シュトゥルミさんの寄り道
●月曜日午後、鎌倉税務署に用事で出掛ける。そのまま長谷方面にぐるりと大きく遠回りして駅前に戻る。表通りからは直接見えない大仏だが、横手の裏道からだとちらりと見えることが判明。だからどうってことはないが。
先日、APECのついでにオバマ大統領が来て大仏の前で抹茶アイスを食べていったわけだが、大仏近くの店で大々的に
オバマッ茶ソフトクリーム
が売られていた。それでいいのか鎌倉市民!
古本屋の店先でたまたま目に留まった秦恒平「京のわる口」を買う。京都に対する悪口を書いているのではなく、京言葉の中のちくちく突っつくもの言いの辞典。もっとも今は他にいろいろ読みかけなので、いつ読むか不明。
御成通り出口の八百屋で大粒の銀杏(大分産、150円)を購入。小町通りに廻って梅にんにく(漬物)と壱番屋の煎餅を買う。
●火曜日夕、N女史と品川で打ち合わせ。資料のコピーのためコンビニを求めて彷徨う。
帰宅後、前日買った銀杏を半分、フライパンで炒って食す。美味。生の銀杏は、果肉を綺麗に落としてあってもそこはかとなく臭いが、炒っているうちに連続的に香ばしいいい匂いに変化していくことに、いつもなんだかじんわり感動する。
●NASAが日本時間の3日午前4時、地球外生命についての記者会見を行うというニュースが気に掛かる。フタを開けてみれば「土星の衛星のどこそこの表面に、アミノ酸の存在の可能性を示唆するようなスペクトルが云々」みたいな話かもしれないが、
報道官:すみません、今まで黙ってましたが、ワタシ、宇宙人でした~。
みたいな超展開が出てくると素敵だ。
●日常業務でバタバタしているので、フィンランド軍III突=シュトゥルミさんの工作進捗は無し。そんなわけ(どんなわけ?)で、シュトゥルミさん考証の脇道を少々。
▼現存車輌の写真をつらつら眺めていて、意外にシュルツェン取り付け用の座金が残っていることに気付く。
残っていることが多いのはエンジンルーム上左右の座金で、少なくとも、4、6、8、9、12、14、15、18、25号車にはあり、20、21号車にもはっきりしないがありそう。14号車は戦闘室後部角の座金も残っているようだ。9、10号車も、エンソーのパレード時の写真では、戦闘室後角のものもあるかもしれない。
一方、10、11、19、22、26、30は、少なくとも現存車にはエンジンルーム上左右の座金はないが、22号車はエンジンルーム側面のものは残っているような。ただし、30号車は戦後の退役前の写真では戦闘室角のものはあるようにも見えるので、戦時にはあって、後に落とされたものもあるかもしれない。
そもそもエンジンルームのものは大型雑具箱を付けるとあまり見えず、戦闘室のものはない場合の方が多そうなので、考証して付けても本人がニヤリとできるかどうか程度のものではあるが、少なくとも現存車輌に関しては、アンドレアスさんちのweb上の写真でほぼ確認できるので、気になる人はどうぞ。
▼「グランドパワー」2009/8号によれば、2、12、18、26は初期の訓練でガタが出てきたために、実戦投入前の1944年4月、それまで予備に回されていた19、21、24、25と交代になり、そのため4月~6月に施された、フィンランド軍シュトゥルミ特有の一連の初期の改装を施されていない、とある。
となると、せっかくデカールに選ばれた12号車に「大型雑具箱や側面予備転輪などは乗っていない疑惑」が出てくるわけだが、現存写真を見ると、12号車のエンジンルームにも大型雑具箱のズレ止め用と思われる金具が取り付けられている(ただし他の車輌で確認できるものよりも取り付け位置が外側にずれている)。したがって予備転輪はどうあれ、「12号車も後から追加で雑具箱を載せた」可能性は高そう。
▼「Suomalaisten rynnakkotykkien kohtalot」の裏表紙に出ている6号車(?)、86ページ上の25号車は、ともに丸太+コンクリ改修以後の写真だが、どちらも車体の最前端、上下のボルトオンの増加装甲によって出来た段差部分に、ちょうど車体幅になっているらしい鉄棒(たぶん)を装着している。何かの工具というより、(たぶん左右と真ん中の3カ所で)帯状金具を溶接してがっちり付けてあるように見える。これはどうも、段差で生じているショットトラップを嫌って付けた「増加装甲」の類なのではないだろうか。フィンランド人、芸が細かすぎる……。
| 固定リンク
「かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事
- 8月のヨモヤマ(2024.08.25)
- ミニスケール2題(2024.07.04)
- シロマダラ(2024.06.24)
- 梅雨入り前のあれこれまとめ(2024.06.12)
- のの字坂(2024.05.12)
「資料・考証」カテゴリの記事
- FCM 2Cのディテール・メモ(前編)(2024.08.22)
- フレンチの鉄人(2024.07.29)
- 沈頭鋲(2023.08.16)
- KV maniacsメモ(緩衝ゴム内蔵転輪)その2 附:標準型全鋼製転輪(2022.12.15)
「シュトゥルミ」カテゴリの記事
- シュトゥルミさんの一休み(2011.01.06)
- 新年のシュトゥルミさん(2011.01.03)
- シュトゥルミさんの寄り道(2010.12.02)
- 日曜日のシュトゥルミさん(2010.11.29)
- じゃきに。(2010.11.24)
コメント
>>裏表紙に出ている6号車(?)、86ページ上の25号車
→裏表紙写真の解説(p.6)にも「カレリヤ地峡の戦いの後の6号車とその乗員」てな文句が書いてあり、実際、操縦手バイザーに「Liisa」の文字が見えるので6号車で間違いなさそうです。
p.38にも同じ写真があるので、鉄棒について言及されてないか調べましたが、コンクリ盛付と丸太のことしか触れてない(・・・と思う。というのも「---ja varatelat keulaan」を芬英辞書を片手にしても、「(コンクリと丸太)と、前に弓が(!?)」という訳のわからん単語が・・・。まさかあの鉄棒が・・・弓?!)。
25号車のそれの装着部写真は鮮明で明らかに湾曲させた一枚板で鉄棒が留められてますが、6号車のは台座の上に∪型∩型の輪が溶接してあり、そこにベルトを通しているようにも見える・・・。 現存している6号車には、まさにその台座だけが残っている・・・。 激謎!
http://userimg.teacup.com/userimg/6101.teacup.com/kasapanos/img/bbs/0000962.jpg
投稿: かさぱのす/かさぴー | 2010年12月 4日 (土) 03時03分
>>6号車のは台座の上に∪型∩型の輪が溶接してあり、そこにベルトを通しているようにも見える…
あっ本当だ。普通に帯金で留めているだけだと思ってましたが、確かに6号車のやつは、言われてみればU字金具があるような。
こういろいろ変な仕様があると、いっそのこと、それら全部合わせてピザとかラーメンとかの「全部乗せ」みたいなものを作っちゃいたくもなりますねえ。
投稿: かば◎ | 2010年12月 7日 (火) 22時31分