薄幸のJSU-152(16)
●仕事が激しく切羽詰っているので製作はスローダウン中だが、なんとか砲周りは工作したので、その報告など。
●先述のように、フィンランド軍の「薄幸のJSU」はJSU-152のなかでも恐らく最初期に生産された車輌で、防盾周りはKVベースのSU-152とほぼ同じ特徴を持っている。
大雑把に言うと、防盾は、キットで表現されている標準型に比べて丸みが強く、湯口も前面でなく側下部にある。
防盾基部も標準型では追加されている湯流れを良くするための周囲のリブがなく、側面の膨らみも下部で若干“痩せた”印象である一方、上部左右はもっとエッジが立った格好になっている。
というわけでカリカリ削ったり盛ったり追加したり。細かい工作ポイントは、
- 防盾の基本形状の変更。上記のように、特に駐退器カバー部の角を丸め、突出部左右に段差を追加(写真の黄色い部分)。左右下部にプラペーパーを溶かして湯口を再現。
- 防盾前面下部の4箇所のボルトは周囲に窪みがあるため、一度削り落とし、窪みを工作した後に再接着。
- 駐退器カバー部左右にコの字金具を追加。
- 標準型では防盾左右の斜めになった部分にフックがあるが、初期型にはない。その代わり、前面上部左右にアイボルト装着部があるのでこれを追加(小さなお公家さんマユゲ)。パロラの展示車輌ではリングが装着されているが、戦時中の実車では普段はボルト頭だけで、砲交換時のみ植え替えるものと思われる。
- 照準口はキットでは貫通していないのと、初期型ではほんのわずかだが小径のようだったので一度埋めて開け直した。
- 基部の基本形状の変更。周囲の湯流れリブを削り落とし、両肩部にパテ盛りして削り直した。
- 側面のフック上側に、内側から何か組継ぎで接合したような溶接痕があり、これを適当に再現。内部の砲架に関係しているのではないかと思うが、標準型にはないようなので、標準型では内壁にイモ付けになったのだろうか。
- 下部左右数箇所に小穴を開ける。おそらく基部を戦闘室前面に(内側から)ボルト止めするボルト穴の底が表にわずかに貫通しているのではないかと思う。
- この他、マズルブレーキの固定ネジ部を追加した。マズルブレーキ固定部は、マズルブレーキの根元、砲口側から見てほぼ1時・7時方向の2ヶ所にあり、それぞれ斜めに2つ連続した穴が開いていて、そこにピンだかネジだかが植えてある。
基本、上記の工作は初期型を作る際のみに必要な修正点で、標準型とも共通するのはマズルブレーキ固定部程度。キットの防盾は鋳造表現もメリハリがあって迫力があるので、それを削り落としてしまうのはいささかバチアタリ感がある。
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