« ほらほらこれが僕の骨 | トップページ | 白河の関 »

五穀豊穣

F1030368 ●九段下の交差点角にある牛丼屋。牛丼屋にカレーがあるのは別に不思議でも何でもないのだが、とはいっても、

牛丼専門店

と書かれた直下に

牛丼とカレーの店

とあるのは、やはり何か釈然としない。

●先週初めは何やら日教組系のイベントがあったらしく、神保町界隈は右翼街宣車がえらくガーガーと煩かった。「子供の教育をー、ナントカがー、ナントカでー」とがなっていたが、はっきり言って、他人の迷惑顧みず大音量で街宣車を転がす輩が子供の教育を云々するのも余計なお世話というものだ。

●K女史による、「右翼の街宣車にありがちな漢語スローガン」の例。

五穀豊穣とか、そういうやつ」

……いや、たぶんないんじゃないかな。

もっとも瑞穂国の国土を愛するのであれば、むしろあって然るべきスローガンのような気もする。

●これだけ連日暑くても、まだ夏本番の気がしないのはセミの声が聞こえないからだよね、というような話を事務所の仲間や家人ともしていたのだが、週末に梅雨明け宣言が出たとたん、まだ合唱ではなく鼻歌程度ではあるが、聞こえてくるようになった。

というわけで夏本番到来。

●昨年ようやく夏の大三角のどれがどれだか判別できるようになり、ククク、今年のオレは一味違うぜ、と臨んだ七夕だが、たまたま当日夜は曇って星が見えず。

ところで牽牛(わし座のアルタイル)、織女(こと座のベガ)はそれぞれ夏の大三角の2頂点であり、つまり夏の大三角は伝説のカップルに白鳥座のデネブが割り込んだ壮大な三角関係である。……といういい加減な説を捏造中。

●K女史に「割とその辺でよく見掛ける、腹の付け根あたりが明るい黄緑色?のトンボ」の名前について聞かれる。

ありふれたトンボというならシオカラトンボ/ムギワラトンボにアカネ系、ちょっと下ってギンヤンマあたりと思ったのだが、どれでもないという。実際、どれも腹の付け根だけ明るいなどという特徴に当てはまらない。

どうも謎のまま終わりそうな気配だと思ったのだが、1日2日してK女史自身が、「ちょうど俎橋のところで行き倒れていたので拾ってきた」という。虫がたかるといやなので、下の植え込みに放置してある、とのことで確認してみると、確かに腹の付け根部分だけ2節ほど、ドイツ機の味方識別帯の如く明色である。

それにしても、これが「よく見掛けるトンボ」のうちなんだろうか? と思っているうち、またもやK女史自身がネット上で答を見つけて教えてくれた。名称はコシアキトンボ、市街地ではシオカラトンボなどよりむしろポピュラーであるらしい。し、知らなかった……。

F1030372 ●自宅近くでもしかしたら今年初?のアカボシゴマダラを目撃。だいぶ大型の個体で、普通サイズのアゲハ(ナミアゲハ)に近い大きさ。

チョウも種類によって警戒心の強い/弱いがあるようで、以前に取り上げたウラギンシジミの場合、カメラをかなり近づけても泰然自若としているが、アカボシゴマダラはあまり落ち着いて撮らせてくれない。今回こうして撮れたのは割と珍しいのだが、それはたまたま、この個体が若干ヨタヨタしていたため。

特に羽に傷等も見当たらなかったので羽化したての個体なのかと思ったのだが、その後調べてみると、白黒の羽で白が勝っているのは春型、黒が勝ち気味なのが夏型である由。というわけで、だいぶお歳を召した春型である可能性大。

とはいっても白過ぎるといえば白過ぎるし、名前の由来である後翅の赤班もほとんど見えず、本当にコイツはアカボシゴマダラなのか、と思わないでもない。が、逗子近辺にいる白黒系チョウで、これだけ目立つヤツはアカボシゴマダラ以外にちょっと思い浮かばない。

●森見登美彦「四畳半王国見聞録」読了。中の一編に、「四畳半神話体系」の面々もチラリと登場する。お馴染みのヒロインは今回、「お饅頭が大好きなのです失礼」と言いつつ饅頭をがふがふ頬張っていたが、その名前を思い出せずワジワジする。

しばらくして思い出した。明石さんだ。

ついでに畠中恵のエッセイ「つくも神さん、お茶ください」を読み、どうでもいいことだが奥付で今頃になって「はたなか・めぐみ」ではなく「はたけなか・めぐみ」であることを知る。

そのままずるずると、イヨネスコの「授業」が収められたアンソロジー、新・ちくま文学の森14「ことばの国」を読み始める。真ん中あたりに収録された「授業」を真っ先に読んでしまったのだが、他も面白い。

|

« ほらほらこれが僕の骨 | トップページ | 白河の関 »

かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事

コメント

そう、梅雨明けしたと思ったら、途端に聞かれるようになりました、セミの声。
仰る通り、急に夏になったような気がします。
うるさい声ですが、無いと寂しいものです。

ウチは葉山の山寄りなのですが、
今年は鳴き始めがヤケに遅いし
その数もまだまだ少ない気がします。
これもやっぱり何かの影響でしょうか?

投稿: (む) | 2011年7月12日 (火) 21時31分

六根清浄というスローガンはどうでしょか?

あと、五臓六腑とか、七転八倒とか、色々と考えてみましたが、「ロッコンショージョー」と街宣車にガーガー言われるのが、一番ダメージが大きいかとww

投稿: つんきち | 2011年7月12日 (火) 22時09分

>(む)印さん

ああ、やっぱり今年は遅めですか。何となくそんな気もしていたのですが、昨年の日記ではセミの鳴き始め等書き残していなくて。

加えて、今鳴き始めているのはニイニイゼミだと思うのですが、去年あたりのおぼろげな記憶では、同じくらい早かったはずのヒグラシがまだ聞こえません(今日、福島まで出掛けた帰り、那須野塩原あたりで聞きましたが)。

ただ、気候変動的なところはどうあれ、ニイニイゼミは湿気がある土中で育つので、街なかの公園などでも繁殖できるアブラゼミ等に比べ分布を狭めているらしいです。

>つんきちさん

ろっこんせーじょーろっこんせーじょー。

いやいや。そこまでいくともう右翼じゃなくて修験道系の新興宗教団体ですって(笑)。まあ、我々的には、街宣車がガーガー言って通り過ぎていくよりも、ガーガーが通り過ぎていくのを眺めていたいものです。

投稿: かば◎ | 2011年7月13日 (水) 00時48分

K女史に「ろっこんしょーじょー」だと訂正されました。

投稿: かば◎ | 2011年7月13日 (水) 13時25分

蛙鳴蝉噪なんかどぅ?

投稿: はほ/~ | 2011年7月13日 (水) 20時28分

ガーガー。Redio GAGAのガガってなんなのフレディ(ロジャーか)?
いやそれより
しょーじょーばえのしょーじょーってなんだろう?

ともあれ若いチカラが詰まってそうな街宣車なんですが
急遽某被災地に赴きウンヌン、汗を流してたカンヌン、って
さっぱり聞かないような希ガス。気のせいだろうなぁ。
白髪のロケンロールおじ(い)さんが石巻で
石巻!ロックがロールの街!つってトラメガで唄ってたのには
感動したけど。しかもよく聞くとPower to the People だったし!

仙台、なんか今年はみょーに暑いっす。

投稿: donji | 2011年7月14日 (木) 19時46分

>donjiさん

ショウジョウバエのショウジョウは、やっぱり例の大きな赤猿の「猩猩」なんだろうなあ、とは思ったのですが、ミニサイズのハエと大赤猿とに何の関連性があるのかまでは思い浮かばず。

ってわけで調べてみたら、「酒好き」という繋がり、というか連想ゲームなのだそうです。

まーしかし、神保町界隈は何かというと街宣車が来るんですが、右翼として、皇居や靖国神社もすぐ近くにあるところでガーガー騒ぐってのはどうなんでしょね。

投稿: かば◎ | 2011年7月17日 (日) 00時12分

 街宣右翼は右翼の評判を貶めるために某国人らが主体となってですね…、とネトウヨ的なことを言ってみたり。まぁでも、彼らの主張をなぞれば今の政府なんて格好の標的のはずなんですが、そうなってないところを見るとさもありなん、と思ってしまったりもしますよ。

投稿: KWAT | 2011年7月18日 (月) 13時52分

>くわっちん

それを言うなら、ありがちないわゆるネトウヨ的言説というものも聞いたり読んだりしていてゲッソリしてしまうものが多く、おそらく今残っている民主党支持の結構な部分がアレに拠っているんじゃないか、と思ったりします。むしろ民主党が好きで好きで敵役を買って出てるダロって感じ。

しかしまたまたそれを言うなら、ことあるごとに墓穴を掘っているように思える今の民主党中枢部自体、実は揃って自民党なり何なりの工作員だと思わないとツジツマが合わなくなりそうな。

まあ、ガーガー言ってる右翼は昔からそうですけれども(いや、そのへんは右左関係なくですが)、結局のところ罵倒したり揶揄したりするばかりで、それが政治意識が高いことだと思い込んでいる方々が、最近やけに多い気がします。

投稿: かば◎ | 2011年7月18日 (月) 16時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 五穀豊穣:

« ほらほらこれが僕の骨 | トップページ | 白河の関 »