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掘出し物

●先日、川崎の実家で冷凍の茹でミミガーをひと袋貰ってきた。ひと塊に冷凍してあって小分けに出来ず、どうしたものかと思ったが、ネットで調べると意外にいろいろメニューがあり、ここ数日はミミガー三昧(もっともいくらか近所に分けた)。

シンプルなのももちろんいいが、今回試した新メニュー中のヒットはミミガー入り焼きそば。

週末模型親父さんのところで48AFVのミニコンペみたいなものをやろうという話が持ち上がり、以前、トラックのコンペでポルスキ・フィアットに手を付けて結局完成せずに情けないことになったので、(身の程知らずにも)汚名返上を期してエントリーする。

P1020205c もちろん、主眼は在庫減らしにあるので、ごそごそと屋根裏倉庫を漁り、48ストックを探す。そんなこんなで出てきたのが右の品々。

屋根裏のホコリで箱はひどいことになっているが、一応、中身は無事だった。昔懐かしいバンダイ・ヨンパチ・シリーズなのだが、実際には“純正”バンダイは一番上のダイムラー装甲車だけで、2番目の88mmFLAKは中国フーマン、3番目のベンツは韓国アカデミーからの再販品(ただし正確には、ベンツは純正バンダイでは発売されずに終わった)。

どちらも別にパチモンではなく、バンダイからの金型流れ品であるらしい(ただしフーマンは金型の管理が悪かったそうで、フーマンレーベルのものは時折バリが出ている)。フーマンの88mmもパーツ枝のタグには「Bandai Plastic Model」の文字があるし、アカデミーのベンツに至っては、「Bandai Plastic Hobby MADE IN JAPAN」とある。単に横着して文字を消していないのか、日本で成型して輸出していたのかは不明。

いずれも、(その当時は)35のインジェクションキットがなかったアイテムということで何となく手に入れていたもの。ベンツL3000はその後イタレリから出たが、イタレリのものはオペル・ブリッツのシャーシにベンツのキャビンをかぶせた「なんちゃってキット」とのことなので、インジェクションキットではなおこのバンダイ48が最もまともかも。箱を開けて調べてみたら、ベンツは荷台を、ダイムラーはボディを一部組んであった。88mmはビニール袋も開けていなかった。このほか、48はフーマンのKVと、確かT-34も持っていたような。まあそのあたりは新キットがあるので、今さらアレな感じですが。

週末模型親父さんのところのミニコンペは3月スタート予定なので、それまでにどれを作るか決めるつもりだが、いや待てよ、48といえばタミヤのシトロエン11CVも持ってたな、最終的にあれに逃げる手もありだな、と今思った私はすでに結構後ろ向き。

●そんなわけで、久しぶりに屋根裏倉庫に昇ったのだが、すでに自分でも存在を忘れかけていた怪しいキットが、ホコリだらけの箱の堆積の下からあれこれ出てきて、「そうか、オレはこんなに変で面白いキットをこんなところに隠し持っていたか」(←ばか)と、文字通りの掘出し物に喜んだり、一方でいつ作るんだと途方に暮れたり。

先日hideさんが話題にしていたウクライナ製のD-8装甲車のキットも出てきたし、スーパーモデルも一山出てきた。いや、ホントにどうするんだコレ。

P1020218box ●ついでの掘出し物紹介その1。旧ソ連、アガニョーク製1:30ソユーズ。

粗悪なボール紙の大きな箱は、山の下になっていたのでひどい有様に。ホコリをぬぐったら、粗悪な印刷のインクも多少一緒に剥げて、ますます素朴な絵に。

実はこのアガニョークというレーベルは1:30のリモコン戦車も出していて、そちらはずいぶんオモチャっぽい出来だったのだが、このソユーズは箱絵の印象をいいほうに裏切って、中身のキットはなかなかシャープ。しかもでかい。

P1020215body 本体のみを仮組みしてみたのが左の状態で、何だかフェズ(トルコ帽)をかぶったこけしみたいだが、この左右に太陽電池(……なんだろうなあ)のパドルが付く。上下左右ともおよそ30cm。

P1020208astro 中央モジュール(くびれの下の釣鐘型)の向こう側には2ヶ所の窓があるが、透明パーツも非常に透明度が高い。その窓を通し、コクピット内に座る2名の宇宙飛行士が見えるようになっている。もっとも、宇宙飛行士はなんだかメソポタミア文明の出土品のような感じでちょっと怖い(笑)。

一方パドルはどうしても厚めで、しかも裏側は網目部分にいくつか押し出しピン痕がある。パドルはもっと華奢な感じに作り変えたいような気もするが、もっともそうなると、製作中から完成後まで、たぶん何かの弾みにすぐ壊れる大ウィークポイントになるはずで、それを思えばキットのパーツを活かすのが平和な気もする。

P1020211inst01P1020212inst02 そもそもディテールアップを図るにも、説明書は左のように、退廃した西側資本主義者を見下すが如くスパルタンなもので、塗装説明すらない(仮にロシア語で一言二言触れられていたとしても判らない)。

だいいち、ソユーズは40年以上使われていてその間改良を繰り返しているわけだが、このソユーズは(ソ連時代のものなのは判るが)いつの、何という形式のものなのか、説明書からはよくわからない。

あちこち調べて、このページに行き当たる。キットに含まれる(メソポタミア出身の)宇宙飛行士が2名であることから、どうもアポロとドッキングした、「アポロ・ソユーズ・テスト計画」の機体であるらしい。改めて見ると箱絵も機首(?)部分が開いている。もっともキットはその部分がトルコ帽になっているわけだが、これはドッキングモジュールのフェアリングなんだろうか。

Bundesarchiv_bild_101i244231103 ●先のバンダイのベンツL3000にもちょっと関わる話題。wikimedia commons / Bundesarchivの画像をあさっていて出てきたのが右の写真で、“Ostfront-Süd.- Rückzug von Rumänien nach Ungarn, deutsche und rumänische Soldaten auf LKW; PK 695”というタイトルが付いている。荷台に乗っているのはルーマニア兵らしいし、ボンネット上の縞はルーマニア国旗かもしれない、という点でなかなか面白いのだが……。

いくつかのサイトで同じ写真を見ることが出来て、例えばOldtimers picture galleryではこれをL3000に分類している。

ラジエーターグリルやキャップ上のエンブレムは撤去できるだろうし、グリルの形そのものは確かにL3000っぽいのだが、サイドパネルの上部前後2ヶ所にあるはずのポッチが無いのも気に掛かるし、左サイドパネルの前端下から何かパイプかバーのようなものが出ていて、それがラジエーターグリル前に三角に飛び出た何かに接続されているようなのも気になる。いったいこれはベンツL3000なのか、それとも似た何か別の車なのか。

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コメント

ミミガーとはなんぞや? ってなことはgoogleとwikipediaに任せてみたんですが、なんか……。

ソユーズ、いいなぁ。完成さてけれ。しかし、結構でっかいんだな。

投稿: はほ/~ | 2011年2月21日 (月) 19時43分

うーん。結構沖縄料理も普及してきて、ミミガーも(苦手な人は苦手だとしても)存在自体は全国区になってるんじゃないかと思ったんですが、まだまだですな。

なお、面倒なので「ミミガー」と書いてますが、実際の読みは「みみぐゎー」な感じです。

投稿: かば◎ | 2011年2月21日 (月) 20時57分

>>アガニョークというレーベルは1:30のリモコン戦車も出していて

ウチにかば◎さんから譲り受けたISU-152Mがありますが、もう邪魔で邪魔で…(^^;)。
とにかく箱がヘロヘロで、分子に返ろうとしているのか、持っただけで崩壊しそうです。上に他のキットの箱を積めないんで、一回り大きい箱(Amazonか何かの)中に入れて保管という特別待遇ですよ。

それに比べて1:30ソユーズ、かっけえ!コリャかなり欲しいかも。

ルーマニアのL3000?のエンジンルーム・サイドパネルから出ているのは、この位置だとエンジン冷却水の加温装置(ブロートーチを差し込んで加温する)の可能性がありますが、ちょっと詳細判らないですね。

投稿: セータ☆ | 2011年2月21日 (月) 21時14分

いやー。あのアガニョークの戦車、一時期文通していたチェコ人が送ってきて、昔、我が家に3~4種類あったんですよ。もちろん、社会主義のオルグのためにあっちこっちにばらまきました。そのうちの1箇所がセータ☆さんとこだったんですね。もしかしたらもうウチには残ってないかもー(笑)。

ちなみにこのソユーズは、自分で買ったのか柳瀬ばお君に買ってきて貰ったのかよく覚えてないんですが、何年か前に閉店したビッグフットの値札が貼ってありました。

トラックの写真の方は、これの続きで全体とか別角度とか写っているのがないかと、カメラマンの名前とか写真番号とかでも検索してみたんですがダメのようでした。普通は荷台に付いているシャベルが前にあるのも、車間表示バーが写ってないのも気になります。

投稿: かば◎ | 2011年2月21日 (月) 22時04分

>ルーマニアン・ベンツ

同じ写真がPODZUNのLASTKRAFTWAGEN DER WEHRMACHTにも載っていて、シャベルとツルハシの位置はA型の特徴みたいなことが書いてある(気がするby Google翻訳)ようですが、肝心の謎物体については触れておらぬようです。

投稿: hide | 2011年2月21日 (月) 22時20分

>>シャベルとツルハシの位置はA型の特徴みたいなことが

うひい。うっかり手を出したら火傷をするところでした。

謎装置は、セータ☆さんの言うあたりが一番ありそうですが、そうなると、他のトラックでも付いている例があるかもしれませんね。

投稿: かば◎ | 2011年2月21日 (月) 23時14分

ポッチリが無いのに着目すると、もしかしたら半クラス上のL3750あるいは半クラス下のL2500かしらん、という気になってきましたよ。でもボンネット周りのデザインが似通ってるんで、このアングルだけだとイマイチ確証が持てませんね。ホイールが確認できればもっとハッキリすると思うんですけども。

投稿: hide | 2011年2月23日 (水) 00時48分

うはは。「似てるんだけど、なんだか違う」ってアイテムは本当に悩ましいですね。別角度も全体像も出て来ないだけに、こいつは「いまいち正体不明」でお蔵入りにするしかないようです。

逆に特徴ありすぎな感じで気になっていたトラックが最近Plusから発売されて、クラクラ来てます。最近金回りが悪いんでとてもガレージキットにまで手は出せませんが。

http://www.plusmodel.cz/gallery/278/

元はオーストリア軍用なんでしょうか。ブルガリア軍が多用していて、これまた、兵員輸送型のほかにコマンドカー、ヴァンなどの写真が手元のブルガリア軍本に出てました。

投稿: かば◎ | 2011年2月23日 (水) 03時57分

特徴ありすぎでPlus、だけで察しがつきましたよ、このケムンパス(笑。シュタイヤーの640は私も三本の指に入るお気にな車輌で、実はPlusModelのこれは買う気満々でございます(ちなみにプロッツに被せる用のバQとかもあるんですが、さすがに捨てます)。できればアンビュランスも欲しいとこなんですが、ブルガリア軍のはmilitariaでちょこっと見ました。生産が37年からということなんで、立場は38(t)なんかと同じといった所でしょうか。

投稿: hide | 2011年2月23日 (水) 22時07分

>hideさん

>>生産が37年からということなんで

ええ? じゃ、ホルヒ108/Iaあたりと同じくらい?
それでいて、あの垢抜けなさはいったい……。
いや、それがいいんですけど。

投稿: かば◎ | 2011年2月23日 (水) 23時55分

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