薄幸のJSU-152(11)
●戦闘室上面に初期型ベンチレータ・カバーを作って付ける。最初は、タミヤのパーツより若干大きめのドラゴンのパーツを使い(ボルト頭でも取るつもりだったのか、たまたまこのパーツが入った枝をジャンク市で買って持っていて余っていた)、穴を狭めて使うつもりでいたが、円弧状の穴を綺麗に狭めるのはどうも面倒そうで、二の足を踏んでいた部分。
一方で適当な流用パーツがないか探してもいたのだが、今日たまたま使えそうなものを見つけたので仕事の合間に工作。正体はエデュアルド1:48のポリカルポフI-16のスピンナ。初期型、中期型、後期型の3種のスピンナが入っているので、使わない後期型の頭を切って先端の穴を埋め、表面も若干削った。
後部角ハッチの開閉補助スプリングは、パロラの車輌にはもともと付いていたような痕跡もなく、青木氏によれば「プロトタイプもなさそう」とのことだったので除去。ハッチの軸は後面側同様、初期型では軸受け金具の外側に飛び出していないので切断。結局、どちらも前身であるKVベースのSU-152の角ハッチと同一の仕様ということになる。
パロラの車輌で角ハッチ左にあるキャップ状のものについては以前にも言及したが、これは回収車に改造された際にタンクか何かを増設したためのものと考え、一般的な初期型の特徴ではないと判断して付けなかった。
前方の丸ハッチは、現存車輌ではハッチの固定金具付きのものもあるが、パロラの車両やモスクワ中央軍事博物館のJSU-122などにはなく、戦後の改修か?
先日の工作の際の青木氏のコメントにあるように、結局これはシャックルのバタ付き防止ベルトを通すものだそうな。現存実車では前方にはないものがあり、しかもその車輌では後ろ側の2つが留め金具と中心線がズレズレなので「別の用途が?」と思ったのだが、どうやらこれは後年の資本主義の腐ったモデラーを惑わすためのNKVDの陰謀であったらしい。いやもうまったく。
留め具自体は、当初、タミヤのキットのモールド位置に合わせて付けてあったのだが、2個所ずつに金具を付けようとするとどうも前端までの距離が長すぎるような気がしたので、一旦削ぎとって、若干前方にずらした。
●燃料タンクの留めベルトを試しに1つ作ってみた。写真がボケボケで申し訳ないが、ベルトはプラペーパーで両端に0.3mmの真鍮線、止めボルトはトライスターのIV号戦車で大量に余るサス基部から削り取ったもの。
この状態は正規位置だが、ステイの外側の金具はフォーク状なので、実車だとタンクを締めていないと外側はすぐスッポ抜けるはず。実際、「薄幸のJSU」でもへろへろあっちに垂れたりこっちにハネたりしている模様。「薄幸のJSU」では、右側は全部ベルトが残っていたようだが、左側は揃っていなかったふうに見える。
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