薄幸のJSU-152(10)
●瞬間接着剤も手に入れて大人のモデラーの仲間入り~。
●年をまたいで細かな工作を続行。これで息切れしてしまうと「薄幸のJSU」がずるずる「発酵のJSU」になりかねないので早めにカタを付けたい。
●左フェンダー前部に付くシャックル装着具は、キットではシャックル取り付けの便から上が切れた「山」形だが、実際は穴が開いているだけ。「薄幸のJSU」はシャックル自体失われているようなので、フェンダーと合わせて作り直した。
後方の小さいコの字金具は、最初はシャックルがバタ付くのを防ぐために留めるベルトでも通すのかと思ったのだが、それにしては前方にはないようだし、用途は謎。しかも車輌によっては(後方に)2つ並んでいることもある。
フェンダーのベロは本来、破線状に溶接痕がある。
●ワイヤー用ターンバックル掛けは後期にはもっと単純な形状で上面側にあるが(キットの状態)、初期はJS-2初期型同様、側面側にある。ルノー用のエッチング・パーツの枠をリサイクルして工作。
標準型では後部右端にある謎の電装部品は、初期型では左側面に。背も低いようなので、キットのパーツ(G40)を裏から削った。上部の配線カバーはパロラの展示車輌を元に山形のものを付けたが、後から思うに、オリジナルでは戦闘室同様パイプの可能性もあったかも。また、標準型では側面後端にあるフォーメーションライトは上面に移動。背も低めた。
燃料タンクステイは、キット指定の位置だと前方タンク用・後方タンク用との間が若干開き気味になっている。まあ、もともと実車でもそう厳密に付けられているわけではなさそうだが、少なくとも「薄幸のJSU」や「1212号車(パロラに現存する車輌の鹵獲時の状態)」、同時期・同戦域で破壊されたソ連軍の車輌と、どれもステイ位置は4つがほぼ等間隔だったので、キットの取付穴は埋め、上部転輪や起動輪との位置関係を見つつ調節した。
燃料タンクのベルトを留める2ヶ所のベロは、私はお手軽に両方0.3mmプラバンで作ってしまったが、本来は奥の穴の開いたL字金具は薄く、手前の“のりしろ”のない切込みの入った金具は厚みがある。奥の金具は薄い金属板などで作って違いを出すと、極一部のマニアを唸らせることが出来る……かもしれない。
フェンダーステイの位置にはバリエーションがあるようなのだが、「薄幸のJSU」ほか初期型ではどこにあったのか、今ひとつよく判らず、キットのままとした。
●戦闘室前面、防盾脇の左右3ヶ所ずつに、小コの字金具を付ける。これは防盾にカバーを装着する際に使うものと思われる。カレリアで撃破されたソ連軍車輌の写真にもボンヤリそれらしきものが写っていること、パロラの展示車輌にも溶接痕のようなものがあることで、初期型も付いていたと判断した。
私はピンバイスで穴を開けて金属線を通しただけだが、実物は外側に小さく足を出して溶接してある。
●またまた泥縄だが、車体後端ヒンジの下側を少し作り直す。キットはヒンジ角と、その下側のフック台座の角が、お互い逃げるように削られているが、パロラの車輌では単純に四角く、カレリアで撃破されたソ連軍車輌も(ヒンジ自体は取れているが溶接痕から)そのように見える。
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コメント
シャックル固定板の前後にはそれぞれコの字金具のペアがあって,かば◎氏の予想通りここに固定ベルトを通してシャックルの先を押さえるようになっております.博物館の屋内展示車両ではベルトを通している例を見たことがありますが,そういえば記録写真ではあまり見ない気もします.いずれにしても正規状態はコの字金具が前2個後2個です.
http://legion-afv.narod.ru/USSR/SPG_USSR/ISU-152_Minsk/ISU-152_Minsk_026.JPG
投稿: 青木伸也 | 2010年1月 4日 (月) 23時33分
いや,時期によっては前1個後1個が正規状態かも……という気もしてきました……
投稿: | 2010年1月 4日 (月) 23時45分
ううう。やっぱりバタつき防止のベルト金具だったか……。
改めて手元の画像を浚ってみたところ、「後ろ側にしかない」写真はあったものの、「片側に1つしかない」写真は、「の、ように見える」ものはありましたが「と、断言できる」写真はありませんでした。
まあ、前に無いのは「取れてしまった」と判断、片側一つずつは、そういう仕様があったとしても初期型がそうであったかどうかはまた微妙な話なので、おとなしく片側2つずつ付けることにします。むうう。
投稿: かば◎ | 2010年1月 6日 (水) 00時23分