« facebookを始めた | トップページ | 東京近郊小都市の非日常 »

東北地方太平洋沖地震

●被害の大きかった仙台近辺に住んでいる知人といえば、まず心配なのはdonjiさんなのだが、本日12日になり、かさぴー経由で、

「自宅は壊れたらしいものの、奥さんの実家に家族全員で退避している」

との情報が入ってきた。もちろん家が壊れたとなると大事なのだが、とりあえずご本人、ご家族の無事は何より。

近隣のいしぐりんも無事だったようで、mixiの日記に本人からの書き込みがあった。よかった。

●私自身の行動記録。

昨11日午後、パソコンに向かってあれこれしているところで揺れ。もちろん最初の大きな地震発生時刻は14時46分頃と発表されているから、それからわずか後ということになるのだが、大きな揺れが始まってすぐに「ぶちっ」とパソコンの電源が落ちてしまい、さらに本棚を押さえていたので、時間をしっかり確認したのは3時近くになってからだと思う。

ちなみに私の部屋での落下物は、結果的に、本棚の上に雑に積んであった雑誌(GIS NEXT 31号)が1冊落ちてきただけ。滅多にない大きな揺れだとは思ったが、立って本棚を押さえていたくらいなので、「せいぜい3か4だな」と、その時に思った。

揺れは大きかったが鋭くはなく、停電も起きていたので、「遠くで大きな地震だな」と思ったのだが、何しろパソコンが使えないと一気に情報遮断状態。停電のためテレビもつかず、手元にラジオもなし(後から出てきたが壊れていた。防災体制なってない我が家である)。

携帯で実家等、連絡を取ってみようと思ったが、どこにも通じず。ただしメールは使用可で、公民館にいたかみさん経由で「宮城で震度7」「東京で5」などの情報が伝わってくる。さらに市の防災放送で津波の警報が流れる(最初から大津波警報だったのか、最初は津波警報でしばらくして切り替わったのかはよく判らない)。

逗子駅前に買い物に出ていた娘は直後に帰宅したが、地震発生時にちょうどバスの中にいたとかで、地震があったこと自体を知らないという暢気な状態。停電していることに驚き、帰宅後しばらくしてあった余震で初めてオタオタする。息子はバンドの練習で出掛ける予定らしかったが、ぐずぐずして出掛けるのを遅らせているうちの地震だったので、帰宅難民になることを免れた。

さりとて、パソコンも付かず、電話も通じないのでは取り立ててすることもなく、結局のところ、工具箱を持ち出して1、2日前から調子が悪い玄関のドアをいじる。とりあえず普通に開くようにはなったが、応急処置なのでいつまで持つか不明。

夕方早めにかみさんも帰宅。停電が長引いているため、まだ明るさが残っているうちに(傷みかねない食材を優先して)夕食。やはりすることもないのでベッドで居眠りをしていたが、かなり頻繁に余震・誘発地震あり。

8時過ぎくらいにようやく停電より復旧。

●2階の私の部屋は、棚にはまったガラス戸やパソコンのディスプレイの揺れで、比較的小さな地震も敏感に感じ取れる。今12日になっても余震、誘発地震がしばしば感じられる状態が続く。こんなに広い範囲で起き続けることってあるんだなあ。

●11日夜や12日になって、ようやく各地の被害が明らかになりつつあるが、志津川や気仙沼では津波や火災で市街が壊滅状態になっている様子。細かく入り江と岬で集落が孤立しているリアス式海岸では、実態が掴めていないところも多いはず。

志津川が津波に飲まれる様子の動画がweb上に上がっていたが、津波に全体が飲み込まれる直前の町で、まだ走り回っている車などが写っていた。波から逃げ切れたようには見えず、どうなったか気になる。

●兄から、「(千葉の)コスモ石油の爆発で有害物質が飛散し雨に混じって降ってくるので外出の際はカッパなどを持ち歩き雨に触れないように……(中略)……コピペしなるべく多くの人に伝えて云々」という注意喚起のメールが来たので、慌てて、それはパニックを煽るチェーンメールの類なので広めないようにと返信を打つ。

直後に娘にも、しばらくしてかみさんの携帯にもそれぞれ別の人からほぼ同文のメールが来た。ちなみにメールに記載された最初の情報出所は、私のところに来たものは「コスモ石油工場勤務の方」となっていたが、娘のところに来たものは「コスモ石油にお父さんが勤めている友達」、かみさんのところに来たものは「知り合いがコスモ石油に勤めている人」だったとのことで、それぞれ少しずつ違っているのが興味深い。

Cosmoちなみにコスモ石油の爆発については、右のような公式発表あり(チェーンメール防止目的なのでスクリーンショットを掲載してもウルサイことは言われないと思う)。もちろん疑い深い目で見れば、LPGの爆発だったとしても周辺にその他化学物質はあっただろうし、爆発でそれが巻き上げられる危険性も当然あっただろうとは思うのだが、だからといって出所も曖昧な未確認情報で右往左往するほうが危ない。

同様のものでは、福島の原発事故関連でも、

  • 原発事故で放射能漏れが起きているらしいとの前提で、
  • 知り合いのお医者さん情報で、
  • ヨード(ヨウ素)を大量に摂ると放射能が身体に吸収されないので、毎日海藻を食べるように。
  • 今回はチェルノブイリより酷い事件らしい。
  • チェルノブイリの時にも(救援物資として)日本から海苔が大量に送られた。
  • 皆も危機感を持って、このメールを周囲の人に転送するように。

というのが出回っていて、早速不安になった友人M君から電話が来る。

情報出所が曖昧で、「らしい」「ようだ」で不安を煽って、広めるよう促している点で、典型的チェーンメールの文法だと思うし、チェルノブイリに海苔が大量に送られたなんていうのは初耳だ、と答える。

実際に送られたことがあるのかどうか、「チェルノブイリ 海苔」で検索してみたら、このメールを転載してあるブログ等ばかりがヒットした。海藻を大量に食えって、ワカメ問屋の回し者かってーの。いや、ワカメの味噌汁は美味いからいいけどな。

ちなみに海藻にヨウ素が多く含まれるのは本当らしいが、昆布などに比べ海苔のヨウ素含有量は非常に低いらしい(兵庫県立衛生研究所のレポートによれば、昆布のヨウ素含有量が1gあたり1.2~1.9mgであるのに対し海苔は0.01~0.015mg)。また独立行政法人国立健康・栄養研究所のサイトで見ると、イワシの重量当りヨウ素含有量は昆布の1/500程度なので、むしろ海苔よりイワシのほうが高い。ロシア人やウクライナ人が食べそうにない海苔よりもイワシを送ってやれよ……。

もちろん、福島の原発が爆発事故まで起して深刻な事態なのは確かだが、それならなおさら確度の高い情報を待ちたい。だいたい、放射能がざんざか降ってきたとしても、家に目張りして半年もこもっていられるわけでもなし。

上の2通に関して言えば、まかり間違ってもビニール合羽が売切れるとか増えるワカメを食い過ぎてお腹がはちきれそうになるとか程度で済みそうだが(一説にはヨウ素の過剰摂取で身体に不具合が出る、というのもあるそうだが)、携帯電話のメールにSNSにtwitterにと、「口コミ」情報の伝播力が半端じゃない時代だけに、もっとヤバイ情報に煽られないよう注意が必要であると思う。

|

« facebookを始めた | トップページ | 東京近郊小都市の非日常 »

かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事

コメント

皆さんご無事で安心しました。
コスモ石油には友人も見事に引っ掛ってました。
なんでこういうみんな不安な時に
ああいう邪悪ないたずらを思いつきますかね。
引っ掛った本人が一番傷つきますね。

投稿: みやまえ | 2011年3月13日 (日) 19時49分

基本的に、チェーンメールを回している人たちは善意からですからね。

夕べから今日にかけて、かみさんの携帯にはあちこちから何回も来たそうです。

投稿: かば◎ | 2011年3月13日 (日) 22時14分

こんなときにこんなの送るかね?

私は被災地の人から直接きましたけど、チェーンメールとして出回って、情報の少ない被災地の人に届いたら真剣になるでしょ。

たいがいにしてほしいもんです。

投稿: 怒人 | 2011年3月14日 (月) 02時03分

>怒人さん

まあ、基本は回って来ても繋げないこと、間違えて引っ掛かって回してしまったら、なるべく早めに訂正することですね。まあ、訂正もトラフィックを圧迫しかねないのが微妙ですが。

投稿: かば◎ | 2011年3月14日 (月) 17時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東北地方太平洋沖地震:

« facebookを始めた | トップページ | 東京近郊小都市の非日常 »