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Büssing NAG

●先日来話題のBüssing NAGだが、そういえば同じくトイフェアでHOBBY BOSSから発売発表されたハンガリーのTordi軽戦車もエンジンはBüssing NAG製だった。どうしてなかなか渋く存在感を示しているメーカーである。

調べてみると、Büssing NAGはもともとバスやトラックを主とするドイツの大型車メーカーで、創業は1903年、ブラウンシュヴェイク。日本で言うと、おそらくいすゞとか日野とかふそうとかのイメージだろう。

読みは、Büssingは「ビュッシング」でいいとして、NAGは「ナグ」?「ナク」?

ちなみにこのNAGの「AG」は、ハノマーク(HANOMAG=Hannoversche Maschinenbau AG/ハノーファー機械株式会社)やデマーク(DEMAG=Duisburger Maschinenbau AG/デュイスブルク機械株式会社)などと同じく、日本の「株式会社」にあたる「Aktiengesellschaft」の略のAGなのかと思っていたら、実はそうではなく、1934年に買収合併した「Neue Automobil Gesellschaft(NAG)」(新自動車社、とでも訳せばいいのだろうか)という会社の名前をくっつけただけだった。

●さて、前説はそんなところで、次の4車種の見分け方の続き。

Büssing NAG 500S
Büssing NAG 500A
Büssing NAG 4500S
Büssing NAG 4500A

前回書いたように、4500は、AだけでなくSも、500に比べてもともと“腰高”に作られているようなのだが、よくよく見ると、それでも、4500Aのほうが4500Sよりやはりさらに高くなっているようだ。

Bussingバンパー上辺~ボンネットサイドパネル下端~キャビン下端のラインを前輪と比べると、だいたい右図のようになるのではないかと思う(あくまでも『だいたい』そのあたりを通るというだけで、正確にそこだというわけではない)。

つまり、4駆で前輪にもデフ+ドライブシャフトが付くA型の場合は当然高く、500も4500も前記のラインはほとんどタイヤの上にある。なお、500Aは他とはボンネットの傾きが全然違うので見分けやすい。

一方、500Sはキャビンが最も低く、ホイル部外周くらいの高さにラインが来る。実車写真では、横に人がいればドア窓と人の顔が同じくらいの高さ。

4500Sはそれらの中間くらいにラインが来る。なお、前回の書き込みに対し、hideさんから

(4500では、500に対して)フロントウィンドウの下端からボンネットまでの長さが、後者の方がキャブが上がってる分だけ長い

というコメントを頂いたが、この場合、漠然とボンネット上面を見るより、ボンネット脇のサイドパネル上端のリブとフロンドウィンドウ下端の間隔を見るほうが判りやすいかもしれない。ボンネット上面の厚みが4500のほうが厚く、ボリュームがある。なお、このためおそらくキャビンも500Sより4500のほうが上下幅があって、そのため先のラインと前輪との関係以上に、500Sより4500Sはキャビンが高く見える。

また、これもhideさんから教えていただいたことだが、前輪が自由回転するSと駆動されるAとでは当然車軸との接続が違うので、ホイル中心部のキャップ形状が違う(図の赤の矢印部分)。Sは半球状に盛り上がっているが、Aはぺったんこ。

●しかしこうしつこく話をしていると、「かば◎は余程ビュッシングが好きらしい」と思うかもしれないが、実を言えば別段そういうことはない(だいたい、“余程好きな人”なら最初からさくっと見分けるポイントを知っていそうだ)。そもそも2社からビュッシングが出ると聞いて、しかしその種類の見分けが付かなくて“ワジワジ”してしまって放っておけなくなったというだけが理由。

そもそも先日書いたキューベルワーゲンの年式が判れば、まだそれで写真の時期推定に役立つなどの実益にあるだろうが、ビュッシング500~4500の写っている写真などそう大量にはないし、昔腹丁青木氏が言ったことを真似すると、将来いきなり強盗に襲われて「Büssing NAGの500Sと500Aと4500Sと4500Aの見分けがつかなければ撃つ!」などと言われることもなさそうだ。

と、そんなことを考えているうち、ふとBüssing NAG 400というのの写真を見たら……

うおおおおおぃ、500Sとの見分けが付かねぇよ!(泣)

ちょっとこの、車種ごとにデザインを少しは変えるとかいうことを考えないメーカーに何か言ってやってくれ。

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コメント

>500Sとの見分けが付かねぇよ!(泣)
(*^-^)バンパーとフェンダーの間に隙間が無い、のが識別点だと例のKfz der Wehrmachtには書いてますね。で350ってのもあるみたいで、そうなるともうホイールベースがちょっと長いとか、そういう相違しかないんでしょうなぁ。ココ、ハノマクss100みたいな装輪トラクターも作ってて、それもボンネットからキャブから同じようなデザインですが、一目で自社製品だと判ってもらえるのが大事なんでしょうね。

ところでこうなると次に知りたいのはフィンランド軍使用車の塗装とマーキングだという気がするのですが如何?確か、すとるみさんと抱き合わせで購入した奴がパローラにも残ってた記憶がありますが(クレーン車だったかも)、流石にアンドレアスさん所にも載ってないみたい。

投稿: hide | 2012年2月 9日 (木) 13時03分

>ボンネット上面の厚みが4500のほうが厚く、ボリュームがある。

なるほど!よ~くわかりました♪

>キャビンも500Sより4500のほうが上下幅があって、

キャブ自体は同じで、位置が高いだけのような気もするんですが、どうでしょうか…。

先日、私のブログに載せたベンツ4500のSとAの比較画像で、Aの方がバンパーの位置が高いのには気が付いていたんですが、製作上の誤差(!)かと思ってました(笑)。

投稿: TFマンリーコ | 2012年2月 9日 (木) 20時37分

>hideさん

あっ。フィンランドも使ってるんでしたっけ。
ってことで、慌てていろいろ画像検索をかけてみましたが、出てきませんでした。
何やら、フィンランドの4500は後ろにでかいボックスルームを載せた「ワークショップ型」もあるそうで、なかなか魅力的ではありますが、うーん、本当に塗装とマーキングがネックですね。

特にフィンランド軍の場合、直接戦闘するAFVの場合は敵味方識別のために丹念に独自迷彩にしていますが、前面に出ない補助車輌の場合はそのまま放っておかれたりしている可能性もあるので要注意です。

一方、ハンガリー軍が使っている500だか400だか、それも明らかに民間からの徴用品で、グリルだのウィンドウ周囲だの、クロームメッキのピカピカなビュッシングの写真を見つけたのですが、これまた何しろ鼻先しか写っていない上に、ニヤニヤしているハンガリアンなおっさん3名が、たっぷりその鼻先を隠してくれているので、悩ましさ爆発です。

400と500の識別、なるほど確かに400は鼻先が短そうです(というよりも車輪+フェンダーに比べて全体が小さめなのか)。

>TFマンリーコさん

ううむ。確かにベンツ4500も、Aのほうが若干シャーシ位置が高いですね。

ビュッシングの500Sと4500Sのキャビン全体の高さ問題ですが、もちろん、私の手元にもちゃんとした寸法や図面があるわけではなく、写真を見てテキトーなことを言っているわけなので、ハズレの可能性はもちろんあります。

ただ、500はドア下端=キャビン下端なのに対して、4500のほうはドアの下がまだあるので、その分上下幅が大きい可能性もありそうです。

投稿: かば◎ | 2012年2月 9日 (木) 21時28分

>4500のほうはドアの下がまだあるので、その分上下幅が大きい

う~ん、そのとおりですね!
違いがわかってくると、500のSとAと4500は買わなくては…ってことになって、いいんだか悪いんだか(笑)。
でも、ビュッシング4500って、オープントップとか6輪(!現地改造?)なんていうのもあるみたいで、その気になればいろいろ楽しめそうです。そんなに作ってるヒマないですけど。

投稿: TFマンリーコ | 2012年2月 9日 (木) 23時21分

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