BT-42の重箱の隅(7)
●若干の進捗状況。
まあ、元がドイツ戦車ほど入り組んだディテールを持っているわけではなく、キットも至れり尽くせりなので、基本は自己満足の世界。
戦闘室上面は前半だけ溶接されていて、側面装甲板との間は溶接されていない。
側面装甲板は、(キットではリベット列があるが)実車ではボルト止めで取り外せるようになっているらしい。もっともサススプリングもサスアームも、側面装甲板まで取り外さなくても交換できるように作ってある気がするので、なぜそこまでする必要があったのかよく判らない。
車体側面の第2転輪用サススプリング調節用台形パネルは、内側に一段プラバンを貼り増し、対応する車体側面板は削って、はまり込んでいる断面を再現した。
後部では、トランスミッション上の水平部と、後面の斜めの装甲との間には溶接跡がある。車体前半もそうだが、戦前の車輌だし装甲も薄いので、ソ連戦車とはいえ溶接跡はごくおとなしい。
また、側面のフィンランドで増設された装甲箱との間にも溶接線がある。ちなみにこの装甲箱、おそらく最初に引き渡された702号車のテスト中のものと思われる極初期の写真では装着されていない。
ところで、前述のように側面装甲板はボルト止めで外せるようになっているらしいのだが、箱を溶接したらもう外せないんじゃ……いや、フタを開けたら隠れたボルト全部にアクセスできるようになっているのか? それとも、「もう、こんなとこ外さねえよ」というフィンランド人の判断?
●「重箱の隅」4回目に書いたギアケース部分は最終的にこんな感じに。
リベット列が左右で色が違うのは、向かって左は先述のようにカステンのJS履帯の不要パーツから取ったが、右はこのキット自体の、側面装甲箱に隠れる部分から取ったため。
本当のことを言えば、別々の所から取ってくると大きさが微妙に違っているかもしれないし、プラの色が違うとその判別もしにくいので、こういうことはしないのが真面目なモデラーってものである。いやまあ、そもそも目立たない部分だしさ。
●車体最前部の誘導輪基部周りは、ちまちまと余計な工作をした。
車体側の円筒形の部分は鋼板を曲げたパイプなので裏面に溶接ラインを入れ、外側は鋳造部品なので接着剤を塗って表面を荒し、接合部ももう少し溶接っぽく見えるようにしてみた。
さらにその外側には忘れられている段があるので追加。
第1転輪サスのダンパーは、キットでは三角板パーツ(B27、28)と一体になっているが、実際にはB15、16にくっついているものなので、そう見えるように追加工作。ダンパーと向き合う第一転輪サスの「ひざ」の部分も少しだけいじった。また、写真ではごく僅かに見えているだけだが、第一転輪サスの付根の車体の出っ張りには、グリース用と思われるボルト頭があるので、これまた先述のカステンJS履帯で余るボルト頭を貼った(実際にはもう一回り小さいほうがよかったと思うが、どうせ見えない)。
このあたりは、オリジナルのBT-7では大きな前部フェンダーの裾に隠れてしまうので、ほとんど追加工作の意味はない。フェンダー改装のために多少は見えるようになったBT-42だからこそのワンポイントおしゃれのようなもの。
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