Vanatorul de care再び。(19)
●先日のアクシデントから多少は気を持ち直し、静岡に向けた工作を再開。
とにかくこのGW中に一つは塗装まで持ち込みたいと思い、(ようやく)Vatatorul de care R-35に最後の細部工作をして、塗装前の表面洗浄。「これでオシマイ」の踏ん切りに、現時点での状態を撮影した。
もっとも、いきなり直前になって仕事が切羽詰らないとは限らない。今年こそ行けるかなあ……。
●これまでの記事と多少重複するが、ランダムに考証の補遺と反省点など。
砲塔:ルーマニア軍使用車輌の砲塔の視察装置は、もともとのルーマニア輸入分にポーランド軍からの接収分も含め、確認できる限り全車がシュレティアン(というメーカー名なのか形式名なのか不明)式の双眼鏡タイプのもの。エレールの視察装置のパーツは穴の位置が高く、張り出し具合も実物と若干違うので上側にプラバンを貼って削り直したがちょっと工作が粗かった。
結局、Vanatorul de care R-35の通常型R35との外見上の違いは砲だけだが、以前にも書いたようにここがバッチリ判る写真は今のところ見当たらず、防盾形状は想像半分。しかし、防盾内部の砲架が判る写真はあり、防盾の穴やボルトの位置はそれから推理した。砲架については穴位置などが微妙に異なりBT/T-26あたりからの流用ではなさそう(セータ☆氏の考証に感謝)。右下に(定説とは異なり)同軸機銃用と思しき大穴がある。
車体前部:鋳造のノーズは、エレールのパーツでは左側の角度変化が一つ無視されている。かなり省略されている起動輪基部や、トランスミッション用カバー部(?)を含めちまちまいじった。
なお、ルーマニア軍装備車輌には見当たらないが、フランス軍車輌では車体前部上面に増加装甲(と言うにはだいぶ薄そうだが)を貼っているものもある。エレールのキットはうっすらとそのモールドがある(段差はなく筋とリベット表現だけ)。
ただ、車体側面板とフェンダー内側がそのままの厚みで一体パーツになっているのを放置して組んでしまったのは失策。そのぶんフェンダーが内側に食い込んでいるため、操縦手ハッチ下側がホーンに当たってきちんと開かない位置関係になってしまった。
足回り:エレールのキットは足回りの再現もあまりよくない。上部転輪位置と誘導輪位置を少しいじり、第1スプリングを太くし、起動輪にスクレーパーを付けた。ただし、転輪形状や、ボギープレート形状は未修正。
なお、ルーマニア軍装備車輌の誘導輪は、穴を薄板で塞いだタイプ。薄板の各4箇所のリベットは省略してしまった……。
履帯の交換オプションはいくつかあるが、カステンの可動式は軸穴も表現されていて精密感が高い。
また、シャーシ下部側面にいくつか埋め込みのボルト頭があるのだが、気付いたのが遅く表現していない。
車体上部:操縦手席左右のスリットは、ルーマニア軍車輌ではひさし状の張り出しのあるものとないものが混在している。作例は張り出しのないタイプとしたが、この部分の形状を表現するのに削ったり盛ったりを繰り返した結果、糸魚川市の地質もかくやと思えるほどの複雑な素材積層になってしまい、綺麗にスリットを切削できなかった(素材というよりはウデのせい)。なお、スリットを入れてみると、前面形状はなお微妙に違っていることが判る。
鋳造の車体上部の形状は、キットのものは側面形状も微妙に違う。本来はもう少しふっくらとしていて、下辺あたりに鋳造のパーティングラインがある。
エンジンルーム上面のルーバー類は表現がお粗末だが、形状がだいぶ違う左の三角ルーバーだけ1から作り直した。
左後方のものは枠だけ追加したが、幅が広すぎた。なお、実物はこの左後方ルーバー部分だけ、基本車体のラインが前方に向けて一段削り込まれていて、ルーバーは地面と平行になっている。作例は未修正。まあ、このあたりの再現とか足回りの形状とかは、いずれタミヤのルノーR35が発売されるのを待とう(妄想的観測)。
右の大きなルーバー(ラジエーターグリル?)の前の隅には小さな丸いキャップ状のものがある。ラジエーターの水キャップではないかと想像。
なお、後期の生産型はルーバー周囲に防弾(?)リブがある。ルーマニア軍装備車輌でも、一部これを持つものがある。
車体後部:ここの鋳造パーツも、キットのものはラインがちょっと曖昧。
起動輪基部は、キットの状態では一段窪んだところに基部パーツを付けるようになっているが、実車ではむしろ土台は一段盛り上がっている。未修正。
よく見える予備転輪だけは少しだけ形をいじった。本来は他の転輪もいじるべきだが手を抜いた。
後部シャックルの小チェーンは、車体側との留めは省略してしまった。金属線を潰したチェーンは悪くない見栄えだが、斜めに掛かっていると平べったいのが目立つ気がしたため。
排気管とマフラーはいろいろいじったが、結局マフラー取り付け具やカバーの正確な取り付け方は判らず、適当な工作で済ませた。
装備品類:右側面の、後ろ半分がオープンの物入れになっている工具箱は前後が同じ高さのものと前半が高いものの2種がある。ルーマニア装備車輌はほぼ後者のようだ。
結局、ジャッキ台ホルダーの押さえ金具基部は、メガネをかけても目と指先が追い付かず工作を断念。
ジャッキ本体も工作しているが載せるかどうかは思案中。台があって本体もハンドルもないのは(本来ハンドルはジャッキ台の外側に付く)変だとは思うが、生きている実車写真でもそういう状態のものはあるし、変な形のジャッキ受け(フェンダー上の白い部分)を見せたい気もする。
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コメント
こんばんは、かば◎さん
かば◎さんは静岡には来る予定になってますので、大丈夫です。きっとお会いできるような気がしています。
途中で構いませんので、どうぞ持ってきてくださいね。
投稿: きらら | 2010年5月 2日 (日) 21時11分