再び白河の関越え
行き先は浜通りの相馬市と南相馬市。始発の1本後で逗子を出て、新宿駅でO氏の車に拾ってもらう。原発のせいで海岸沿いは交通が遮断されているため、ひたすら東北道を北上し、福島西インターで降りて山越えをする。
前回福島大学に行ったときもそうだったが、中通りは目に見える地震の傷跡はあまりないものの、浜通りに向けての山越えの道は現在も各所で工事中。現時点では、損傷した光ファイバーの補修が多く、次いで路面の舗装の補修という感じであるようだ。
●相馬市も市役所のある中心部は特に被害は目立たないが、海に近付くと、一面に泥田が広がっている。瓦礫の撤去はほぼ終わったものの、農地の再生はまだ時間が掛かりそう。
車で走っていくと、津波が到達した境目の部分は、ほんのちょっと段があって高くなっているとか、そんな「紙一重」で、片方は荒地、片方は金色に稲穂が実っていたりする。もっとも、実っていても、原発の警戒区域に近いこのあたりでは、出荷できるかどうかは怪しい。
●相馬市での用事を終えて南相馬に移動。途中の道路沿いの草地に、見える範囲で20隻近い漁船が転がっているのを見る。
もちろん草地といっても、実際には耕作されないままでいる田畑なのだが、一見(あくまでも一見)のどかな中に、本来そこにあるはずのない船がゴロゴロしているのはシュールだ。ロシアやウクライナの大平原での戦車戦の後、というのを連想した私は不謹慎かもしれないが、まあ、とにかくそれくらい現実離れしている。
回収して海に戻せればそれに越したことはないのだろうが、もとが田畑では、地面が軟弱で大型の回収用トレーラーやクレーンなどはおいそれと入れられないはず。いっそ、ミルの大型輸送ヘリでもチャーターして吊上げるほうが楽かもしれないが、実現性は薄そうだ。もちろん、海に戻せばそのまま使えそうな船だけではなく、(おそらくFRPの)船体が舷側部で大きく割れてしまっているものなどもある。また、目立たなくても船底にヒビでも入っていたらもう使い物にならない、ということもあるのかもしれない。
●南相馬での用事も終え、激しく高い放射線量を記録したことで有名になった飯舘村を経由して山越え。途中2度ほど迷うが、なんとか東北道にたどり着く。深夜帰宅。
●西尾維新「鬼物語」。出た途端に買って読了。一言叫んでおこう。
はぁちくじぃぃぃぃぃぃぃいいいいいっ!
●塩野七生「ローマ人の物語」新潮文庫版、第43巻読了。全巻読了、ということでもある。だらだら読み続けてきたので途中の内容はだいぶ忘れてしまったが、それでも毎号毎号(というイメージ)面白かった。個人的には、勃興期からカエサルあたりまでと、「別冊」的位置付けの「すべての道はローマに通ず」が特に。
●MINTIAの新味、「ハニージンジャー」を買って食べるが、……寿司のガリ、それもスーパーのパックの寿司に付いて来るベタ甘のガリの味に似ていた。
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