大銀杏が倒れた。
●うかうかしている間にすっかり梅の見頃は過ぎてしまい、それでもまだ名残りくらいはあるだろうと、今頃になって鎌倉散策に出掛ける。
とりあえず逗子まで出て、横須賀線で北鎌倉へ。東慶寺(いわゆる縁切り寺)に行く。やはり旬はとっくに過ぎていて散り残りがちらほらくらい。ただ、枝垂れ梅はまだ結構咲いていて、木瓜(ぼけ)と三椏(みつまた)はよい具合。
●円応寺に寄って閻魔様ほか地獄の十王像を眺めてから、巨福呂坂を抜けて鎌倉中心部へ。
●裏手から鶴岡八幡宮に入る。数日前の風雨で、いきなり大階段脇の大銀杏が根元から倒れてしまい、現在大階段は通行止め。重機も入って倒れた銀杏の撤去中。写真のクレーン車の右に、切断した幹の断面がうっすら見える。根元から倒れたので再生は難しいらしいが(それでも根の一部が残っているのでそこから生やす試みはするらしい)、切った幹の一部は保存されるとか何とか。
源実朝暗殺時に公暁が隠れ潜んだとの伝説のある銀杏で、実際にはその頃は人が隠れられるほどの太さはなかっただろうと言われるものの、倒れる前は階段上の八幡宮本宮とどっこいの高さの堂々たる巨樹だった。見慣れている者からすると、これがないとぽっかり空間が開いてしまい、風景的にもずいぶん締まらない。在りし日の大銀杏の姿は、たとえばこの写真などを参照のこと。
八幡宮のシンボル的存在で県の天然記念物でもあったので、ソウルの南大門(ナムデムン)が焼けたほどではないだろうが、古都鎌倉にとっては大きな痛手。
●小町通りの八幡宮側出口に近いソーセージ屋は自家製ソーセージを店先で焼いていて、その場で熱々を食える。柔らかく、齧ると熱くて美味い脂がたれてきて、これを食うと、ああ、ベジタリアンにはなれんなあ、と思う。赤ハーブ入りをホットドッグにして買い食い。だいぶ繁盛しているらしく、鎌倉駅西口側にも、新しくえらく小奇麗な支店が出来ていた。
●小町団子のみたらしと壱番屋の割れ煎餅を買い、その後西口の御成通りの酒屋でウィルキンソンのジンジャエールを立ち飲み。御成通りに、ロバに花を背負わせた花屋が出ていた。再度東口に戻って、本屋でアーマーモデリングを買って帰宅。
●アーマーモデリングは「愛すべき『B級プラモ』の世界」と題して、ロシア・東欧製の有象無象のメーカー製品を対象にした、テーマとしては惹かれるものの内容はいささかユルい特集。それにしても、我が家のストックはB級C級D級が圧倒的なのはどうしたもんだか。
古田和豊氏の記事で、日中戦争中の中国軍ハリボテ戦車の製作記事あり。このハリボテ戦車、毎日新聞の「一億人の昭和史」シリーズに“実車”写真があるものだが、実は何年か前にペーパークラフトにしようと(プラバンで作るよりはむしろペーパークラフトでヨレヨレに作ったほうがそれらしいと思ったので)描き掛けたことがある。右図はその名残り。こんなものを作ろうという人が他にいるとは思わなかった。
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