ソミュアのケグレス(6)――キャビン周り・その3

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

●ドアを作る。

先述のように、キットのドアは真っ平らだが、実車のドアは緩やかに外側に向けて膨らんだ形状をしている。

どれくらいの膨らみ具合かは、先日削った屋根との現物合わせで決めたが(要するに適当)、端と中心との差がおおよそ1mm弱。つまり、1mm厚のプラバンを円弧断面に削れば、ほぼぴったり収まることになる。

窓をくり抜いてから削るか、削ってからくり抜くかは少々考えたが、くり抜いてから削ると窓枠部分と下部とで削り具合が不均等になりそうだったので、窓は後から開けることに。ただしゲージとして、あらかじめ窓部分を抜いた0.3mm方眼プラバンを裏に貼り合わせて(端部の厚みを保持する目的も兼ねて)、その後ゴリゴリと削る。下左写真は、右が削る前の下準備状態。左がおおよそ外形を削り終えた状態。

屋根と違って目安となる等高線などはないが、横から光を当てるなどしてカーブの具合を確認しつつ削り、おおよそ満足のいくカーブが仕上がったら、裏の方眼プラバンに従って窓を開ける。

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その後、ディテールを追加、フェンダーに合わせた下部の切り欠きも加工した。

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表側のレバーと裏側の窓ガラス上下用のハンドルはキットのドアパーツのモールドを移植。レバーの位置は、実車ではだいぶドアの端寄りのようなので、キットのモールド位置よりも外側に寄せて接着した。

裏側のレバーはキットにモールドがなく、コの字の取っ手は片方のドアにだけあったが(もう片方は成形不良で欠落)、そもそも形もよくなかったので、新たに製作した。新しく作った裏側のレバーは表側のレバーよりだいぶ低く、小さめになってしまったが、これは製作途中で仮組みしてみたら、表と同じ大きさで作ると椅子の背と干渉することが判明したため。実車はたぶん同じ形/同じ大きさだと思う。

また、実は取り付けてある高さも表より若干高くズレているのだが、これは帯状の凸部を深く考えずにキットパーツに合わせた幅で作ってしまったせいで(レバーはその凸部の下端近くにある)、本当は凸部をもうちょっと幅広に作るべきだった。実を言えば、窓ガラスの開閉ハンドルも、もう少し内側寄りが正しい。これもキットのモールドに無批判に従ってしまったせい。わざわざ鉛筆で十字に取り付け位置を記入してあるのがちょっと侘しい。

というわけで、ディテール的にはいい加減で、「まあ、内側にはそういうディテールがあるんですよ」という存在証明程度にしかなっていない。が、面倒なので作り直さない。はっはっは。私にそれほど高度かつ厳密な工作を求めてはいかんよ。

●もちろんドアを作ったら「はい、キャビンは終わり!」というわけにはいかず、各部をきちんとフィットさせる必要がある。そもそもキットのドアパーツは寸法がいい加減なので、改めて前面・背面とすり合わせないといけないのだが、その前面・背面と、位置決めの基準になる床面とのフィットが今一つキッチリしていない。当初、キットの背面パーツをそのまま床面に接着しようとしたら、前のめりに角度が付いた。

とりあえず、そのあたりは削り合わせて、床面と背面は一度は接着してあったのだが、ドアと、それを介しての前面とのフィッテイングを見ている間に、背面パーツの微妙な変形やパーツ端部の成形の粗さが嫌になってきて、結局、「細かな難点にひとつひとつ対処するよりは」と、床面から背面パーツをもぎ取って、新たにプラバンで作り直してしまった。

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椅子の背部分はキットパーツでは背面板と一体になっているため、これもプラバン+プラ棒でおおよその外形を作って削り出し。なんだか今回、プラ材からの削り出しばかりやっている気がする。荒目のスティックヤスリ、大活躍。

なお、新造した方の背面板で後部窓の上下にレール状のものがあるのは、実車の窓が横にスライドして開く構造になっているため。もちろん、それらしくプラバンの細切りを貼っているだけで、可動の再現は考えていない。

●キャビンに関しもうひとつ問題は、「全部組み上げてしまうと中が塗れない(特に椅子が塗り分けられない)」ということ。もちろん手間を惜しまない人なら、「塗りながら組めばいいじゃないか」ということになるのだが、塗装があまり好きではない私は、できれば後でまとめてやっつけたい。

これに関してはあれこれ手順を考えたが、上記のように背面板の椅子の背を別部品として作ったついでということもあって、塗装の便を考え、床部品から椅子の座面をノコギリでスライスして切り離した。その後、ハンドルやペダル、レバー類を接着。基本はキットのパーツを(若干の疑問はありつつも)そのまま指定の場所に取り付けたが、ハンドルの軸は、誘導輪軸に使ったのと同じ、ドラゴンのT-34の角型燃料タンクのランナーがぴったりの太さだったので使った。妙に今回、このランナーの活躍場所が多い。

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後々の取付の際にズレなく簡単に取り付けられるよう、我ながら「余計な努力を……」と思ったものの、椅子の土台と座面の接合面にはわざわざダボを新設した。部分的に白いのは、ノコギリを入れた跡がデコボコになったのを(プラバンと瞬着で)修復したため。

そんなこんなで、結局、キャビンの前後上下左右6面のうち、4面が自作になってしまった。レジンキットの作り方として、何か間違っている気がする……。

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Wz.14/19 100mm榴弾砲 IBG 1:35

20210219_213319 ●IBGの新製品、Wz.14/19 100mm榴弾砲・機械化部隊型(Wz.14/19 100mm Howitzer Motorized Military、#35060)を購入したので、簡単にそのキット紹介など。

新製品とは言っても、実際にはすでに数年前(Scalematesによれば2014年)に出ているシュコダ100mm榴弾砲 vz.14/19に新パーツをいくつか追加したバリエーション・キットで、シリーズ5作目ということになる。一応、以前の4作のラインナップを記しておくと、

  • シュコダ100mm榴弾砲 vz.14/19(#35025):vz.14榴弾砲を第一次大戦後に改良・長砲身化したタイプ。
  • シュコダ100mm榴弾砲 vz.14(#35026):キット番号はこちらが後だが、砲自体はこちらが第一次大戦中にオーストリア・ハンガリー軍向けに生産され使われた最初のタイプ。
  • 10cm LeFH 14/19 (t)(#35027):車輛牽引用にゴムタイヤを付けたvz.14/19。LeFH 14/19 (t)は接収使用したドイツ軍呼称。
  • Obice da 100/17 Mod. 16(#35028):イタリア軍型。山砲タイプ?

●実際の砲は、上にも書いたように当時オーストリア・ハンガリー領だったチェコのシュコダ社が同国軍向けに開発した榴弾砲で、最初のvz.14(14年型、の意)、オーストリア・ハンガリー軍名称「10 cm M.14 Feldhaubitze」は、同軍で6500門近く、さらにその山砲型であるM.16は350門近くが使われたらしい。

大戦中の鹵獲、および戦後の賠償で同砲を大量に入手したイタリアでは、独自の改修なども加えつつ、第二次大戦まで使用している。

一方、戦後独立したチェコスロバキアでは、シュコダ社が長砲身化した改良型であるvz.14/19を開発。これはポーランド、ギリシャ、ユーゴスラビアなどに輸出された。特にポーランドでは、1920年のソ・ポ戦争当時に多数を購入しただけでなく、1928年~39年にライセンス生産も行われている。

また、ドイツは大戦初期にチェコ、ポーランド、ギリシャ、ユーゴの砲を接収・鹵獲、主に二線級部隊で使用している。

20210219_213427 ●というわけで、今回私が購入したのは、ポーランド生産型で、車輛牽引用のゴムタイヤ付きのもの。

あー。S Modelのポルスキ・フィアットのハーフトラックを買うときに、「どうせ牽引させる砲もないし」と、基本形のwz.34を買っちゃったけど、こんなことなら砲牽引車型のC4Pにしとくんだったー。

先行キットのシュコダ100mm榴弾砲 vz.14/19(#35025)、Obice da 100/17 Mod. 16(#35028)の2種に関しては、発売後間もないころに、hideさんが簡単なレビューを上げている。それにしても、hideさんは音沙汰なくなって久しいが、今頃どうしているやら。ちなみに、その時のレビューでhideさんは「da100/17は伊軍お馴染みガントラックの備砲になって(中略)ついでに出さないかなぁ、IBG」と書いている。出しましたよー。出ましたよー。(→コレ

さて、hideさんのレビューを読んで貰えれば、実はそれ以上あまり言うことない気もするが、それでは身も蓋もないので改めて紹介。中身は、プラパーツの枝が大小取り混ぜて6枚。金属製削り出し砲身が付属、デカールが1枚。エッチングは無し。

▼まずはプラパーツについて。基本パーツの以下の2枝はシリーズの先行キットと共通。

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左がA枝。基本、砲架周りのパーツ。右がB枝で揺架に付く細部パーツや防盾関係。B枝のパーツでかなりの割合を占めるフェンダー付き防盾や、いかにも旧式野砲っぽい、防盾前に付く椅子などは、シュコダ製のオリジナルの3バリエーションに使うもので、今回のポーランド型の場合はごっそり不要パーツとなる。

残りの小さな枝群が以下。

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一番右のG枝は砲身(とその関連パーツ2つ)だが、前述のように砲身は金属挽き物が入っているので、こちらを使う人は少なそう。左のH枝2枚はポーランド型の車輪。もしかしたら、やはりIBGから最近出た75mm mle.1897のポーランド仕様にも使い回しできるのかもしれない。まん中のI枝はポーランド仕様の(フェンダーが付いていない)防盾ほか。なぜか組立説明書のパーツ展開図では、このパーツも「×2」(つまり2枚入り)と表記されている。「小パーツの中に2組必要になるものがあるのか? 欠品か?」と一瞬焦ったが、どうもそういうこともなく、単に説明書の表記ミスのようだ。

G枝(砲身)はシリーズ最初のキットにも入っていた枝で、残る3枝(H枝2枚とI枝)が今回のポーランド型用の新パーツということになる。

プラパーツ群は全体に「良くも悪くもIBG」な感じで、即座に「これはアカン」と断じるような部分はない(と思う)が、全体的にシャープさや細部ディテールは不足している。

「全体的にピリッとしないなあ」以外に、現時点で個人的にだいぶ気になっている点は以下の2つ。

・尾栓は開いた状態……なのかと思いきや、右写真のパーツを側面の窪みにはめ込むよう指示されている。するとどうなるかというと……尾栓の左右は「閉じた状態」を表しているにもかかわらず、肝心の中心部は筒抜け。「町京子ちゃんの首はどこにある?」状態。なんだそりゃ。

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・ポーランド軍用の防盾は、私の入手したキットでは、やや中心が膨らんだような形状になっていた(下写真では、上縁部分の影の付き方でなんとなくわかるのではないかと思う)。ポーランド型の防盾は実は平らじゃない、なんてこともあり得るのか?とも思ったが、ランナーそのものがややねじれが出ていたので、やはり単純にパーツに反りが生じているようだ。

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実のところ、シュコダ100mm榴弾砲 vz.14/19の防盾についてhideさんが書いているように、このポーランド仕様の防盾もやや厚めで、できれば0.3mm板あたりで作り直したいところではあるが、そこそこ表面ディテールのモールドがあり、かつ、下部は緩やかに曲がっているので、自作はそこそこ面倒くさそう。悩ましい。

▼金属砲身について。

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金属砲身付きなんて、なかなか贅沢だね!……というのは、まあ、その通りなのだが。これについては、hideさんがすでに言及している通り、

  • ライフリングがやや大げさ。
  • ライフリングの切削屑が、そのまま砲口奥に残っている。
  • 中途の"たが"のように太くなっている部分のプロポーションがややおかしい。

など、あれこれ問題がある。しかし、ライフリングが大げさだからと言って、逆にライフリングのないプラの砲身を使う(自分でライフリングを再現する?)という人はまずいないだろうし、切削屑については掻き出すとなると面倒くさそうだが、黒く塗ってしまえば処理しなくても構わないかもしれない。

プロポーションに関しては、プラ砲身のほうを使えば削って「たが」を作り直すことは可能かもしれないが、その場合、砲身の台座部分駐退復座レールに乗る部分も(たがに合わせて溝があるので)作り直す必要が出てくる。結局のところ、「これはこういうキットだから」と割り切って作るのがよさそうだ。いや、だって金属砲身もったいないでしょ(←貧乏性)。

▼デカールは4種類、とはいっても、防盾表側、向かって左上に記入される女性名が4バリエーションあるだけ。

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入っている名前は、MARYŚKA(マリシュカ、マリアの愛称?)、BAŚKA(バシュカ、バルバラの愛称)、URSZULA(ウルシュラ)、ZOŚKA(ゾシュカ、ゾフィアの愛称)の4つ。実は先に発売された同じくIBG製の、大戦後半、自由ポーランド軍で使われたアメリカ製75mm mle.1897のキットにも同様の女性名デカール(ゾシュカを除く3種)が入っていて、「そんなに大砲に同じ名前ばっかり付けてるのかよ、ポーランド人!」って感じ。アントン、ベルタ、ツェーザー、ドーラ……みたいにアルファベットに対応しているっぽくもないし。

も一つ問題は、箱絵はオリーブグリーン一色だが、説明書の塗装説明は1939年戦役時の第10機械化騎兵旅団所属の3色迷彩のみで、「名前は4つの中から自由に選んでね」状態。ナニソレ。

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ソミュアのケグレス(5)――キャビン周り・その2

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

●おおよそ屋根は削り終わったが、キャビン側がきちんと形になっていないと、屋根の仕上げもできない。

本当はドアを削ろう……と思っていたのだが、窓をくりぬくのが面倒臭そうだったので後回しにし、まずはキャビン前面パーツをいじる。

このパーツで一番大きな問題は、前面がウネっていて、ボンネット部品と綺麗に合わさらないこと。おおよそ、真ん中が窪んでいる感じなので、人によってはポリパテを盛って削りそうだが、私自身はパテ工作が非常に苦手なので(というより、我が家にポリパテがないので)、とりあえず前面を粗く削り、プラバンを貼り増して削った。

側面にある小パネルのモールドと上部の燃料注入口のモールドは、当初は残しておくつもりだったのだが、このモールド自体もあまり綺麗でなく、またこの面自体も若干の凹凸があったので、ディテールは後で再生することにして、一緒に削り落としてしまった。

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また、この突出部の前面には、周囲に薄い鉄板で縁取りがある。

全体が直線なら単純にプラバンやプラペーパーを帯状に切って貼ればいいのだが、曲線もあるとなると、均等な幅に切るのが非常に面倒になる。

どんな手順で工作するかあれこれ悩んだ末、0.3mmのプラバンを一度少量の瞬着で仮止めし、外周を綺麗に削って合わせた後に剥がして、外周だけを細く切った。……というより、割と粗く切り出したのちに、細く均等な幅の帯になるよう手作業で削り込んでいった。

薄くてすぐにグニャグニャするプラバンを細く削り込んでいくというのは厄介で、削り始めてすぐに「こんな手順でやろうとするなんて、バカ?」と思ったが、もう始めてしまったものは仕方がないので、そのまま削り上げた。

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……型紙でも作って、まずは内側をくりぬいたプラバンを作って前面に貼り、そのあとで周囲を削り落とせばよかった。

その後周囲のモールドを再生。上面には、キットでは忘れられていた通風孔と思われるフラップを追加。また、垂直面と突出部の接合部(入隅部分)には、伸ばしランナーを接着した。

なお、レジンパーツとプラパーツを接着するには基本瞬着を使用するわけだが、側面のパネルと上部フラップについては、接着時に余裕をもって位置調整がしたかったので、ひと手間掛けて、レジンパーツの表面を浅く彫り込んでプラバン片を瞬着で接着。その後ツライチになるよう削り込んで接着面の「受け」とし、パーツを普通のプラ用接着剤で付けられるようにした。

まあ、こんなことしなくても、普通はゼリー状瞬着を使うか、プラ用接着剤で仮止めしてサラサラ瞬着を流し込むか、で済むんだけれども。

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先述の、前面周囲の「フチ」に関してはヤスってかなり薄くし、その上に小リベットを並べた。小リベットは(側面パネルのものも含めて)タミヤの48マーダーIIIの転輪周囲のもの。

以上の作業を終えて、また例によってシャーシ上に上物主要パーツを並べてみたのが以下。

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まだ道のりは遠そう。

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ウグイスの初鳴き

●19日金曜日、名越の山の中でウグイスのさえずりの初鳴きを聞く。

「いや、ちょっと待って。今のウグイスの声だよね? ウグイスって2月にもう鳴くもんだっけ?」

などと思いつつ、立ち止まってしばらく待ってみたが、結局、第2声は聞けなかった。

あれは結局聞き間違えだったんだろうか、などと思っていたのだが、21日日曜日、二子山に登りに行って、二子山上ノ山~下ノ山~阿部倉山と縦走する間に、今度は数回耳にした。

ちなみに「ウグイスの初鳴き」は、気象庁がまとめている「生物季節観測」のメニューの一つに取り上げられていたのだが、2020年11月、気象庁は生物規則観測の対象となる種目・減少を大幅に削減することを発表。ウグイスの初鳴きも、対象から外されてしまった。

大幅削減の理由は、個体数の減少などにより観測自体が難しくなったり、ブレが大きくなったりしたためだそうで、動物23種、植物34種が対象だったものを、動物(ウグイス含む)は全廃、植物もアジサイ(開花)、イチョウ(黄葉・落葉)、ウメ(開花)、カエデ(紅葉・落葉)、サクラ(開花・満開)、ススキ(開花)の6種目9現象に絞られることになった。寂しいことよ。

●上で書いたように、21日日曜日、二子山に登る。

ここのところ、近所から二子山をはるかに眺めて、「そろそろ久しぶりに行くか」と思ったのが一つ。さらに、草が茂っていないこの季節こそ、二子山上ノ山から下ノ山、阿部倉山のルートを歩くにはもってこいなのではないか、と思ったのが理由の二つ目。

Hutago 以前にも書いたが、二子山上ノ山山頂までは、高角砲陣地があった名残りで自動車も通れる「砲台道」が続いているため、お散歩感覚で登ることが出来る。が、そこから先、双子の片割れである下ノ山と、それに隣接する阿部倉山にも足を延ばそうとすると、途端に道は面倒臭くなる。

そもそも二子山の二つの山は「寄せて上げて」みたいな格好をしていて、間の谷は妙に深く切り立っている。上ノ山から下ノ山にハシゴするには、その谷を「降りて、登って」する必要がある。右写真は名越の大切岸から見た二子山。この角度からだと阿部倉山は下ノ山の手前になるので判らないが、下ノ山と阿部倉山の間の谷も結構険しい。

そもそも上ノ山山頂と違って、下ノ山山頂と阿部倉山山頂には何があるというわけでもないので、そちら方面に歩くのは、初めて二子山に登った時以来。

●まあ、一応上ノ山に来たからには、恒例行事的に砲座跡と、藪の中の探照灯台座(?)のコンクリート柱を撮る。

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相変わらず、藪の中のコンクリート柱は頭がかすかに見えるだけ。

前述のように上ノ山から下ノ山、阿部倉山に向かう道はかなり険しく(といっても、もちろん、逗子・鎌倉近辺の山のレベルで「険しい」なのだが)、途中は上り下りの補助のためにロープが張られている場所も。久々に歩くと結構きつく、ああ、hn-nhさんやみやまえさんを道連れにしたい!などと不穏なことを考えたが、前述のように下ノ山や阿部倉山に軍事遺構の類は特にないので、多分付き合ってくれないだろうなあ。

下写真群1枚目は上ノ山と下ノ山間の道の最も低い部分の尾根。この写真だと、「まっすぐ綺麗な歩きやすそうな道」にしか見えないが、左右はほとんど断崖絶壁という、逗子・鎌倉近辺の山ではよく見る狭い馬の背の尾根。3枚目は下ノ山山頂。以前に訪れたときは普通だった看板が、アバンギャルドな状態に。これも前に書いたが、終戦直後の米軍の空撮写真を見ると、下ノ山山頂にも何かの施設(観測所?)があったように見えるものの、現在は(ちょっと怪しい深い窪地以外)特に何の痕跡もなく、木も茂っていてまったく見晴らしも利かない。

4枚目は下ノ山~阿部倉山間の最も傾斜がきつかった下りで、この写真だと判りづらいが、写真の道の先と足元とでは、たぶん5m以上の高低差がある。しかし、こんなに険しい山道なのに、片側の谷の木々を通して南郷中学校や南郷上ノ山公園が見え、公園のグラウンドで遊ぶ子どもたちの歓声やサッカーボールを蹴る音が響いてくるので、なかなかシュールだ(結構奥山に踏み入った気がするのに、ふと気付くとすぐ横が住宅地、というのは、逗子・鎌倉の山道にはよくある)。

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6、7枚目は阿部倉山から降りきったところの石仏群。最後の1枚は人里に降り立って振り返ってみた阿部倉山。二子山もそうだが、お椀を伏せたような山なので、ふもとでむしろ傾斜がきつく、山頂は割となだらか。

●ここのところ毎年、フキノトウの収穫をアテにしている野原が、今年は冬の間に草刈りされなかったこともあってか、ほぼ壊滅状態で、ごくごく小さなフキノトウが少数しか採れず。

半ばあきらめかけていたのだが、あちらこちらで少しづつ採り集めたら、結局はある程度の量になったので、フキ味噌とオリーブオイル漬けを作った。相変わらず、材料の分量に関してはまるっきり適当。

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今年のフキノトウはこれで打ち止めかなあ。ちなみにノビルも全滅状態。

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ひぽぽたまんデカール

●すでに前世紀の話になってしまったのだが、nifty模型フォーラム時代からの友人、はるとまん氏と共同で35AFV用のデカールを自作して、コミケだの、模型店への委託だので少数売ったことがある(1999年~2000年)。

図案は私がお絵かきソフトで(ぶっちゃけて言うとwindowsのペイントで)制作し、それをはるとまん氏があれこれ調整して、氏の持っていたアルプスのプリンター(白が印刷できる!というので、デカールを自作したいモデラーの間で人気があった)で刷る、という共同作業で、私:かば◎と、はるとまん氏(模型仲間内での呼称はたまん、たまんちん、たまんさんetc.)の名前を掛け合わせて、レーベル名は「ひぽぽたまんデカール」。

20210218_233250 中身は私の趣味全開(言ってみれば私の趣味に無理矢理たまん氏を付き合わせた感じ)で、第1集が小国陸軍詰め合わせ(ハンガリーとブルガリアとスロバキアと中国)、第2集がフィンランド、第3集がルーマニアだった。

改めて見てみると、考証のミスがあったり、中間色のベタがうまく出ずに細かい縞模様が入ってしまっていたり、そもそもベタのクリアデカールのシートに印刷しているのでいちいち切り出す手間がかかったりと、いろいろ問題もある。が、何より最大の問題は、自分が欲しくて作った癖に、これを使った私自身の完成品が今なお一つもない、ということだろうと思う。

いやもう、デカール作ってから5分の1世紀過ぎちゃいましたよ。かろうじて、デカールまで貼った作りかけとしては、スロバキア陸軍のLT-38がある。……今年は完成させたいなあ。

なぜいきなりそんな昔話をしているかというと、現在進行中の「SUMICON 2021」でご一緒している「遼太郎」さんが、なんとこのひぽぽたまんデカールを使って作品を完成させたことがある!というのが判ったため。ご本人の許可を頂いて、作品写真を掲載させていただくことにした。

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一瞬、「わ、すごい、TACAMだ!」と思ってしまったが、よく見るとIII突用のStuKを流用した即席マーダーIIIというレア車種(サイバー白箱でキットが出ている)。いやまあ、実際にTACAM(=対戦車自走砲)ではあるんだけれども。

デカール指定の車種でなく、いわゆる「IF仕様」だが、TACAM R-2用の塗装とマーキングがバッチリ合っていて、いかにも「ありそう」な雰囲気。ルーマニア軍の「カーキ色」がどんな色だったかはルーマニアのサイトの掲示板でもあーだこーだ論争になっていたくらいで、実際のところよく判らないのだが、遼太郎さんのこの作品の色は、私のイメージするルーマニアン・カーキ(ちょっと緑色に振れた感じのOD色)にもよく合っていて素敵。

今度たまんちんにも教えてやらなきゃ。

20210218_173125 ●母が、田舎(奄美大島)から“たんかん”が届いたので取りに来いというので、川崎の実家に泊りがけで出掛ける。たんかんは(日本では)奄美、沖縄あたりでのみ作られている亜熱帯産の柑橘類で、wikipediaによればポンカンとネーブルの交配種だそうだ。何年か前、ミカンコミバエが発生して島外への出荷が禁止されたりしたが、その後復活した。

親戚(従姉)が地元で買って送ってくるものなので、都会で流通するような見栄えのいい実ではなく、見てくれは何となく悪いが、味は悪くないはず。一般に、普通のみかん(温州みかん)に比べ非常に甘みが強いが、皮が薄いくせに剥きづらい。今回貰ってきたものはまだ食べていないが、さて、今年分の味はどうかな。

20210218_094158 ●昨日(18日)は今季一番の冷え込みだったとか何とか。ただ、その前日・前々日あたりと違って風があまりなかったのが救い。

右は実家の近所、団地の日陰の斜面で見た霜柱。

●我が家の近くにある国の史跡「名越切通」は、切通本道と、隣接する「まんだら堂やぐら群」、北東に伸びる尾根筋の「お猿畠の大切岸」が指定区域だが、数日前に歩いていたら、その大切岸下の遊歩道の北東端の藪が切り開かれて、その先に歩けるようになっていた。

20210211_141313 20210211_141218 大切岸北東端の「水道山」(鎌倉逗子ハイランドに水道を供給する施設がある)南面には、崖に巨大な横穴があって、10年前、東日本大震災の直後に散歩していてその横穴にたどり着いてびっくりしたのだが、その後、藪に覆われて見に行けなくなっていた。

今回、道が切り開かれたおかげで、久しぶりに見ることが出来た。震災直後に大穴を初めて訪れた際の記事はこちら。この時は「巨大なやぐら」と書いているが、実際にはやぐらではなく、石切り場の跡だと思う。

右写真、1枚目は大切岸下遊歩道の突き当たりから新しく切り開かれていた小径。笹薮を突っ切る形。さすがにこの笹薮がそのままの状態のところはなかなか歩けない(と言いつつ、ちょうど1年前、そんな笹薮にhn-nhさんとみやまえさんを道連れにして突入したが)。

この小道をそのまま道なりにどんどん進むと、やがてちょっと下って、水道山の尾根から名越里山に下る山道に合流する。その途中に、斜面の上に上がる分かれ道があって、落ち葉に埋もれかけた古い石段がある(写真2枚目)。これを上がっていくと、例の大穴がある。震災直後の記事で、「藪に埋もれかけた石段が下の方にあるのだが、下っていったら竹薮で行き止まりになった」と書いてあるのが、今しがた登ってきた道だったという次第。で、久しぶりに見た大穴がこちら。

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家具など持ち込んで悠々暮らすことが出来るほどの広さがある……が、このところ逗子近辺では崩落死亡事故が何件も起きているので、不用意に入ったりしないことにする。何しろこんな場所で崩落に巻き込まれたら、しばらく発見されないことは確実。

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ソミュアのケグレス(4)――キャビン周り

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

●前回の車体前端部の工作に関しては、その後、シャーシフレーム先端の切断部分を少々削ったり盛ったりして、超壕ローラーの位置をやや高めて再接着した。ついでに「上物」も仮に置いてみて様子を見たのが以下の写真。

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友情出演の阿修羅さんは35等身大よりやや大きめ。35倍してみたら、身長2m20cmくらいだった(髷含まず)。

●そのままエンジンボンネットの追加工作とかキャビン前面とのフィッティングとか、とも思ったのだが、ちょっと矛先を変えてキャビン屋根を作ることにする。

キャビン屋根については、そもそもキットのパーツのまま何も考えずに組もうと思っていたのだが、たまたまfacebookで同じキットを組んでいる方から「厚み不足では」と指摘され、「そう言われれば、なんとなくそんな気がしなくもないような」と考え出す。それだけならパテ盛りかプラバンの張り増しをして削って修正、というのもよかったのだが、ここで、初回に書いた「ドアパーツの微妙な歪みの修正が面倒なのと、そもそも寸法が合わないので新調しよう」問題が再浮上。

キットのドアは(歪みは置くとして)基本、まったく平板状になっているのだが、実車写真を見ると、どうもこのドアは緩やかに外側に向かって膨らんでいるらしい。以下は、"L'AUTOMOBILE SOUS L'UNIFORME 1939-40"からの引用。

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ドアに光が当たっているので、アールが付いているのが判りやすいと思う。

一方で、キットの屋根パーツは、平板なドアに合わせて、平面形の左右は直線的に前方に向けてテーパーが入った状態になっている。結局、全体的に形状を直すならと、プラバン積層のブロックから削り出すことにする。写真右がキットパーツ、左が削り出す元のブロック(基本は1.0mmプラバンの積層。一部2mm角棒。写真は裏側で、裏が真っ平らな塊というのも何か嫌だったので、2mm分ほどは窪んでいる。下は平面形出しのためのテンプレートとして切り出した0.3mm方眼プラバン。

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削っている間にいちいち確認し直さなくてもいいように、ブロック裏側後辺の中央には、ノコで刻み目を入れてグレーのプラバンを埋め込んで、中心線の印とした。

●というわけで、ガリゴリ削り作業中。

表側に関しても、一番上の1mmプラバンを中心線で分割し、色プラ(タミヤ48マーダーの、リベットを削いだあとのジャンク車体)を挟み込み、削り作業中に常に中心線を確認できるようにした。金剛力士様は力業の具現化として御登場頂いたもの。ほぼ35等身大。

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削り始めて思ったこと。……タミヤの白いプラバン固いよう。ここは昔ながらのバルサとか朴材とかにすべきだったんじゃないかと、ちょっと前の自分を小一時間(以下略)。

いやいや。バルサや朴材だと簡単にエッジを潰しそうだし。瞬着の目止めとかも、一度してみたい気もしたけれど。とにかくもう削り始めちゃったわけだし。って、そんなことをぐじぐじ言っている間に、小一時間、一心に削れ!(金剛力士様よりのお達し)

散歩の途中でブロック塀とかにがーーーーーっと擦り付けたらたちまち削れるんだろうなあ。

●削り作業途中経過。

プラバン積層のメリットは、積層した接着面が等高線として出てきて、削る目安となること(もちろん、バルサとか朴材でも何かを挟んで積層すればいいわけだが、プラ材はまったく硬さの変化などが出ないのがよい)。

以下はまだあまり削っていない段階(左)と、だいぶ削り進めた段階(右)の写真。等高線が徐々にまん中寄りになり、最上部の1mm厚で挟んだ中心線の色プラもやや短くなっているのが判ると思う。

もっと厳密・正確に削る場合には、もちろん、断面形雌型のテンプレートなどを用意すべきだが、この屋根程度なら、等高線頼りの目分量でもなんとかなる。ただし、もっと見やすくするために薄い色プラ材を(水平方向にも)挟んだほうがよかったかな、とも思う。

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キットの屋根パーツは、前述のように平面形で左右辺が直線的にテーパーがかかっていて、さらに側面形でも上部ラインが直線的。仕上がりの目標としては、「どの部分も緩やかにカーブ」。なお若干削り進めるかも。また、屋根前端、フロントガラスよりも前の「ひさし」の部分は、後ろ側に比べて一段下に長くなっているので、今後、その部分を貼り増す必要もある。

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ソミュアのケグレス(3)――車体前端部の改修

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の第3回目。

●前回書いた、足回りの組み立てが一段落した段階では、

「やれやれ、これで一番面倒な部分はクリアした! あとはちょっと気になる部分とか、いじっていて楽しい部分にちょちょっと手を入れるだけだ!」

なんて、すっかり山場を越えた的な気分でいたのだが、実際には、まだまだ地雷原は抜けていないことが判明した。やれやれ。

●とりあえずシャーシが形になったので、上物に取り掛かろうと思い、キャビン周りの仮組みやすり合わせなどを作業中。

まず、キットのラジエーター~ボンネットのパーツは以下のような感じ。ボンネットサイドはシャーシフレームに乗っかるが、ラジエーターグリルの下端はそれより下に出っ張っている。これはこの当時の車(特にトラック)にはよくあること。組み立てる時は、この出っ張ったラジエーターグリル下端を、シャーシの前端に引っかける形になる。

一体成型のラジエーター~ボンネットパーツがやけに分厚いのは、その分変形がなくて助かっていると言えなくもないし、「ボンネットサイドのルーバーの高さが揃ってないじゃん!」というのは、キットのおおらかさだと取ってもらってスルー推奨。

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●が、この過程で嫌なことがわかった。

上の2、3枚目の写真に写っているキャビン床~前部フェンダーのパーツは、取付位置のガイドなどはないが、足回り(前輪と履帯)とフェンダーとの位置関係で、おおよそ位置は確定できる。

が、先述のようにラジエーター下端をシャーシ前端に引っかけた位置で固定すると、シャーシ床パーツとボンネットの位置関係がおかしくなり、キャビン前面とボンネットの間、あるいはキャビン前面とキャビン床パーツとの間に、3mmほども隙間が生じてしまう。

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●さすがにラジエーターグリルの下端を削り飛ばすわけにはいかないので、とりあえず、ボンネットを後退させることができるように、シャーシ前端のクロスメンバー(横方向の構造材)の上部をラジエーターグリルがはまる深さまで彫り込んでみる。

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その結果のbefore/afterが以下。

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左がキットのままの位置で、右が後退させたもの。そもそもキャビンとの接続部がガタガタしているので一見あまり変化がなく見えるが、ラジエーター前面のラインと、前輪サスペンション・スプリングの取付基部(黄色矢印)との位置関係に注意して頂けると、後退しているのが判りやすいと思う。フェンダーまでちょっと後退しているが、これは単に仮置きしたキャビン床パーツがずれただけ。

実際に、ソミュールの現存実車の写真を見ても、サスペンション・スプリングの前部取付架とラジエーター前面の位置関係はこれくらいの感じのようだ。下写真はwikimedia commonsの"1936 SOMUA MCG5, in the Musée des Blindés, France, pic-1.JPG"から切り出し加工した。

Mcg5s1

この位置で、(なおも調整は必要ながらも)なんとかキャビンとボンネットは適正位置で収まりそうだと判ったが、一方で、上の施術の結果、今度は「シャーシのクロスメンバーとラジエーターの前面がほぼ同一ラインになってしまう」という問題が発生した。ここはソミュールの現存実車などを見ても、やはりシャーシ側が一段引っ込んでいないと、どうも格好がつかない。

●ここでまたもう一つ、別の問題。

上の写真に写っているように、このキットは今回の製作開始よりも前にお手付き製作で前端の超壕ローラーを接着してあった。これまた上の写真のように、この超壕ローラーには、ローラー面に2カ所、対称位置に小穴が開いている。これは、エンジン始動時に小穴を前後水平位置にして、ローラーを突き抜ける形で始動用クランクハンドルを差し込むためのもの(のはず)。

ところがキットでは……。

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ローラーの穴をおおよそ前後水平にして接着してあったにも関わらず、シャーシ側の始動ハンドル接続部と思しき突起と、ローラーの穴とに、極端に上下差が生じている(写真左はシャーシ裏側から撮ったもの)。その突起とローラーがほとんど接触しかけるくらい接近しすぎているのも気になる。

これに関しては、

「いや、もうローラー付けちゃったし。きっとクランクハンドルは、この突起よりもっと下に別の接続部があるんだよ。はっはっは」

と見て見ぬふりをしようと決めていたのだが、先述のラジエーター先端後退問題での作業を行うにあたって、ローラーが邪魔になった。結局、これも同時に対処することにし、ローラー軸のちょっと上あたりで、シャーシフレームにエッチングソーを入れて一度切り離した。

●ローラーがなくなって作業しやすくなったので、上の写真で上面を一段彫り込んだあたり、ちょうどキットのモールドで第一クロスメンバーにあたるくらいを、ガリガリと削り込んで後退させた。

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ソミュールの実車写真を見ると、第一クロスメンバーなのか、あるいはそこまでの強度はない単純な保護プレートなのかよく判らないが、とにかく前端の横材は、キットの当初のモールドよりももっと縦に深さがあるようだ。そこで、エンジン始動用ハンドルの問題解決との兼ね合いで、上記の前端削り込みで露出したフライホイール?も削ってしまい、新たに基部となるパーツを付け直した(タミヤのヴェスペの上部転輪を削ったもの)。ほとんど見えなくなる部分なので、ほぼ気分の問題。

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そして、前面のディテールを新造・再生。ソミュールの実車写真を参考にしつつも、そもそもラジエーターとローラーの陰に隠れてよく見えないので、「まあ、なんとなくそれらしく」レベルの工作に止まっている。模型としても、この後、「ラジエーターとローラーの陰に隠れてよく見えない」状態になることを期待。

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ソミュアのケグレス(2)――足回りのフィッティング

●IBGからいきなり!な感じではあるけれど、7TPの発売が予告されて、今からうずうず状態。

CAMsのフィンランド軍型ヴィッカースに加え、ヴィッカース6t系列のキットはだいぶ恵まれてきたなあ……。CAMsはT-26までバリエーション展開したりするのかな?

●という話はさておき。「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

このキット製作工程のなかでも、おそらく一番の難関と思われる足回り工作。前回、とにかく転輪ボギーと履帯が何とかフィットするように調整したが、実際に足回り全体を組み上げるには、もう一苦労、二苦労する必要がある。

▼転輪ボギーと誘導輪桁。

誘導輪支持用の桁に関しては若干の歪みがあり、一番最初に茹でてある程度歪みを取ったのだが……実際に転輪ボギーをはめてみたら、転輪ボギーパーツと桁の左右幅が合っておらず、みっともなく前方に末広がりになってしまった。ぐはっ、なんじゃこりゃ!

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一瞬、「桁を作り直すか……」という良くない考えが頭をよぎったのだが、どうせ履帯を巻いてしまえば桁の平面形など判らなくなってしまうのだし、そこだけ精度をよくしてどうすんだよ、という脳内反対意見を採用し、スルーすることにする(スルが3回)。

なお、この誘導輪支持桁のパーツは、最初の状態だと、誘導輪取付部のちょっと前側(後ろの左右連結棒位置)に板状部分があるのだが(前々回パーツ写真参照)、これは単純にレジンの湯流れをよくするためのバイパスで、実際にそのような構造材があるわけではないようだ。

▼さて、足回り全体の組付け。

説明書では下写真のように、まるで何でもないことのように「まあ、この番号の部品をここに付けてよ」と、ざっくりと説明してある。

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が、実際には、

  • 転輪ボギーはサス軸を中心にゆらゆらシーソー状態。
  • 誘導輪も上掲パーツ写真のように、同一の軸から桁が伸びて上下動するとともに、履帯張度調整で前後に動く形。
  • 位置がきっちり決まっているのは起動輪だけだが、履帯が巻き付いている部分が一体成型なので、転輪側の位置が決まらないと取り付ける角度を決められない。
  • 履帯は上下部分が棒状に一体成型で、必要な長さより数コマ長く、しかも下側は本来、起動輪-転輪間と接地面とで角度が変わっているので、自分で場所を特定して曲げる(あるいは一度切って繋ぎ直す)必要がある。

という具合で、確実に組付けの基準にできるものがひとつもない。ちなみに説明書右の文章による組立ステップだと、誘導輪も取り付けた後に、最後に上側の履帯を付けろとあるが、それ、よほど慎重に位置決めしながら進めないと合わないよ……。

これがタミヤのキットなどの場合には、各パートの取付位置・角度がきっちりダボで固定され、規定の長さの履帯でウソのようにピタッと決まるわけだが、当然、このキットにそんな配慮無し。しかも履帯は前にアップした写真のように上下は真っすぐ棒状で、本来必要な長さより数コマ長いらしいことが判明。

ちなみに、前々回

組立説明書に図解は最小限で、あとは「*番のパーツを*番に付けろ」という具合に文章でステップ解説してあるだけ。その一方で、パーツリストのようなものは入っていないので、どのパーツが何番なのか判らないし、パーツの過不足もしっかり確認できない。ただし、いくらなんでも番号で手順を説明しているのにリストがないのはおかしいので、私自身が購入後にどこかに仕舞って無くしてしまった可能性あり。

と書いたのだが、たまたまfacebookで同じキットを作っている方がいて聞いてみたところ、やはり最初からそのようなものは入っていなかったそうだ。部品番号の意味、全然ないぢゃん!!

▼そんなこんなで組立手順に悩む。

しかしいずれにせよ、最終的に足回りがちゃんと接地するには前輪との高さ合わせが必要になるので、とりあえず前輪を接着(これまた取り付け部分がボール状で、まったく角度フリーなので、変に歪まないように付けるには気を遣う)。続けて、後部履帯部足回りユニットの中心軸となるシャフトを接着。この時、転輪ボギーや誘導輪支持桁は自由に動くようにしておいて、下に履帯を敷き、前輪と合わせて角度を調整する。

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前輪に関しては説明書に「0.5mm金属線を39mmに切ってでcontrol barを作ってね」と指示されている。長さからして、左右の車輪をつなぐタイロッド(名前合ってる?)のことだが、0.5mmではちょっと細すぎな気もしたので、それよりやや太めの(0.64mmだったかな?)エバーグリーンのプラ材を使った。

なお、本来はフロントアクスルとこのタイロッド、そして左右のアームが作る平面形は、タイロッド側が短い台形でないとおかしい(でないと、ハンドルを切ったときに左右の前輪の角度差が出ない)。が、車輪と一体成型されたアームを作り直すのも面倒でそのままとした(どうせ後々ほとんど見えないし)。

また、車輛に「生きている表情」を付けるため、ちょっと前輪を切った状態にしたい気もしたのだが、そうすると、今度はキットのパーツとして用意されているドラッグリンク(ステアリング・コネクティング・ロッド?……とにかくハンドル操作を前後動に変えて伝えるロッド)がうまく付かなくなりそうだったので、そのままとした。

上左の写真だと、前輪にややトー・アウト(前方に向けて前輪が逆ハの字に広がっている状態)が掛かっているように見えるが、これは単に写真写りの問題。ホントだよ!

▼その後の手順としては、

(1).履帯を下に仮に敷いた状態で、前輪と高さ・角度を合わせた転輪ボギーと、これも誘導輪を仮付けして角度を決めた誘導輪支持桁を接着固定。

20210209_194316 (2).起動輪に上側の履帯を繋げ、右写真のようにわらび、ぜんまい、こごみみたいな状態に。その後、上部転輪と上側の履帯を接着し、起動輪の角度を決める。

(3).下側履帯の起動輪~転輪間と接地面を切り分ける。起動輪~転輪間は4コマとした。その後、起動輪~転輪間、接地面の順で接着固定。

(4).工程の2と3で固定した上下履帯の位置に合わせて、最終的に誘導輪を接着固定。なお、ここまでの過程で、上側の履帯は2コマ分、下側の履帯は1コマ分、長さを切り詰めて調整した。

▼足回りの組付け完了。

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とりあえず上記の手順をイメージして、「よし、なんとかなりそう」とは思ったのだが、実際にはステップごとに調整が必要で、削ったり、一度付けたものをまたもぎ取って付け直したり、かなり難渋した。

それなりにきっちり出来上がっているように見えるが、実際には、真下から見ると履帯が蛇行していたり(いいんだよ!この角度から見てまともに見えれば!←開き直り)、転輪ボギーの裏側はだぼだぼ瞬着を流し込んであったり、内実はかなり野蛮な製作具合になっている。

ちなみに誘導輪を仮付けしているプラ棒は、ドラゴンのT-34の1940~41年型用角型燃料タンクのランナー(通常のランナーに張り出す形で枝がある)。径1.2mmほどの他にはない細さのランナーで、意外に重宝する。

また、転輪ボギー/誘導輪支持桁を支えるシャフトのアルミパイプのパーツが外側からも見えているが、これは工作手順の都合上、桁パーツから、外側のキャップ部分を削り取ったため(ディテールそれ自体も不足だったので)。この後再生予定。

起動輪は、キットのパーツでは外周に8本、一段窪んだ内周にも8本のボルト(ナット)のモールドがあるが、実際には内周は12本でキットは誤り。どうせ全体が大した出来ではないので直さない(横着の言い訳)。

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ソミュアのケグレス――着手

20210130_103656 ●そんなわけで、急遽製作に入った、DESの1:35、ソミュアMCG5ハーフトラック。同社からMCG5は2種類出ていて、私が作り始めたのは、キット番号#35023、"SOMUA MCG5 d'accompagnement 1935/40"というヤツ。

"accompagnement"というのは随伴といった意味の言葉で、ということは補給とか回収とかの用途のために装甲部隊に配属されている車輛なのか?……と思ったのだが、そうではなくて、105mm野砲(シュナイダー105L Mle.1936)とか155mm野砲(シュナイダー155C Mle.1917)、あるいはそれらの弾薬トレーラーの牽引に用いられたものらしい。それがなぜ随伴?

一方、同社から出ているもう一つのMCG5がキット番号#35025の“Somus MCG5 de dépannage 1935/45”で、こちらがキャビンの形状がちょっと違い、荷台後部に簡易クレーンのようなものが付いている。“dépannage”は修理の意味で、こちらのほうが回収型。ただしこちらも主として、牽引車型と組み合わせて砲兵部隊用だったらしい。

いずれにしても、同じくケグレス方式のフランス軍のハーフトラック、ユニックP107のNKC製のキットを作ったことがあるが、姿形は似ていても、キットの出来は雲泥。NKCのユニックはパーツの一つ一つが繊細で完成した姿も素晴らしかったが、このDESのキットは大味で、細部ディテールも結構怪しい。

●実車について。

何はともあれ、フランスのケグレス方式のハーフトラックはどれも似通っていて、どうにも区別がつきづらい(それを言うならドイツのハーフトラックだってみんなほとんど相似形だが、そちらは長年資料で見てきたせいか、それなりに区別できる)。

特にソミュアのハーフトラックは、最初の量産型のMCG4があり、改良型(エンジン強化型)のMCG5とMCG11があり、さらにその発展型で155mmGPF牽引用に開発されたMCL5とMCL11があって、それぞれ似ているの混乱する。

MCLは(たぶん)起動輪の形が大きく変わり上部転輪が2つになっているので区別がつき、また(MCG、MCLともに)5と11は、5が通常の荷台付きなのに対して11はカプラー付きで、大きな砲の脚の先端を背中に担ぎ上げるような格好になるので区別しやすい。が、MCG4とMCG5の区別がよくわからん……(ちなみに4にはカプラー付きのタイプもあるので、4と11の区別もよくわからん)。

一度整理すると、こうなる。

MCG4:最初のソミュア・ケグレス。荷台付きの「通常牽引車型」、荷台に簡易クレーン付きの「回収車型」、牽引用だがカプラー付きの「カプラー牽引車型」の3種がある。エンジンは55HP。

MCG5:MCG4の「通常牽引車型」「回収車型」のエンジン強化型(60HP)。

MCG11:MCG4の「カプラー牽引車型」のエンジン強化型(60HP)。

MCL5:MCG5の発展型でエンジンを大幅強化(80HP、後に90HP)。

MCL11:同じくMCG11の発展型。

まあ、このキットを完成させる頃には、MCG5の判別もできるようになっているかもしれない(なっていないかもしれない)。

ちなみに「ケグレス式」というのは、ハーフトラックの元祖であるアドルフ・ケグレス技師考案・特許の方式を指すが、なんとなくわかった風に言葉を使っていながら、では「ズバリ、どういう特徴を備えているのがケグレス式なのか」という点に関しては、私自身あやふや。とりあえず、英語版wikipediaの「Kégresse track」によれば、

・一般的な、金属履板をピンで繋いだ履帯ではなく、ゴムやキャンバス地などのフレキシブル素材のベルト式履帯を使用。

・転輪ボギーと後部の誘導輪をビームで一体化させた足回り。

ということになるらしい。となると、ユニックTU1とかは「ケグレス式」とは言わないのか? サスペンション形式が異なり、誘導輪が独立していて、かつハーフトラックでもないルノー・ケグレス・インスタンの場合はどういう扱いに?

●資料。

文献としてはフランス車輛の虎の巻、「L'AUTOMOBILE SOUS L'UNIFORM 1939-40」が手元にあるが、基本、写真はそれほどなく、車両の概略を知るためのお勉強本。……なのに全編フランス語。仏和辞典は手の届くところに置いてあるけれど、web上の文章をgoogle翻訳さんに放り込むことに慣れてしまった私に、単語を逐一辞書で引く気力はもう残っていない(もちろん、ちょっと手間を惜しまなければ、本のページをスマホで写して翻訳に掛けるという方法もあるが)。

現存実車の写真資料は、ソミュールの実車のwalkaround写真集がSVSM Galleryに出ている。

Somua MCG5, Musee des Blindes, Saumur, France, by Vladimir Yakubov

写真枚数は81枚。残念なことに、履帯は本来のものではなく、正体不明の金属製履帯に替わっている。荷台はキットのように中央が窪んでおらずフラットで、そのため、荷台床とシャーシフレームとの間には空間がある。こういうタイプもあったのか、レストアの結果なのか、あるいはキットの形状が違うのかなど、よく判らない(当時の実車写真を見ると荷台とシャーシフレームの間に空間があるようには見えないが)。

他にも、ドイツによる装甲ボディ架装型含め、現存実車は数輌あるようなのだが、それらのwalkaround写真は今のところ発見できていない。

●製作下準備。

まずは、ある程度以上の歪みが目につくパーツを釜茹での刑に処す。

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レジンキットではお決まりのステップ。若干ねじれた状態だった荷台(この状態で一体成型)、ゆるくカーブしていたキャビン前面はおおよそ修正できたが、ドアは歪みがうまく取れていない。全体的に寝ぼけたキットの中で「ビシッと」感を出すためにも、プラバンで新調したほうがいいかも……なんて思っていたのだが、その後キャビン周りを仮組みしてみたら、寸法的にもうまく合わないことが判明。新調決定。

SUMICON掲示板で、me20さんに「ドアが閉まらない予感が……」と言われたのが大当たり。

●そしていきなり最初の難関。

ごろんと一体成型の転輪ユニットは、ダブルの転輪の間が埋まり加減で、そのままでは履帯のセンターガイドが通らないのは一目瞭然。転輪間を削り込むか、履帯のガイドを切り飛ばすか、どちらかが必要なのは最初から覚悟していたが……。改めてパーツをチェックしてみて、「もっと面倒くさいことになっている」ことが判明した。

▼まず、履帯パーツはこんな感じ。

20210203_125346 20210204_183947

第一次大戦~20年代くらいの各種ケグレス式ハーフトラックはいかにも「ゴムベルト!」という感じの履帯が多かったが、30年代のものは、ゴムベルト(たぶん鋼芯入り)に、金属のシュープレートとゴムパッドをボルトで止めたと思しき履帯が登場して、シトロエンもユニックもソミュアもシュナイダーP16も、基本同じ形式のものを使っている。

キットの履帯は先述のように、起動輪・誘導輪に絡む部分はそれぞれのパーツと一体。残りが4本のベルト。上側はたぶんそのままで大丈夫だが、下側は転輪と起動輪の位置に合わせて曲げる必要がある。……まあ、それは後々考えよう(問題の先送りその1)。

接地面のディテールは、それなりに表現できている感じ。右写真で確認できるが、端の切断部が一部(特に左側の2枚の上端)、斜めになってしまっている(当然接地面側のモールドも斜めになっている)が、これまた後で考えよう(問題の先送りその2)。

なお、履帯のセンターガイドは凹形の中央に棒状の突起が出た形になっている。これに関しては、最初、「気泡が出来ないようにするためのゲート?」とも思ったのだが、どうやら、表のパッドを固定するためのボルトであるらしい。

▼転輪ユニットと履帯の関係だが、単純に履帯に転輪ユニットを乗せると、以下のようになる。

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1.「ダブルの転輪間が埋まっているのでセンターガイドがはまらない」のは前述の通りだが、それだけでなく、

2.転輪の全体幅が広く、履帯左右のガイドの間に収まらない。

3.しかも転輪自体が八の字シャコタン状態で(低まっているわけではないが)、さらに事態を悪化させている。

4.一方で履帯の側も、センターガイドと左右のガイドの間隔が不均等。

5.センターガイド自体も高すぎで、転輪間が埋まっていなかったとしても、そのままでは(見た目上も)前記の突起(ボルト)が転輪軸を直撃してしまう。ランズベルク軽戦車か、ってぇの(ランズベルクのセンターガイド問題に関してはこちら、かさぱのす氏による感動巨編を参照のこと)。

▼そんなこんなで、いきなり転輪と履帯の擦り合わせ(というより削り合わせ)から実際の作業を始めることになってしまった。

転輪、および上部転輪の間をガリゴリと彫り込み、さらに転輪の外側も若干削って厚みを減らす。この時、裏にする予定の側に関しては、転輪のリムのモールドもお構いなしに削り落としてしまうことにする。

また、履帯に関してはセンターガイドを削って低める一方、サイドのガイドは内側を削って転輪がはまる部分の幅を増した。なお、センターガイド中央の突起(ボルト)に関しては、そもそもキットのように明らかに棒状のものが突き出ているような大げさなものではない(少なくとも現存のユニックの履帯を見る限り)。

20210204_004014 20210204_150721

上写真は、それぞれ左側がすでに削り終わったパーツ、右側が未加工のパーツ。

これらの工作の結果、なんとか履帯に転輪ユニットがちゃんと接地するようになった。

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なんだか前途多難だなあ……。

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SUMICON 2021

●サイト「週末模型親父の部屋」が昨秋復活。さらに、この2月スタートで、みんなでわいわいAFVモデルを作るイベント「SUMICON」も復活開催されることになった。

作りかけをやたら抱えていることもあって若干迷ったのだけれど、ネットを通じてお付き合いの深い皆さんも揃って参加するということで、(やはりこういう機会だと完成が近づくので)ご相伴にあずかることにした。

Sum2021 ●今回はコンペ形式にはせず、まっさらの未製作からのスタートでなくても良い、ということではあったのだけれど、とはいってもあまりに製作を進めてしまったものでは何なので、あれこれ考えて絞った候補がこの4つ。

右上から時計回りに、

AZIMUT 1:35 ヴィッカース・ユーティリティ・トラクター:ベルギー軍が使用した1人乗りの軽トラクターのレジンキット。35なのに72クラスの小ささ。操縦席内が椅子だけでレバーとかペダルの類が何にもパーツ化されていないのが難点。履帯は非可動式のカステンのI号戦車用が入っている。

テックモッド 1:35 T-50増加装甲型:砲塔およびキューポラの形を修正しようと、若干手を入れた形跡あり。今T-50を本気で作るなら、たぶんホビーボスを選ぶほうがいいと思うのだが(ホビーボスのキットをちゃんと見ていないが)、このキットも(いかにも一頃の東欧製キットではあるけれど)、そう悪くはないと思う。何と言ってもこの「増加装甲型」キットのいい点は、ラジエーターグリル上の盛り上がった金網が、プレス済みのエッチングで入っていること。

M 1:35 D-8装甲車:ちょっと半透明っぽい白いプラ質がキモチワルイ、そしてモールドもでろでろ気味の簡易インジェクション?キット。かつてかさぱのす氏が完成させ、バリエーションキットのD-12はme20さんが完成させている。私の周囲、勇者多いな……。

DES ソミュアMCG5ハーフトラック(砲牽引車型):同じケグレス方式のハーフトラックでも、昔作ったNKCのユニックP107と比べるとずいぶん大味で荒っぽいキット。

どれにしようかしばし悩んだのだけれど、結局は、「今回はパーツの少ないレジンキットでバタバタとやっつけよう」などという邪な考え(あるいは皮算用)のもとに、ソミュアのハーフトラックでエントリーすることにした。

キット内容はこんな感じ。

20210201_200135 20210201_200519

シャーシにはいくつか、すでにパーツを接着してあった。荷台部分は一体成型なのか、それともアオリ部分は別で自分で組み立てたのか定かでない(接着跡が見えないので、たぶん一体パーツだったのだと思う)。少なくとも20年程度は我が家の押し入れで“熟成”されていたものなので、有機溶剤臭はしない(miniart studioのトルディのように、いつまで経っても臭いのもあるが)。

若干の歪みがあるパーツもあったので、組立前に煮る必要がある。なお、上右のパーツ写真で下辺中央あたりに写っている足回りのアーム(H形のもの)が片側分しかないが、これは撮影の直前、箱をひっくり返してパーツを床にぶちまけてしまったため。この後、無事に発見回収した。他、パーツをチェックしたところ、ブタの尾形の牽引フックが3つしかなかった(本来、前後2つずつで4つ必要)が、これは購入後に無くしたのか(あるいはこの直前にぶちまけたときに無くしたのか)、もともと無かったのか不明。

もっともそれ以前にこのキット、組立説明書に図解は最小限で、あとは「*番のパーツを*番に付けろ」という具合に文章でステップ解説してあるだけ。その一方で、パーツリストのようなものは入っていないので、どのパーツが何番なのか判らないし、パーツの過不足もしっかり確認できない。ただし、いくらなんでも番号で手順を説明しているのにリストがないのはおかしいので、私自身が購入後にどこかに仕舞って無くしてしまった可能性あり。

とりあえず、今後、ぼちぼちと製作記事などUPの予定。

20210202_213004 ●世は緊急事態宣言下にあるが、行かないでいるとそれはそれで問題が出てくるので、先週末、1晩泊りで川崎の実家に行く。土曜日にはドイツ人Pも来ていて、大いに飲む。

Pは年末年始にドイツの実家に帰っており、帰国後の2週間の隔離も明けてから顔を見せに来たもので、年またぎの実家製シュトレンを土産にもらった。市販品のようなオシャレな見てくれはしていないけれど、しみじみと美味しい。

●自分ではあくまでもコレクターではなくてモデラーだと思っていて(「完成させる模型」が「買う模型」の数十分の1に過ぎないとしても)、やはり買う模型は、多少なりとも「作るつもり」があるものに限られるのだけれど、中には「これはもしかしたらこの先作ることはないかもしれないけれど、買って持っていたい」と思うキットもある。

それは「作り上げる技術や知識がちょっと足りない気がするけれどネタ的に魅力に抗えない」とか、「ネタ的に自分の守備範囲からちょっと外れるかもしれないけれど、とにかくキットとして素晴らしく魅力的」とかいった感じのもので、結局買わずに我慢することもあるけれど、我慢できずに買ってしまうこともある。

と、前置きをしつつ。

「そんなんいつ作るんだ」と思いつつ購入をためらっていたMENGのFCM 2C多砲塔重戦車。たまたまfacebookのAFV模型板で話が出て、「いつか買いたいと思いつつ我慢している」といったようなコメントを書いたら、「なくなっちゃうよ」と言われ、つい流されて買ってしまった(実家からの帰り、横浜のVOLKSでたまたま見かけたので)。

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箱もそれなりに大きいが、そのうえで中身がぎっしり詰まっていて、一度箱を開けてパーツを出すと、きっちり収めるのが難しい。

さて。そんなわけで「いつ作るか判らないけれど前からとても欲しかった」キットを手に入れたわけだが、実はこのキット、左写真にあるように、「¥7020」の値札シールが貼ってある。しかし、実際に買って、直後にレシートを見てみると、「¥7560」とある(両方とも税抜価格)。気付いてレジに引き返し、「値段、打ち間違えてますよ」と言ったら、「済みません、値札シールの方が間違いでした」と言われた。

ここで買い逃して、結局買えないままになってしまうのも何なので、結局そのまま「¥7560+税」を払って買ってきたのだが、何だか釈然としない。>横浜VOLKS

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