数日前に、「今作らずしてどうする」と息巻いたくせに、情けないこってす。いやどうも済んません。

●というわけで、トルディに関してはHOBBY BOSSの発売をおとなしく待つのが建設的、というのが私の個人的見解となったわけだが、そのHOBBY BOSSのトルディの、ニュルンベルグ・トイフェアの時より詳細なテストショットのクローズアップが、フィリピンIPMSのサイトに出ている。

前回、バリエーション展開はどうなるか云々と書いたが、なんとすでにIIa型用、III型用の砲塔周りと車体上部のパーツが用意されていた(これまた、Mini Art StudioでIIaを作ろうという意気を挫かれた理由)。

肝心の出来に関してはまだ細かくどうこうは言えないが、ただ、ちょっと砲塔後面の「く」の字の部分のバランスが、下のほうが長すぎるような気がする。

……しかし楽しみだな。

●そんなマヌケな「作ろか止めよか」騒ぎの過程でのちょっとした考証。

トルディIとトルディIIは、コンポーネントが国産品に代わったのみで外形的には一緒とされているが、とあるサイトによれば(さらりと文章中に出てきただけで、出典も判らないのだが)、それぞれ登録番号が

トルディI:H301~H385
トルディII:H386~H490

だそうだ。その通りの記述は私の手元の資料に(ざっと見た限りでは)なく、それぞれ80輌・110輌とする生産台数と若干の食い違いがあるのも気になるが、おおよそのところは、“model és makett EXTRA”のキャプションでI/IIが分けられているところと合う。

なお、特徴的な「輪っかアンテナ」を持つのがI型で、II型は棒アンテナになっているという解説もあるのだが、どうもしっかり登録番号と対照できる写真が足りない。

Light01●両フェンダー上にある前照灯は、カマボコ状の保護カバー(上)のほか、もっと簡単な帯金製のガード(下)の場合もある。

生産時期と関係があるのかとも思ったが、どうやらI型かII型かに関わりなく使われている様子。それだけでなく、片側がカマボコでもう片側が帯金であるケースも多い。

その場合、どういうわけか右がカマボコで左が帯金のものが目に付くのだが、逆のケースもあるので、何らかの決まりがあるわけでもないらしい。……ぐだぐだな考証だなあ。

ちなみにIIaでは、車体前面中央の大型前照灯がなくなったせいなのかどうか、この両フェンダー上のライトが、カバー無しの背の高いものに替えられている場合がある。

●起動輪の表面、対称位置に2箇所にある、パイプを輪切りにしたような突起は、Mini Art Studio、フェアリー企画の両レジンキットでも、HOBBY BOSSの新キットでも再現されているが、これはどうやら、実車では付いていない場合のほうが多そう。何かのアタッチメントなのだろうか?

| | コメント (20) | トラックバック (0)

今作らずしていつ作る!

●現在やっている仕事が(ずるずる遅れつつも)何とか終盤を迎えつつある。

●そんなこんなで、その上がりを待ちわびているKさんと、先週、電話でやりとりをしていたのだが、図版の作成や資料の受け渡しなどで直接会って打ち合わせをすることになり、結局、14日の月曜日にわざわざKさんが大船まで来ることになる。

ついでに鎌倉をちょっとぶらついてみたいと言うので、こちらもついでに案内を買って出る。

F1031890●先日来の私の「のびる収穫の話」を聞いて、もともと酒飲みであるKさんは強く心惹かれているらしく、「のびるはもう採れないんですか」という。

「もう季節を外れていると思うんで、諦めてください」と答えたものの、まだ多少はなんとかなるかもしれないと、13日日曜の午後、我が宝剣エクスカリバーを手に出掛けてみた。

F1031895しかし、すでに目当ての「のびる群生地」は、イタドリが人の背以上に茂った藪になっていた。左は、私の目線の高さで水平に撮ったもの。

その合間を見ても、あれだけ生えていたのびるが、もうすでに枯れてしまった後なのか、所々にわずかに見つかるだけ。しかもそんなのびるもすでに花芽が伸びていた。やはり収穫はもう来春までお預け(秋から初冬の葉の伸び初めに採って食べる人もいるらしいが)。

●そんな行き帰りに見たもの。

F1031899F1031894我が家の玄関のブロック塀にいたやもり。猫にでもいたずらされたか、シッポが切れている。もうひとつはちょっと大き目のかたつむり。葉陰で休養中。

●そんなこんなで、月曜日。結局仕事も相変わらずずるずる状態で、徹夜でへろへろになりつつ、昼に大船まで出掛ける。駅中の喫茶店であれこれ打ち合わせ。

その後、またまた例によって私の最も気に入りのコースで、北鎌倉の円応寺から亀ヶ谷坂を越え、英勝寺、寿福寺を案内する。英勝寺は仏殿(本堂)修復中。藤が咲いているところが見られるかと少し期待していたのだが、GWをまたいで家に閉じこもっている間に、すっかり終わっていた。

F1031886ところで、英勝寺山門の裏手に、こんな「穴」があるのを初めて知った(山門修復中は行けない場所にあったので)。やぐらの中にさらに穴が掘ってあり、しかもそれが階段になっていて中に降りられる。

覗いてみても真っ暗なのだが思い切って降りてみたら、そのまま横手に出口があって抜けられるのだった。途中、横壁がまたやぐら状に掘られていて、そこに(だいぶ目が暗さに慣れないと見えないが)小さな仏像が置いてある。それが入口に書いてある「三霊社権現」であるらしい。やぐらの多い鎌倉でも、こんな凝ったものはちょっと珍しい。穴マニア(?)はぜひ行くべし。

●先日「バレマチコン」を開催したたーさんのHP、「レジン組合」で、今度は「ヒブトラコン」(非武装のタイヤ物限定コンペ)が開催されることになった。

10月までと、開催期間が非常に長期に渡るので、ちょっとは面倒なネタでもいいかもしれないと、S MODELの「URSUS Aトラック/TK輸送車型」か、同じくS MODELの「ポルスキ・フィアット508/518電話線敷設車」のどちらかで行くことにした。どちらもバキュームフォームの基本パーツ+レジンの小物という構成のキット。

F1031856F1031872●と、そんな身の程知らずな製作予定も入れている一方で、さらにその前に組み上げようと、こんなキットを掘り出してきた。香港、Mini Art Studio製レジンキット、トルディ。I/II、IIa、IIIのコンパチキットなので、砲塔が2種入っている。

ついにHOBBY BOSSからインジェクション・キットが出ることになり、しかも、その発売が刻々と近付いてきて、箱絵も発表になり、予約購入の案内が楽天の広告にさえ流れるようになって(はい、私のPCのブラウザでは、楽天の広告はそんなんばっかりです)、今作らねばきっと一生陽の目を見ずに終わる、と思ったため。

F1031855 長らく死蔵してあったのは、型の割れか何かで、砲塔の真ん中に横一直線に段差があって、それを直すのが面倒だったため。それ以外は非常によく出来たキットだと思っていたのだが、改めて出してチェックしてみると、転輪はいびつで全然円になっていないとか、なぜか車体の砲塔リング穴が大きすぎるとか、トホホな部分もあれこれ。魏晋南北朝時代の仏像か、それとも中近東のイスラム商人みたいな、どうもスタイルがアンバランスな車長フィギュアも素敵過ぎる。

前述のようにこのキットは3タイプのコンパチ。HOBBY BOSSのキットはとりあえず I 型(II型も同形)なので、こちらはIIaで作ってみようと思う(その後HOBBY BOSSからバリエーションが出る可能性もないわけではないだろうが)。もっとも I /II型もあれこれマーキングのバリエーションがあるので、結局同型に日和るかも。

ところで、トルディは I 型が80輌、II型が110輌生産されていて、後にそのうち80輌がIIaに改装されているはずなのだが、写真や動画を見ても I /II型ばかりで、IIaの写真は非常に少ない。本当に80輌も生産されたのか、なんだか疑わしくなる。それでも2、3枚は、おそらく前線部隊のものらしい写真を見つけた。

……う。そういえばフェアリー企画のトルディもあったんだった。

Hideさんのブログで知ったのだが、在日フィンランド大使館では、ついに「ツイッターの中の人」がストライク・ウィッチーズの原作者と対談をして、それを大使館の公式HPに載せる、という“荒業”に出た(笑)。

しかし、それはまあいいとして、「フィンランド大使館ツイッター」に、いつのまにか「フィンたん」という名前がついていたことのほうが驚きだ。フィンランド大使館が、フィンランド大使館が壊れていくよ……。

ちなみに、「うぽって!!」ではフィンランドの「ソコちゃん」が明らかな悪役で出てきますが、そのへんはどうなんですか。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

プラモデルの経年劣化

●前回載せ忘れた、9日に写した都心の変化2態。

F10318841点目は渋谷。

東急文化会館の後に何やらオサレな新しい入れ物、「渋谷ヒカリエ」というのがオープンしたが(右奥)、渋谷駅からの橋も架け替え中。左が、取り壊しを待つ古い東急文化会館時代の橋。そういえばこの橋を渡ると、東急文化会館の入口は右手にあり、真っ直ぐ行くとそのまま一杯呑み屋が何軒か並ぶ路地で、L字に曲がる突き当たりは本屋だった。

右の新しいほうの橋も鉄骨や屋根の様子など見ると、まだ本番の橋ではなく仮設のようにも見える。

東急文化会館の閉館は2003年、プラネタリウムがなくなったのはもう少し早くて2001年。ナウシカはロードショーで、東急文化会館に見に行ったような気がする。……うわ。もう30年近く前か。なお、「ヒカリエ」という新ビルの名称は「光へ」の意だそうだ。ひねりも何にもねぇな。

F10318822点目は神保町。

俎橋のたもとにあった九段下ビルは、周囲の作業用の塀も取り払われて、すっかり更地になってしまっていた。

ちなみに俎橋を渡った先の交差点横には、東日本大震災時に天井が崩落し死傷者を出した九段会館があるが、こちらは閉鎖されたまま、まだどうなるか何も決まっていないようだ。

●世紀の天文イベントとあって、5月21日の金環食の日の天気予報が気象協会から早々と発表されたが、それによると、関西から関東にかけては雨または曇りの可能性が高い由。見られなかったらがっかりだ……。

●「『鎌倉の碑』めぐり」もまだ読み終わっていないが、図書館から「白い死神」(ペトリ・サルヤネン著、アルファポリス)が届いた。「冬戦争」時のフィンランド軍の狙撃兵、シモ・ヘイヘの伝記。もともと図書館の蔵書にはなかった本なのだが(3月に出た新刊書なので、なくても当然だが)、ダメモトで頼んだら、なんと買ってくれた。たいしたもんだ。しかし、パンツァー・トラクツは買ってくれないだろうなあ。そういえば、グランドパワーだったかに「パンツァー・トラツク」って書いてあった。

なお、その後、かさぱのす氏からの情報によれば、千葉県市川市立図書館も「白い死神」を購入したことが判明。ここから考えるに、本書は地方図書館必須の蔵書として、各地の図書館が続々購入中であると想像。

なお、フィンランド大使館公式twitterによれば、「シモ・ヘイヘ」よりも「シモ・ハユハ」という発音が近いそうだ。フィンランド大使館には、近く発売されるハセガワ72の「B-239 バッファロー・フィンランド空軍エーセス・コンボ【2機セット】」についてもぜひコメントを出して欲しいものだ。

●息子は美容師の学校に通っていて来年卒業だが、このほどめでたく内定を貰った。もっとも卒業前に国家資格を取得できなければ内定取り消しだし、就職してからがまたまた厳しそうだ。

●先日は「建機のお宝/くず鉄」をお送りしたが、今度はチェコのサイトに上がっていた、やっぱり「人によってはお宝、でも普通の人には粗大ゴミ」な代物。1939年までのポーランド軍ファンしかときめかない、もしかしたら先日以上にピンポイントなお宝かもしれない。

というわけで、ポルスキ・フィアット621ボックスバン(おそらく救急車)……の残骸。

●ボロボロになった古物からの繋がりで。

先日来、ストック棚からの発掘物をしばしば紹介しているが、たとえばこの回に引っ張り出してきたバキュームフォームは、写真で判るようにどれも一部が黄褐色に変色している。

私は長年、ヘビースモーカーだったので、部屋の中のものは本だろうと模型だろうとかなり煙草の煙に燻されて変色していることがあり、これらもそうなのだろうと思ったが、そうではなく、もともと袋入りキットである上に半透明の収納ボックスに入れていたことから来る、樹脂の劣化によるもののようだ。

この部分をナイフで削ってみると判るのだが、変色した表面はもろく硬くなっている。表面だけのことなので、現時点で製作に影響が出るほどではないが、別のストック、ポーランドBROPLAN社製の1:72「FOKKER F.VIIb/3m」では、劣化部分がプラバンの中まで至っており、力を掛けるとパリパリ割れてしまう。ストックしてあった場所の条件の差なのか、それともメーカーによる使用プラバンのスチレン樹脂の細かい成分差によるものなのかは不明。

●「ゴミの種類」として考えた場合、一般に、自然素材はいつかは分解されて自然に還り、合成樹脂は分解されずに残るので厄介だなどといわれる。そのため、プラスチックはとても長持ちするものなのだとボンヤリ思っていたりするのだが、実際には、分解はされなくても、物理的性質については自然樹脂よりもむしろ格段に早く劣化するものであることに注意する必要がある。

もともと日本では、プラモデルは買ってすぐにパタパタと組み上げ、完成したらあとは崩壊するに任せるのみで、今日のようにじっくり時間を掛けて「作品」として仕上げるとか、そもそも買って長いこと作らずに死蔵するとかは想定していなかったはず。

古いプラモデルのストックの中では、ゴムタイヤやゴムキャタピラは劣化しているケースがしばしばあるが、このあたりは、歴史的コレクションとしてはどうあれ、スケールモデルとしては(再現度が低いために)あまり重視されない。箱は通常紙なので汚れたり破れたり潰れたりしていることは多い。とはいえ、プラパーツ自体の質が云々されることは今までまずなかったのだが、プラモデルが身近に普及し始めて約50年、そろそろプラスチックの劣化もあり得ることを気に留めておいたほうがいいのかもしれない。

もちろん、バキュームフォームのプラバンと、射出成型のプラとは、同じスチレン樹脂でも耐環境性能に差がありそう。また、通常のキットの場合、未組立のストックを野ざらしにしておくことはまずないから、条件としては劣化しにくい。私のストックのなかではインパクトの48古典機のキットがおそらく最も古く、40年くらい前のもののはずだが、インジェクションのパーツに今のところ変化はないようだ。

もっとも、最近のスケールモデルは使われる素材がますます増えているから、そのあたりも気を付ける必要がある。タミヤの新しい(接着可能な)軟質樹脂の履帯は、紫外線なのか、外気に触れることによる加水分解なのか、比較的早く劣化し、硬くなって割れることがあるという噂も聞く(私自身のストックや作品では、今のところ大丈夫のようだ)。接着剤、パテの種類も多く、完成した作品が、後に接着箇所や補修箇所でひび割れてくることもある。もっとも楽八師匠などはそのあたり割り切っていて、「作品が完成したその時点で形を保っていてくれれば、後は野となれ山となれ」だそうだ。潔い。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

岬めぐりのバスは走る(誤)

●しばらく前に、かみさんから、「(図書館に)『鎌倉の岬めぐり』っていう本が入ったけど、借りてくる?」と訊ねられる。

そもそも鎌倉は海に面した街ではあるが、岬となると、江ノ島のちょっと手前の小動(こゆるぎ)岬、とある武装集団が日本刀を海中不法投棄したことで有名な稲村ガ崎、それから鎌倉と小坪の間の飯島崎の3つしかなく、しかも半島の突端というわけでもないのでどれもちっぽけな岬である。山本コータローも歌にしづらい。

たった3つの小さな岬で本を一冊書けるんだろうかと訝しく思ったものの――実際には、鎌倉の岬は3つとも歴史物語と考古学的調査で結構書くことがありそうだが、それではどうもマニアックすぎる気がする。まあ、何はともあれ「いったいどんな本なんだ?」という興味もあり、借りてきてくれるよう頼む。

で、実際に借りてきた本を見ると、

「『鎌倉の』めぐり」(稲葉一彦、表現社)

「え? これ『みさき』っていう字じゃないの?」――偏も旁も合ってねえ! 強いて言えば図形として「田」が合ってるだけだぞ妻よ!

なお、旧跡案内の石碑は、特に大正年間から昭和初期にかけ、地元青年団だかが建てた共通様式の粘板岩の大きな石碑が、岬と違って鎌倉の街中にたんまりある。この本はそれを区域別にまとめたもの。段葛は鎌倉時代のものではなくもっと後世のものであるらしいとか、意外に基本的なところで知らないことが書かれていて勉強になる。岬については詳しくならないけれど。

●我が家の前の坂道の途中に、10センチ級の大きなムカデが2匹も轢死体になっていた。かみさんが言うには、反対側の道にも2匹、大きいのが潰れているらしい。もうこんなのがさまよい出る季節か。

●9日水曜日。午後に神保町の事務所のC社長から電話が掛かってきて、今日の会議はどうだといきなり聞かれる。いや。どうだと言われましても。メールボックスを覗いたら、確かに前夜に召集メールが来ていた。

もともと外出の予定はなかったが、夕方、雨がぱらつき始めた中を出掛ける。例によって会議の後、出席者皆で近くの居酒屋に移動して軽く飲み食い。そういえば、数ヶ月前にここでひっくり返って救急車で搬送されたんだっけ。……というのを皆からも散々言われる。

今回は別にひっくり返りはしなかったが、久しぶりの酒席はやたらくたびれた。

●「うずまきナルト」と「くわがたツマミ」は同系統の名前だなあ、と唐突に思う。

●トライスターの1:35、Pz.Kpfw.38(t) E/F型を久しぶりに引っ張り出してきていじっている。いやもう、我ながらなぜこうもとっかえひっかえ……。以下若干の、汎用性のない考証メモ。

車外装備の工具類は、ほとんどがベルト止めだが、右フェンダー前部のワイヤーカッター、オノは金属製のクランプで止められており、これだけがドイツ軍になってからの追加装備であることが判る。なるほど。

……と思ったのだが、すでにドイツ軍向けに作られ始めて数年経つのだから、工具類もクランプもまとめてドイツ軍式になっていてもよさそうなものだ。ちなみに38(t)の場合、工具の装着場所は部隊ごとの差も激しい(部隊ごとにフェンダー上に工具箱を載せている例が多いためもある)。

戦闘室左側面にはシャベルとつるはしが付くのが標準のようだが、スロバキア軍の場合、少なくとも1944年のスロバキア民衆蜂起時には、この部分には取り付けベルトの基部さえ付かないクリーンな状態らしい。一方で、右フェンダー後部、エンジンルーム横のインテイク直後に、上部が半円弧状の、何か箱かタンクかダクトのようなものが装備されている。たまたま一つの車輌が載せているのではなく、標準装備らしい。逆に、標準装備であるはずの後部の発煙筒収納箱は持っていない。

同時期のスロバキア軍車輌はE/F型でも装備はG型準拠で、ノーテク・ライトは車体側にあり、後部の誘導輪位置調整装置やエンジン始動用シャフト部はカバー付き。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

AVIATION USKという会社

●結局、ゴールデンウィークは、滞った仕事に向き合ってうんうん唸っているか、現実逃避でさらにストックの山の奥を漁っているかで、普段の平日よりもさらに外出しない、ほとんど引きこもり状態だった。

もっとも、特に用事もなく息抜きに出掛ける先といえば鎌倉程度だが、GW中の混みあった鎌倉はあまり近付きたい場所ではない。

結局、5日の深夜に夜食を仕入れにファミマに行った程度。さすがに5月初旬でも、2時過ぎだと星の配置は真夏の夜空で、南にはさそり座、天頂近くに「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」状態。ちなみに話題の「スーパームーン」は見なかった。

●三歳児の集中力ってスゲーな、という例。

「すまいるぷりきゅあわ、たのしいときをつくるきぎょう、わんだいと、ごらんのすぽんさーのべんきょうで、おおくりします」

まあ、覚えなきゃいけないものは覚えられず、どうでもいいものは覚えてしまうのは何歳でも同じかも。

●飛行機のガレージキットとしては、バキュームフォームは古い形態で、その後レジンキット、そして簡易インジェクションが登場し、現在ではバキュームフォームの新作キットというのはほとんど出ていないのではないかと思う。

しかしそんなバキュームフォームのなかでも、比較的新しく表面ディテールがシャープで、別途に小物も付属し、今でも「これならちょっと手間を掛けて作ってもいいかも」と思えるものもあって、前回紹介したのもそういった例のいくつか。

F1031871そして、さらに棚をゴソゴソしていて、またまた出てきたのがこれ。

AVIATION USKの72、1940年西方戦役時にオランダ空軍で使われていた爆撃機、フォッカーT-V。これまたレジンキット並みに丈夫な段ボール箱に、余裕を持ってパーツが入っている。

F1031870 バキュームフォームキットとはいっても、バキュームフォームのパーツは、キャノピー周りを除けば、胴体・ナセル・主翼の10個しかない(あとは床面やバルクヘッドなどもあるが、これらは単にプラバンとしての利用だ)。

あとはカウリング、エンジン、脚周りを含めて簡易インジェクション。バキュームフォームの飛行機キットでは、尾翼は削りシロが多く整形作業が面倒なのだが、このキットではそれも簡易インジェクションで用意されている。

しかも計器盤やシートベルトはエッチング付き。デカールは薄く変色もなく、非常に美しい。

もともとAVIATION USKはアメリカの会社だが、製品そのものは当初からチェコに開発と生産を発注していたようで、このキットも、バキュームフォームパーツのテイストも、放射状に整形された簡易インジェクションも、透明フィルムに印刷された計器付きの計器盤エッチングも、まさにMPM系そのまんま。残念なことに透明部品が黄変してしまっているところまでMPM系の特徴を示している(もっとも黄変の度合いは以前見たクラエアのRe2001ほどではないので、なんとか我慢できなくもないかも)。

●もともとAVIATION USKは簡易インジェクションの飛行機キットの会社で、後期に大型機に限って、このようなバキュームとの混成キットを出した。他にカプローニCa133なども同様の構成で出ていて、うーん、あれは買ったかなあ。買ったような、欲しかったけれど諦めたような、ちょっと記憶が曖昧。ボケとるな。

F1031863ちなみにフォッカーT-Vの箱のデザインは非常におとなしいが、もともとAVIATION USKの箱はどうしたわけかやたら派手で、例えば左のドルニエDo22も、紫とか黄色とか、黄色からオレンジへのグラデーションとか色使いが変で、書体も変。

しかも、単に色使いだけの問題ではなく、このDo22の箱には、もっととんでもない部分がある。

F1031860 それが箱横で、「組み立て不要!」(NO ASSEMBLY REQUIRED!)と大書してある。さらにその横に細かく解説があり、それが左の写真。大雑把に訳すと、要するに

  • これは史上初の「完全自動組立式」の1:72飛行機キットで
  • 単にボタンを押して待っていれば(ちなみに左端にちょっとだけ見えているオレンジの丸がその「ボタン」)、自動的に組みたてられ、塗装され、デカールも貼られて箱から飛び出してくる。
  • ちなみに待機時間は室温や月齢、購入者のIQやナスダックの株価指数などによって、2000年から1千200万年の幅がある。

……のだそうだ。

なお、このDo22のキットの出来自体はこちら

●USKはどうやら、本職をリタイアした老夫婦が(おそらくダンナの)趣味で始めた会社だが、このDo22が出る前後、web上に「もう歳だからやめるよ~ん。あとは悠々自適だよ~ん」みたいな宣言を出し、会社を譲り渡してしまった。このDo22のファンキーな箱は、その後継の若い連中の趣味かも。

しかし、事業継続を宣言していたもののその後確か新製品は出ず、さらにレーベル名がxoticに変わって(社名が変わったのか、製品の扱いを別会社に譲り渡したのかは不明)、それもしばらくして消滅してしまった模様。

(5月8日追記)

F1031874F1031875●模型棚のなかから比較的すぐに見つかったAVIATION USKのその他の箱入り小物キットを撮ってみた(わざわざ箱入りと言ったのは、同社初期のキットはモノクロ印刷のタグが付いた袋入りだったからである)。

ロゴザルスキIK-3の箱はまだおとなしいが、真ん中の98軽爆など、ほとんどハロウィーンの色使いとロゴの書体である。

ちなみにこの98軽爆は箱だけで中身がなかった。たぶん、カロアスだったかエアモデルだったかのバキュームの作り掛けと一緒にもう少し大き目の箱に入れてしまってあるはず……でもその箱はいったいどこ?

●後期、大型機のキットはバキューム+簡易インジェクションの混成キットだったと言ったが、サヴォイア・マルケッティSM.84はかなりの大型機にも関わらず主要パーツも簡易インジェクションだった。あれは「買うたやめた音頭」の結果、確かに買わなかった。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

埋蔵飛行機

●2日夜半に「大雨・洪水警報」が発令され、明け方にかけてざんざか雨が降る。

●仕事が進まないので、例によって(?)ストック漁り。

収納ボックスをかき回すと、「うわっ、これ、どうすんだ?」「こんなもん、いつどこで買った?」というキットがぞろぞろと出てきて、若干憂鬱な再発見の楽しみに耽る。

先日、バキューム時代最後期のMPM48のFw58ヴァイエを紹介したが、今回漁った収納ボックスの中からも、袋入りの小物のバキュームフォームのキットが出てきた。

おそらく、ストックを全てひっくり返せば数十のバキュームフォームキットが出てくるだろうと思うのだが、レジンキットや簡易インジェクションで新作が出てしまったものも多く、しかも古いバキュームフォームキットときたら小物は自作か流用、肝心の胴体や翼もへろへろだったりする。そうなると、余白をプラバンとしてリサイクルするくらいが関の山。

そんななかでも、そこそこ出来がよく、今でもまだ通用しそうなキットをいくつか。

F1031844●比較的良質のバキュームフォームキットを出していたエソテリック・モデルズの72、「ヴォートO2U-1コルセア」。

コルセアといえば逆ガルの戦闘機のF4Uと、戦後のジェット艦上攻撃機のA-7が有名で、A-7にはコルセアIIの愛称が付いているのだが、実際にはF4Uは3代目、A-7は4代目にあたる。

で、マイナーな初代コルセアがこのキット、複葉のO2Uで、この後にやはり複葉だがもう少し機体形状が洗練された2代目、O3Uがある。戦前、中国はO2Uの輸出型V-65C、O3Uの輸出型V-92Cを購入し、それぞれ「老可塞」、「新可塞」の名で日中戦争初期に使用している。

当然(?)、私としては中国空軍機として作りたくて買ったもの。バキュームパーツの表面はそれなりに細かく上品なモールドで、主翼のリブ表現は細い凸筋だけだが、悪くない。エンジンや車輪などの小物はホワイトメタルのパーツ入り。胴体支柱など用には、コントレールの翼型プラ棒が用意されている。今ではレジンキットもある機種だが、これならそちらに乗り換えなくてもいいんじゃないか、と思う出来ではある。結構印刷の綺麗な米海軍デカール入りだが、袋の中に密閉してあったにも関わらず、一部変色してしまった。どうせ使わないけれど……。

しかし問題は、中国空軍で使われたV-65Cと、このO2U-1の細部仕様の差がよく判らないこと。「抗日戦争時期(1937~1945)中國空軍飛機」(陳應明著、中國之翼出版社)によればV-65CはO2U-1の輸出型ということになっているが、少なくともラダーの形状は違う。本家のO2Uは、O2U-2で主翼スパン延長、O2U-3で尾翼形状変更などとなっており、V-65Cで主翼延長などの仕様変更も導入されているとかなりややこしいことになってくる。……というわけで、ある程度キットの出来はよくても、その辺が明らかになるまで手の付けようがない困ったちゃん。

F1031839 ●バキュームフォームキットといえば、ガラスなどに耐水ペーパーのシートを貼り付け、プラの厚み分を丁寧に削り落としてパーツを張り合わせ……というのが一般的イメージだが、これは普通の航空機キットの場合。

AFVのバキュームだと輪郭線で切り取って箱組みだったりするし、同じ航空機でも第一次大戦以前の古典機のバキュームだと翼が上面しかなかったりするという具合に、多少作法が異なってくる。翼が上面だけ、というのは、もともと翼が薄いので、プラバン1枚分の厚みで充分、という意味。もっとも実際にはそれでは若干厚み不足になる場合も多いようだ。

そんな古典機のバキュームが我が家には結構ストックされていて、そのうち結構まともな出来な一つが、このフェニックス・モデルズの72、「コードロンG.IV」。同機はコクピットを納めた胴体(と言えるのか?)は双発の両ナセルと同じくらいの長さしかなく、推進式でもないのに尾翼ユニットは骨組だけで支えているという、独特の構造。

その骨組と支柱は、上記エソテリックと同じようにコントレールのプラ棒から切り出せという指定で、数種のプラ棒がセットされている。とはいっても、コントレールのプラ棒はかなり柔らかいので、機体の大半を占める骨組をこれだけで作るのはかなり不安がある。

主翼は厚みのある前半と、まるきりぺったんこの後半という独特の翼形。前述のようにキットの翼は片面しかないので、前半は裏面をプラバンで補う必要がある。後半は裏から削り込んで薄くするか、あるいはいっそ、プラバンで作り直してしまうのも手かも。フランス、イタリアのデカール付き。

実を言うとコードロンに関しては、ほとんど同じ設計で単発のコードロンG.IIIの、複合素材の1:24、大物かつ難物のキットも作り掛けで所蔵している……あれもそのうちなんとかせにゃ。

F1031850 ●マニアックなラインナップの飛行機用デカールで有名なブルーライダーは、同じくマニアックなラインナップのバキュームフォーム・キットも出していた(おそらく今はもう出していない)。

そんなブルーライダーのキットを一つ。ネタは上記コードロンに近い、第一次大戦前半に使われたファルマンの推進式、有名なMF.11。もっとも私が入手してあるのは何故かそのイタリア生産型の「フィアット/サヴォイア・ポミリオF5B」。MF.11で充分な気がするのに、なんでさらにマイナー方面に転げるかね……>昔のオレ。

F1031847 デカールが主の会社だけに当然コレもデカール付き。小物はホワイトメタル、翼間支柱はコントレールのプラ棒と、キット構成は上記2キットと似ているが、もっとすごいのは、胴体の骨組部分と脚柱周りなどを厚手のエッチングで用意してあること。ちなみに胴体骨組にくっついている三角板部分は垂直安定板。うはははは。

しかし(上のコードロンも同様だが)混み入った構造の機体であるにも関わらず、説明書は3面図が載っているだけで、組み立て説明は簡単な文章だけ。どうしろと!

F1031845F1031851 このキットは、すでに主要パーツをざっくり切り出してあった。上下の主翼は右のような感じ。72でもそれなりにスパンがあり、もし完成させたら結構見栄えがしそう。翼表面のリブ表現は凸筋だけだが上品で良い。

水平尾翼だけは裏側も削りこんでみた。例によって翼のパーツは1枚式だが、水平尾翼はもともと厚みはないのでこのままでいいとしても、主翼は裏側にプラバンを貼って、多少厚みを増したほうがいいかもしれない。

……いやしかし、本当にいつかこれらを作る日は来るのか?

| | コメント (4) | トラックバック (0)

パック(2)

●ゴールデンウィークだというのに仕事が全然進まないので心休まる暇がないが、そんな話をしても誰も同情してくれないので模型の話。

F1031837先日ちょっと触れた、フジミ76のPaK40だが、マチルダの傍らで少しずついじっていて、現在はご覧のような感じ。

車輪はスポーク型を使うことにし、外周を少しやすった後で細切りのプラペーパーを巻いた。もっとも、今のところ色が違うのではっきり溝が見えているが、一番薄いプラペーパーなので、塗装次第では埋まってしまうかも。意味ねえ!

操作ハンドルは、元のパーツだと手前側のものはただの円盤になってしまっているのだが、何しろ何門分もパーツがあるのをよいことに、もう一門分からパーツを流用して挿げ替えた。

脚は取っ手だのなんだの手を入れる箇所が多いがまだ工作途中。現在は仮に何もしていないダミーパーツを付けてある。

●それにしてもESCIのマチルダといい、フジミのPaKといい、在庫を減らすことにほとんど寄与しない製作ばかり。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

屋根裏のマチルダさん(6)-塗装編

たーさん主催の「バレマチコン」は4月一杯で締め切り。

仕事も遅れに遅れていてキリキリ進めねばならないところだが、「いや、これも息抜きだから」みたいなことを心の中でつぶやきつつ、数日掛けてESCI72のマチルダを塗装する。……息抜きばっかりぢゃん!

F1031796 タミヤアクリルを吹いて全体塗装の後、(タミヤアクリルの細筆での筆塗りは非常にやりにくいので)タミヤエナメルのオリーブドラブで、「マルタの石垣迷彩」」を描き込む。途中で止めて間を置くと、描き方が違ってしまいそうな気がして、頑張って一気に全体をやり終える。耳無し芳一の全身に経文を書いた坊主の気分。

●マルタ島防衛に送り込まれた派遣部隊だが、結局地上戦闘は起きなかったので乗員も整備に余念がなかったせいなのか、特徴ある「マルタの石垣迷彩」が施された車輌はほとんどが汚れなく、迷彩塗装は少なくとも車体部分はくっきりはっきりしているものが多い。

石垣迷彩のマチルダの写真はインペリアル・ウォー・ミュージアムの写真検索に数枚引っ掛かってくるが、うち、演習場と思しき場所で撮った写真でスカートの下半分が土ぼこりで真っ白く汚れている例がある程度。

「冗談っぽい迷彩を、余り汚さずにちょっと落ち着かせ、ディテールは若干浮き立たせる」という、どうも私には高度すぎる命題を突きつけられたわけだが、結局のところ、おずおずと軽くアース系中心の墨入れとバフ系のドライブラシ、タミヤウェザリングマスターでのホコリ表現を行った程度で時間切れ。

●というわけで、30日、ほぼこの状態で「バレマチコン」掲示板に投稿。

F1031824 F1031825 F1031827 F1031828 F1031832

●改めて見ると、足回りに吹いた暗い色を完全に捨てずにバフを混ぜて吹いたので、車体基本色が暗めになってしまっている。もっとずっと白っぽいほうが「らしかった」かも。

車体横の緑の四角は、実際には「G・・・」のマチルダ1輌ごとの固有名称が書き込まれている場所だが、適当な迷彩パターンに合わせてもいい名称が判らなかったのと、そもそも約1mmの高さで綺麗に文字を書く技術など持ち合わせていないので、未記入。

●製作の過程では、web上であれこれ探した実車写真のお世話になったが、「matilda tank」で検索していて、激しく珍奇な改造車輌が引っ掛かってきた。

このページの中ほどに出てくる、「Matilda tank converted to a bulldozer」というのがそれ。

そもそもパッと見、およそ原型がマチルダであるとは到底思えないような変貌振りだが、よくよく気を付けて見ると、足回り部分に、装甲スカートの下半分が辛うじて残されていることが判る。5箇所開いている窓は、もともとのスカートの窓ではなく、その下のサス点検ハッチが外れたもの。履帯はマチルダ後期型がそのまま使われているようだが、誘導輪・起動輪は元の位置にない感じ。文章ではさらに改造箇所などを詳しく説明しているが、グラントやキャリアなどからもパーツを持ってきてあるらしい。面妖過ぎ。

サイト自体は、農機だの重機だのの資料を売っているオンラインの「本屋」のもので、そこが保有している実物コレクションを披露しているのがこのページなのだが、お宝と取るか、くず鉄と取るか、見る人によって両極端なものばかり並んでいるのがすごい。

なお、この「マチルダ改造ドーザー」の下の「Vickers Bulldozers」は、明らかにサンダーバードの「ジェットモグラ」ほかの足回りとして流用された模型のモデルになった車種。これを使って人が乗れるジェットモグラとか作るヤツはいないかなあ(いや、海外にはすでにやっている人はいそうだ)。

もっとも、ジェットモグラに比べてはるかに小型の車輌なので、これをそのまま使ったとしても、出来上がるのは1/3とか1/4とかのスケールモデルになる。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »