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薄幸のJSU-152(8)

●いろいろと細かな工作中。

200912271608000b●防盾は現在こんな感じ。

キットの防盾はJSU-152の標準型としては鋳造表現のメリハリも効いていい感じなので、削るのは多少もったいなくもあるが、初期型として手を付け始めてしまった以上致し方無し。なお、キットの防盾は側面の上部にパーティングラインが入っているが、これはモスクワの中央軍事博物館等にある実車でもそうなので、標準型を作る際には活かしたい。

さて、初期型の工作としては、基本的には全体的に角を落とし、削った部分は接着剤を塗布して表面を荒らして鋳造表現を復活。ただし“うにょうにょ”した造形だけに、ある程度出来たと思っても角度を変えるとなんだか違って見えたりで、なお試行錯誤中。形が決まってから、先端ボルト4つの窪みを付けて、ボルトを復活させる予定。

防盾基部もリブを消してさらに削り中。キットの標準型に比べ、基本形自体もちょっと痩せている感じ。

●和歌山方面より、「給弾ハッチにL字金具がないJSUなぞ!」(大意)という毒電波が飛んできたので、悔し涙に暮れながら件の金具を作る(んなワケあるかい)。

追加する方は、例えばこのあたりを参考に。

エッチング・ソーがどこに行ったか判らないので、細い切り込みを入れるのに面倒な思いをしたが、考えてみると、今後増加燃料タンクステイのベルト固定具で、同様の工作を8つ分しないといけない。お手軽な方法を考えないと。

●青木氏の以前の指摘にもあったが、キットは前部フェンダーがちょっと長過ぎるようだ。tankmasterにあるこの写真を見る限り、戦闘室前端と第1ステイの間隔はキットのままでよく、そこから前が長い。タミヤが参考にしたらしい、モスクワ中央軍事博物館のJSU-152は、フェンダー前端が補修されていて別の形になっているので、それをオリジナルの状態に戻そうとして寸法を取り違えた可能性はある、と思う。

今回の工作ではどのみち前端の延長部は除去するので、ついでに多少切り詰めた。

●排気管後ろの整流板は、キットは結構かっちり綺麗なモールドだが、実車ではペラペラの薄板なので、キットのモールドを両側から削り込んで、多少ヨレた感じにした。いっそ削り取ってしまってプラペーパーや金属板などに替えてもいいのだが、プラペーパーではいじっている最中に取れてしまいそうだし、金属板は……瞬着が固まってしまって使用不能だったのでパス。ここが戦場なら即死!

●JS/JSUは誘導輪基部が一段窪んだようになっていて、そのため、車体前端が鋳造の車体の場合、シャーシ前面の形が上部で狭く、下部で広い。

パロラの車輌では、その段が下から4分の1くらいと、ずいぶん低い位置にある。これが初期型の共通形態だと面倒だなと思ったのだが、同時期にカレリアで撃破されたソ連軍車輌では普通の位置にあるようで、パロラのそれは、「まあこういうのもあったのか」という手合いのものであるらしい。結局、段差位置はキットのままで、ただしもう少しなだらかに繋がるよう少しだけ削った。なお、標準仕様の場合は、段差がどこにあろうと予備履帯に隠れてほとんど判らない。

●操縦手用バイザーは、スリット部中央に縦に金属線が溶接してある(例えばこの写真参照)。最初は博物館で、展示車輌にゴミなど突っ込まれないように付けてあるのかと思ったが、ちゃんと部隊使用中の実車写真でも付いていた。パロラの展示車輌にも、針金自体はないが溶接痕は残っており、初期型からすでに付いていたことが判る。

模型としては伸ばしランナーでも接着すれば終わりだが(12/29追記、タミヤのキットにはきちんとモールドしてあった!)、実車での存在理由は謎。操縦手が直接照準などしないだろうし、砲列を敷く時の車体の方向合わせ用?

まあ、現時点ではよく判らないので、マヌケな兵士が自走式巨大郵便ポストと間違えて手紙を差し入れたりしないための防止用としておく。

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コメント

操縦手バイザーの金属線は,おそらく操縦手用の直接照準器的なもの(車体を目標に向けるときに使う)だと思う.ISUも対戦車戦闘だってするしな.
タミヤのISUはバイザーに金属線は最初から付いてるよ.

投稿: 青木伸也 | 2009年12月28日 (月) 23時12分

>タミヤのISUはバイザーに金属線は最初から付いてるよ.

もももももももちろん、そんなことは判ってたさっ!

……済みません判ってませんでした。
タミヤさん&針金の神様ごめんなさい。

投稿: かば◎ | 2009年12月29日 (火) 15時21分

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