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BT-42の重箱の隅(5)

●砲塔関係をちょこちょこと。

・フィンランド軍AFVは、結構律儀に、前後左右に上からと、5方向から見て敵味方識別ができるように国籍マークのハカリスティをベタベタと描き込んでいる例が多い。

そりゃまあ周り中、AFVがヌッと出てくればソ連軍である可能性が高いのだから、自軍AFVはものすごく判りやすくしておかないといけないのだ。

そんなわけで、BT-42も、もしかしたら天井にもハカリスティがあったりしないだろうか、などと余計なことを考えたりする。しかし、描かれているとすれば最も可能性が高いハッチが写っている写真、撃破された19号車(Ps.)、スヴェトゴルスクでのパレードの9号車(R)ではハッチ表面に何も描かれていないことが確認できる。……ならわざわざ書くなよ、と言われそうだが、まあ、こうやっていろいろ気になって調べるのがまた楽しいんですよ、みたいな記録として。

・砲塔上面前方の台形のハッチ(パーツF18)はせっかく別パーツになっているし、戦時中の実車写真ではここが開いている写真も多いので、ちょっと開きたくなる感じ。

ハッチの下は、キットではただ窪んでいるだけで、そのまま開いていいものかどうかちょっと不安になるのだが、よく見ると、窪みの突き当たりの面にまた僅かな窪みがある。

Tur02キット同梱の資料リーフレット表の最下段に砲塔内の写真があり、このハッチ下の砲塔内側部分も写っている。どうも構造がどうなっているのか判りにくいのだが、たぶんこんな風だったんだろうと描いてみたのが右のポンチ絵。

要するにハッチを開けた際の表面形状はほぼキットの通りで、窪みの突き当たりにペリスコープが付いている。赤で示したのがハッチの開閉アームで、円弧状のアームはハッチ左右端に付き、下端は左右が連結されていて(つまりコの字状になっている)、中央やや外側寄りに取っ手がある。この取っ手を青の矢印方向にカッチャンカッチャン動かしてハッチを開閉させる。下に突き出した黄色い円弧のパーツはアーム作動用のガイド。ここに開閉のストッパーか何か付いていそうだが、限られた写真では詳細不明。

ペリスコープ後方のオレンジは、おでこを当てる部分。キットのリーフレットにある現存実車写真では、ペリスコープ本体は取り外されている。

・砲塔の数箇所に付いているピストルポートだが、若干悩ましいのが左前方の斜めの面に付いているもの。かさぱのす氏も言及しているように、これはパロラの車輌(8号車)では向かって左にピストルポートの装甲栓が、右に尖頭ボルトがあるのだが、どうやら19号車や12号車では配置が逆のようだ。……どっちかにしろよフィンランド人!

ちなみにこの手の装甲栓式のピストルポートはオリジナルのBTその他、ソ連戦車でお馴染みのもので、栓の先には溝が切ってあり、装甲板に差し込んだ後、その溝にフックを引っ掛けて止める仕組みになっている。BT-42の装甲栓横の尖頭ボルトは、このフックの回転軸のものと思われる。なお、同様のボルト頭はBT-7の1937年型傾斜砲塔には見られないが、35年型の砲塔にはある。

Tur032右図はBTの砲塔のもので、黄色が装甲栓、水色が回転軸、赤がハンドル。フックは上から引っ掛ければよさそうな気がするのだが、なぜか下から噛ませる仕組み。ハンドルの先端におそらくバネが仕込んであって、ピストルポートの孔の脇に溶接した横向きU字の金具の溝にパッチンとはまって止まる。右の絵は歪んでしまったが、本来、回転軸と装甲栓中心とハンドルの中心は一直線。

さて、仮にBT-42の装甲栓とボルト頭の関係が生産順に関係しているなら、栓の位置が初期が向かって左、後期が向かって右ということになりそうだが、何しろ号車が判って栓の位置もわかる、という写真が少なすぎる。

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コメント

>>装甲栓横の尖頭ボルトは、このフックの回転軸のものと思われる
→塗装やナンバリングもそうですが、もとより生産数が少ない上に一貫性や順序の脈略がない…「右にあることがある」「左にあってもよい」「むしろ無くてもよい」…こうなると「内側で何か(些細なモノ)を留めている(だけの)ボルト」ということで、その考察結果には同意見(ということでワタシは落ちついてます)。
 「オリジナルBTのモノを流用した」「見様見真似で自作したら左右反転しないと具合悪くなってもた」「邪魔臭いから内側にフックで留めるだけにしてまえ!」とか、車両(の製造担当者)によってピストルポートの構造がマチマチなんでしょうね(よぉ知らんけどな!)。

 それよりワタシは砲塔後部左右の四角い箱(タミヤンF-19と-20)が気になってます。 何か(外から中のモノを)回転させるようなハンドルが付いているワリには、(覘視孔かと思ったが)上下左右に開口部はないようで…。

投稿: かさぱのす/かさぴー | 2011年8月 9日 (火) 19時52分

>>それよりワタシは砲塔後部左右の四角い箱(タミヤンF-19と-20)が気になってます。

アレについては私は今んところまるっきり未検証なんですが、位置的に観音開きの砲塔後面ハッチのストッパーか何かだと思ってました。今外で仕事中なのでテキトーに言ってるだけですが、帰宅したら写真をひっくり返してみようと思います。しかしあそこのクローズアップなんてあったかな……。

投稿: かば◎ | 2011年8月 9日 (火) 20時22分

 そーいえば、(こないだ見つけてセータ☆さんちで話してたスオメン掲示板のBT-42スレのことなんですが)BT-42砲塔内部の最近の写真で「(8号車のピストルポートは)オリジナル・ソ連製の流用」であることが判明したのをすっかり失念しておりました!

 ところで謎パーツ(不器用になったのか老眼の脅威が迫りつつあるのか、ワシが取り付けに苦労したパーツ!)の写った写真を「巣」のBBSに貼り付けさせてもらいましたわ。

投稿: かさぱのす/かさぴー | 2011年8月 9日 (火) 23時19分

写真有難うございました。
その他ネット上のあれこれ写真と比べても、一番のクローズアップ写真ですが……いやあ、これ見ても(他を見ても)構造や仕組みは全然判りませんな!(笑)。

ただ、「おそらくハッチのストッパー」という先の推察は間違っていないのではないかと、改めて思いました。

よくよく見ると、この謎部品、左右で位置に違いがあって、左のパーツの方が、右よりもわずかに外側にあります。後面ハッチは、左扉が右扉にかぶさる形でわずかに幅が広いわけですが、両パーツとも、ちょうど扉を全開したときの位置と合致するようになっています。

あの外側に付いているレバーを回すと、内側から何か突起が出てくるとか……というのはあまりに都合のいい想像ですが(笑)、あの取っ手みたいなのを内側に差し替えて留めるとか……。

ぜひまたパロラに行ったら、よじ登ってあの取っ手をいじってみて下さい(なんだあの日本人は、という視線を浴びつつ!)。

ところで、セータ☆さんちの掲示板で話題になっていた「はしゃぎすぎ車内写真」、私も掲示板で読んで早速見に行っていたのを忘れてましたよ!

なんだよー。しっかり写ってるじゃないですか、件の装甲栓の車内側。しかも

>>「(8号車のピストルポートは)オリジナル・ソ連製の流用」

とのことですが、ロック機構、「上から掛けるタイプ」じゃないですか! うわー。わざわざ35年型の機構のポンチ絵描いてバカみたいだー。

えーと、オリジナル・ソ連製の流用というのは、ロック機構も含めてなんでしょうか?(つまりロック機構が上からになったこと自体がソ連での変化?)

投稿: かば◎ | 2011年8月10日 (水) 09時56分

 「オリジナル・ソ連製の流用であることが判明」…って断定した書き方してしまいましたが、単に「あ、おんなじカタチしてる!」と思っただけのことでして(~~;)…ロック機構もソ連での変化も詳細はまったく存じません(だから「知らんけどな」って言うたやん!(←おい))。
 ひょっとしてまた「(オリジナルだけど)分解してまた組み立てたら裏表が逆だった」「マネして作ったら左右反転してもーた」とかいう可能性もなきにしもあらず?(眠れない夜がますます眠れない)

 次の機会には「F-19&20の謎レバー」を回してみたいです(あぁ…これからもまだ行く気なんだ)。
 そういえば以前一度、ヨメにBT-42の砲塔へメジャーを当ててもらおうとしたところ、フェンダー上のジャッキ留め具に手を掛けてよじ登ろうとしたので、「そんなトコに体重をかけてはイカン!」と怒って止めたことがある(→怒るトコそこ?…旦那にこういう怒られ方するウチのヨメは幸せモノ!)。

投稿: かさぱのす/かさぴー | 2011年8月11日 (木) 19時07分

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