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風邪マット?

●家にいて仕事をしていると、日中、しばしば「お得な投資型マンション」だの「ナントカの先物取引」だの「エコ意識の高いこの地区の皆様へのソーラー給湯のご案内」だの「鎌倉の分譲墓地」だのの電話に邪魔される。仕事の電話は基本的に携帯なので、家電に掛かってくるのはこの手のばかり。

まあ、その手の電話は基本的には「要りません」「興味ありません」で切ってしまうのでどうということはないのだが、特に最近、その手の電話の若いセールスマンに、異様に「過去形敬語(なのか?)」が多いのには、切った後まで何だかモヤモヤさせられる。

「……でよろしかったでしょうか」

って、こっちはまだよろしいもよろしくないも言ってねーよ!……とつい突っ込みたくなるのだが、無駄に会話を重ねるのも嫌なので切ってしまう。で、その分、モヤモヤが残るという次第。

調べると、「**円からお預かりします」同様、この手のモヤモヤ系には、いつの間にやら「コンビニ敬語」なる名前が付いているらしい。

もともと、過去形で丁寧を表す地域もあるらしく、また、「自分はこのように判断しているけれども、それでよかったかどうか」という意味で過去形なのだという説明もあったりして、まあ、それはそれでナルホドとは思うが、「だからそれを使うのは問題ない」と強弁している人もいたりして、オイオイそりゃ違うだろう、と、ここでまた突っ込みをいれたくなったりする。

だいたい、多少おかしな言い回しでも理屈を付けようと思えばいくらでも付けられるのだし、問題は、そういう言い回しで本来丁寧を表さない地域で、本来そういう文化の下で育ったとも思えない人が付け焼刃的に使っているからおかしいのであって、それに違和感を覚える人が多数いる中で、これは丁寧語として問題ありませんとシレッとしているのでは、すでに丁寧語としての本質から逸脱している。

まあ、そんなことを言っても、別におかしかぁないダロと思っている人が増えてきているからこそ、これだけ頻繁に聞くようになったのだろうし、ずるずるとそのまま定着してしまうのかもしれないが(それはそれで仕方のないことだろうが)。

●気になる言葉といえば、ついでに。

例えば突撃砲とか駆逐戦車とか、回転砲塔を持たず密閉式の戦闘室に直接砲架を据えているのを、日本語の資料ではよく「カーゼマット式」と書いてある。

これは英語で言うケースメート(casemate)、日本語では「砲郭」と訳される、もともと城砦、さらには軍艦などで使われている言葉で、語源はイタリア語のcasamattaであるらしい(と、ウェブスターには書いてあるらしい)。

検索してみると、「カーゼマット」なる読みで書かれているのはAFV関係の文章だけで、想像するに、AFV関係の書籍が出始めた頃に、誰かが、ドイツの突撃砲だか何だかの説明として書かれていた単語を深く考えずにそのままドイツ風の読みで音訳してしまったのを、いまだに引きずっているのではないだろうか。

上記のように、この言葉自体ドイツ由来ではないし、そもそもドイツ語の「砲郭」はKasematteと綴る(ドイツ語はよく判らないが、これはカゼマッテと読むんじゃなかろうか)。回転砲塔を持たないAFV自体ドイツの専売特許ではないし、そもそも初期の戦車は回転砲塔がないものがゾロゾロいる。決してゲオルグ・フォン・カーゼマットさんが開発した方式、というわけではないのだ。

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電子辞書の合成発音だが『かぁぜまって』かな? 聞いてみよう [続きを読む]

受信: 2010年2月 5日 (金) 23時59分

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