屋根裏のマチルダさん(6)-塗装編
●たーさん主催の「バレマチコン」は4月一杯で締め切り。
仕事も遅れに遅れていてキリキリ進めねばならないところだが、「いや、これも息抜きだから」みたいなことを心の中でつぶやきつつ、数日掛けてESCI72のマチルダを塗装する。……息抜きばっかりぢゃん!
タミヤアクリルを吹いて全体塗装の後、(タミヤアクリルの細筆での筆塗りは非常にやりにくいので)タミヤエナメルのオリーブドラブで、「マルタの石垣迷彩」」を描き込む。途中で止めて間を置くと、描き方が違ってしまいそうな気がして、頑張って一気に全体をやり終える。耳無し芳一の全身に経文を書いた坊主の気分。
●マルタ島防衛に送り込まれた派遣部隊だが、結局地上戦闘は起きなかったので乗員も整備に余念がなかったせいなのか、特徴ある「マルタの石垣迷彩」が施された車輌はほとんどが汚れなく、迷彩塗装は少なくとも車体部分はくっきりはっきりしているものが多い。
石垣迷彩のマチルダの写真はインペリアル・ウォー・ミュージアムの写真検索に数枚引っ掛かってくるが、うち、演習場と思しき場所で撮った写真でスカートの下半分が土ぼこりで真っ白く汚れている例がある程度。
「冗談っぽい迷彩を、余り汚さずにちょっと落ち着かせ、ディテールは若干浮き立たせる」という、どうも私には高度すぎる命題を突きつけられたわけだが、結局のところ、おずおずと軽くアース系中心の墨入れとバフ系のドライブラシ、タミヤウェザリングマスターでのホコリ表現を行った程度で時間切れ。
●というわけで、30日、ほぼこの状態で「バレマチコン」掲示板に投稿。
●改めて見ると、足回りに吹いた暗い色を完全に捨てずにバフを混ぜて吹いたので、車体基本色が暗めになってしまっている。もっとずっと白っぽいほうが「らしかった」かも。
車体横の緑の四角は、実際には「G・・・」のマチルダ1輌ごとの固有名称が書き込まれている場所だが、適当な迷彩パターンに合わせてもいい名称が判らなかったのと、そもそも約1mmの高さで綺麗に文字を書く技術など持ち合わせていないので、未記入。
●製作の過程では、web上であれこれ探した実車写真のお世話になったが、「matilda tank」で検索していて、激しく珍奇な改造車輌が引っ掛かってきた。
このページの中ほどに出てくる、「Matilda tank converted to a bulldozer」というのがそれ。
そもそもパッと見、およそ原型がマチルダであるとは到底思えないような変貌振りだが、よくよく気を付けて見ると、足回り部分に、装甲スカートの下半分が辛うじて残されていることが判る。5箇所開いている窓は、もともとのスカートの窓ではなく、その下のサス点検ハッチが外れたもの。履帯はマチルダ後期型がそのまま使われているようだが、誘導輪・起動輪は元の位置にない感じ。文章ではさらに改造箇所などを詳しく説明しているが、グラントやキャリアなどからもパーツを持ってきてあるらしい。面妖過ぎ。
サイト自体は、農機だの重機だのの資料を売っているオンラインの「本屋」のもので、そこが保有している実物コレクションを披露しているのがこのページなのだが、お宝と取るか、くず鉄と取るか、見る人によって両極端なものばかり並んでいるのがすごい。
なお、この「マチルダ改造ドーザー」の下の「Vickers Bulldozers」は、明らかにサンダーバードの「ジェットモグラ」ほかの足回りとして流用された模型のモデルになった車種。これを使って人が乗れるジェットモグラとか作るヤツはいないかなあ(いや、海外にはすでにやっている人はいそうだ)。
もっとも、ジェットモグラに比べてはるかに小型の車輌なので、これをそのまま使ったとしても、出来上がるのは1/3とか1/4とかのスケールモデルになる。
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コメント
うわ!!
このクズ鉄屋のサイト、最高ですね!
もう、画像見てるだけで心臓バクバクしてしまいます。
マチルダの足回りも、リアルジェットモグラも、こりゃ堪りませんです!
いつもながら、いいこと教えていただいて感謝です
投稿: よしおかきゅう | 2012年5月 1日 (火) 08時49分
(笑)
ほんとだ、ソレのすぐ下にリアルジェットモグラ(の下半身)がっ!
ロードローラーとかトップハムハット卿の仲間たちもいっぱいだぁ。
サンダバ育ちの親父も
トーマス育ちの息子もこのサイトなら大喜び!!
投稿: donji | 2012年5月 1日 (火) 09時23分
>きゅうさん、donjiさん
絶対に、1つ増えるたびに奥さんに
「アンタはまた何だか判らないくず鉄を買い込んできて! どうするつもりなのよ、あんな大きいの!」
とヒステリーを起こされるコレクションですよねえ。
オリジナルの状態の維持という観点からはそれもありなのかもしれませんが、レストアしようという気も全然ない感じで錆びだらけのまま放置されているのも、「普通の人には巨大なくず鉄」感を盛り上げています。
自分でも欲しいかっていうと微妙ですが(笑)、こういうのを好きなだけ買い込めるっていうのはロマンですなあ。
投稿: かば◎ | 2012年5月 1日 (火) 12時31分
バレマチコンお疲れさまでした。
昔からヘンタイ車両大好きでしたが、このコンテストでますます好きになりました(^_^)v
今後ヘンタイ道(笑)のご指導お願い致します。
イタリアの戦いは気になっていました。
マルタ島の戦いのこのカモフラージュ塗装は、前からやって見たかったなぁ~ それをいとも簡単に72で凄いです。
今度挑戦してみたいです。
では、またお邪魔しても良いですかね?
投稿: kazu128 | 2012年5月 1日 (火) 19時15分
>kazu128さん
いらっしゃいませ。「バレマチコン」ではお世話になりました。
どういうわけか、去年はダイムラー装甲車(バンダイ48)、今年に入ってからはマチルダII(ESCI72)とイギリス軍車輌ばかり完成させていますが、もともとは東欧小国軍などが趣味の中心です。
未完成の品でいうと、例えば
http://kabanos.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/wz297-04c6.html
とか、
http://kabanos.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/vanatorul-de-ca.html
とかが私の趣味のど真ん中(普通に見れば暴投)です。
ますます怪しい方面になってしまうわけですが、ぜひ今後ともお付き合い下さい。
投稿: かば◎ | 2012年5月 1日 (火) 19時32分
>お宝と取るか、くず鉄と取るか、
お宝です!お宝です!いいなあ、土地と金欲しい。あと永遠の寿命(出来れば愛らしい女子高生の体でな!)すいません、興奮しました。
投稿: みやまえ | 2012年5月 1日 (火) 22時26分
「愛らしい」と「女子高生」は両立するのか……。
投稿: かば◎ | 2012年5月 1日 (火) 23時05分
>ますます怪しい方面になってしまうわけですが、ぜひ今後ともお付き合い下さい
私もご一緒いたします(笑)
今後怪しい車両についてご筆問等いたしますので、
宜しくお願いたします。
投稿: kazu128 | 2012年5月 2日 (水) 21時47分
お疲れ様です。
マルタ迷彩って一生に一度位はやってみたい気もしますが、ミニスケだと却って大変そうです。しかるに35でもマチルダやバレンタインとなると、描きこむ量が多くてやっぱり大変そう。
バルカンのビッカース軽戦車辺りが妥当かなぁ。
投稿: hide | 2012年5月 2日 (水) 22時49分
>kazu128さん
>>今後怪しい車両についてご筆問等いたしますので、
怪しい車輌に関しても知識はだいぶ偏ってますので、お答えできるかどうかはネタ次第ですが……。
>hideさん
ビッカーズ軽戦車は、マルタ迷彩の鮮明な写真が何枚か残っていますし、大きさも手頃でいいですね。しかし表面が結構入り組んでいそうなのがちょっとなあ。
もう少し楽なのだと、ユニバーサル・キャリアという手もあります。もっとも塗装以前にカステンの非可動履帯を繋げるのが面倒、というのはありますが。
これに関しては、飛行場で3連以上の爆弾トロリーを引っ張っている写真があり、ちと惹かれています。
http://natureonline.com/37/7-ops-tour.html
もっとも爆弾トロリーは35では出ていないでしょうし(72と48では出ているらしい)、量産自作は面倒だし……。
そうそう、ティリーだとキットも新しいし、かわいいし、この塗装も似合いそうだし、いいですね。戦時中のマルタ迷彩写真がなかなか見つからなかったのですが、ようやくありました。
http://www.modelbouwleuven.com/resources/Reviews/blurbs/Tillycolours/TillyColours%20%287%29.jpg
投稿: かば◎ | 2012年5月 3日 (木) 18時16分
>ティリー
あ~、その手がありましたか。装甲車輪より細かい凹凸が少なくとも、おあつらえ向けですね。
珍しくSKPとタミヤと両方在るんで、一台はコレ、もう一台はRAFの青塗装で並べるのが面白そう。
投稿: hide | 2012年5月 6日 (日) 00時48分